ALIC/駐在員トピックス
平成16年(2004年)12月分
◎ DEFRA、BSE対策の変更を発表(OTM処分対策を廃止へ) 【ブリュッセル駐在員事務所 平成16年12月2日発】 ◎ 豪州およびNZ、ASEANとのFTA交渉開始に合意 【シドニー駐在員事務所 平成16年12月1日発】 ◎ 日比経済連携協定に大筋合意(フィリピン) 【シンガポール駐在員事務所 平成16年11月30日発】
◎ DEFRA、BSE対策の変更を発表(OTM処分対策を廃止へ) 【ブリュッセル駐在員事務所 平成16年12月2日発】 イギリス環境・食料・農村地域省(DEFRA)は12月1日、30カ月齢以上(OTM)の牛の処分対 策の廃止に向けた管理された移行期間を開始し、厳格な牛海綿状脳症(BSE)検査システムへと切り 替えることを発表した。 イギリスでは現在、OTM処分対策に基づき、30カ月齢以上の牛はと畜後焼却処分されており、市場 に流出することはない。このOTM処分対策を初めとする、BSE対策の実施によりイギリスでのBS E患畜の発生が減少している。 このことから、イギリス食品基準庁(FSA)は2003年7月、OTM処分対策をBSE検査に切り替 えて良いとする勧告を行っていた。また、欧州食品安全機関(EFSA)は本年5月、1996年8月1日 以降に生まれた牛についての、OTM処分対策の廃止を認める見解を発表していた。 OTM処分対策の廃止に向けた不可欠な最初の措置は、厳格なまた独立した検査システムを構築する ことである。この検査により、陰性と判断された牛由来の肉のみが、市場に流通することとなる。 現在のOTM処分対策の変更は、2005年の後半まではその可能性は少ないとしている。 これに関してベケット大臣は、「公衆衛生の保護は、政府の一番の課題である。BSE患畜の頭数は 減少しているが、絶えず警戒しており、厳しく管理を行わなければならない。今回の決定は、イギリス のBSE撲滅に向けた取り組みの賜物である。また、今後、新たな検査システムを整えていく。さらに 新たなシステムが始動した暁には、できる限り早期に、1996年8月1日以降に生まれた牛の輸出ができ るよう欧州委員会に働きかけていく(現在イギリスは、輸出用の牛肉について、生年月日に基づく輸出 措置(DBES)によるほかの加盟国よりも厳しい条件が課されている。) なお、DEFRAは、主な公衆衛生対策は、特定危険部位(SRM)の除去であり、この措置は今後 とも厳格に実行されるものであるとしている。
◎ 豪州およびNZ、ASEANとのFTA交渉開始に合意 【シドニー駐在員事務所 平成16年12月1日発】 ラオスで行われていた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に招かれていた豪州政府とニュー ジーランド(NZ)政府は12月1日、それぞれASEANとの自由貿易協定(FTA)交渉を始めるこ とに合意したと発表した。 FTA交渉は2005年初めに開始され、2年後に締結の予定。両国のASEAN向け輸出額は、豪州は 製品部門の輸出額の11%以上、サービス部門では約15%、NZは全体の8%以上を占める。
◎ 日比経済連携協定に大筋合意(フィリピン) 【シンガポール駐在員事務所 平成16年11月30日発】 11月29日、ラオスのビエンチャンで開催されたASEAN首脳会合に置いて日本及びフィリピンの両国は 経済連携協定(EPA)の主要点について大筋合意に達したことを確認した。また、その後のアロヨ大統 領の声明によると、この合意は両国関係の歴史的転換点であり、自由で公平な貿易の促進とフィリピン の貧困削減に大きな前進をもたらすだろうと発表された。協定締結の時期については日本側の発表では 事務手続き完了後の速やかな締結とされたのに対し、フィリピン政府筋からは2005年初旬〜中旬頃にな るだろうとの見方もあり、現段階では両者の発表の間に若干の温度差が見られる。 なお、畜産物の合意内容は鶏肉が骨付きもも肉を除き、低関税率の輸入割当枠が設けられ、枠内税率 は11.9%から8.5%に削減される。輸入割当枠は1年目3千トン、5年目には7千トンとされると発表 された。また、乳製品、牛肉および豚肉などは交渉品目から除外、もしくは再協議とされた。