畜産物の需給動向 |
図3 鶏肉の冷凍品輸入量
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図4 鶏肉の国別輸入量
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鶏肉の輸入量は、そのほとんどが冷凍品で、業務、加工向けなどの需要にあった安価で使いやすい製品が供給されてきた。15年度以降は、主要な鶏肉などの輸入先であるタイ、中国、米国で鳥インフルエンザが発生し、輸入の一時停止や制限措置が採られたことなどから、前年度を大きく下回って推移した。しかし、17年度は、タイ、中国、米国の代替輸入先として、ブラジル産の輸入が増加したことにより前年度を大幅に上回る43万トン(18.7%)となった。18年度は前年度の輸入量増加による在庫の積み増しから34万トン(▲21.6%)と大幅に減少した。19年度は消費者の低価格志向や、業務・外食用での国産ニーズの高まりなどの影響で、国産鶏肉の価格が高水準で推移したことなどから、9月以降輸入量が増加し、前年度比6.4%増の36万2千トンとなった。20年度前半にかけて引き続き国産鶏肉価格が前年度を大きく上回って推移したことなどから、鶏肉輸入量も10月には4万9千トンと過去5年間で最高を記録し、通年では前年度を16.1%上回る42万トンとなった。 輸入先を国別に見ると、ブラジル産がタイ、中国の代替輸入先として輸入量を伸ばし、5カ年連続で鶏肉輸入量の約9割を占めて推移し、20年度は全体の93.4%を占めた。米国からの輸入量は、13年度以降は鳥インフルエンザなどの衛生問題により、たびたび輸入停止措置がとられたため、減少傾向で推移しており、20年度は全体の5.2%となった(図3、4、参考資料P51、52)。 |
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図5 鶏肉調製品の国別輸入量
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鶏肉調製品(焼き鳥、チキンナゲット、唐揚げなど)の輸入量は、安い素材を求める外食・業務用製品向けとして、中国産、タイ産を中心に増加傾向で推移していたが、両国とも鳥インフルエンザの発生により、輸入の形態が調製品へと一層シフトしている。17年度以降は30万トンを上回って推移している。18年度は34万6千トン(2.4%)と鶏肉輸入量を上回るところとなったが、20年度は消費者の低価格志向による鶏肉への堅調な需要や、家庭内での料理による内食化などにより、鶏肉輸入量を10万9千トン下回る31万トン(▲8.1%)となった(図5、参考資料P52)。 |