畜産物の需給動向 |
図4 豚肉の冷蔵品、冷凍品別輸入量とCIF価格
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図5 豚肉の国別輸入量
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豚肉の輸入量は、国内外のBSEや高病原性鳥インフルエンザ発生による牛肉・鶏肉の代替需要により近年は増加傾向で推移していたが、18年度は期首推定在庫が高水準だったため前年度を下回って推移、その後は景気低迷による低価格志向を背景に2年連続で前年度を上回った。20年度の豚肉輸入量は、81万5千トン(8.0%)となった。内訳は、冷蔵品は、27万3千トン(14.5%)、冷凍品54万2千トン(5.0%)となった(図4、参考資料P39)。 |
国別輸入量の推移を見ると20年度は、米国34万トン(23.0%)と大幅に前年度を上回ったほか、カナダ18万トン(7.5%)、デンマークは15万トン(0.9%)、続くメキシコが6万トン(14.8%)となり、全体の輸入量は前年度を上回った。輸入量を大幅に伸ばしたのは米国産で、特に国内産テーブルミートと競合するチルドは20万トン(19.5%)、冷凍も15万トン(28.1%)と年度前半に国産志向により豚肉卸売価格が高値で推移したことに加え、景気の低迷による低価格志向を反映する結果となった。(図5、参考資料P40)。 |
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図6 豚肉の調製品の輸入量
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豚肉調製品(豚の肉またはくず肉のみから成るものを除く。)やソーセージ類は、順調に輸入量を増加させてきたが、19年度後半に起きた中国産冷凍ギョーザ事件をきっかけに、中国からの輸入量が減少に転じた。一方、タイは中国の減少分を補足するかのごとく輸入量を増加させたが、全体の輸入量を押し上げるまでには至らず、調製品は19万トン(▲5.1%)、うちソーセージは3万8千トン(▲10.4%)と前年度を下回った(図6)。 |