畜産物の需給動向

 7. 飼料 

▼飼料用トウモロコシの輸入
輸入価格は大幅に上昇した後、一転して急落

輸入量
図8 飼料用トウモロコシの輸入量

 配合飼料の主原料となる飼料穀物(トウモロコシ、こうりゃん、大麦、小麦など)は、そのほとんどを海外に依存し、トウモロコシは輸入量全体の約7割を占める。

 トウモロコシの輸入量は18年度以降、減少傾向で推移しており、20年度は前年度を3.0%下回る1,163万トンとなった。

 20年度の輸入量を国別に見ると、輸入量の大宗を占める米国産が前年度を0.3%上回る1,141万トン、アルゼンチン産は同69.5%減の9万トンとなった(図8、参考資料P72、73)。

輸入価格
図9 トウモロコシの価格と為替相場

 配合飼料の原料となるトウモロコシの輸入価格は、国際価格(シカゴ相場、期近物)の影響により大きく変動した。国際価格は、米国での燃料用エタノール生産向け需要の増加、中国の船腹需要の活発化や悪天候による作付け、生育の遅れなどから高騰した。それに加え、原油高による海上運賃の上昇も影響し、19年1月から20年12月にかけて配合飼料価格は急騰した。しかしながら、トウモロコシ価格が金融危機による投機資金の穀物相場からの流出や穀物需要の減退懸念から大幅に下落し、海上運賃も低下したことで、21年1月一転して急落した。(図9、参考資料P73)。