ALIC/駐在員トピックス

海外駐在員トピックス

平成17年(2005年)1月分


◎ EUのTSE専門家パネル、BSE疑いのヤギをBSEであるとの結論
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年1月28日】
◎ マラッカ州で豚コレラ被害(マレーシア)
  【シンガポール駐在員事務所 平成17年1月28日】
◎ 欧州委員会デンマークの飼料中のリン酸への課税を承認
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年1月19日】
◎ アセアン地域鳥インフルエンザ対策会議開催(シンガポール)
  【シンガポール駐在員事務所 平成17年1月12日】
◎ アルゼンチン、動物由来のたんぱく質を反すう動物に給与することを禁止
  【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成17年1月7日発】
◎ CAP改革(デカップリング、クロス・コンプライアンスなど)、2005年1月1日から適用
  【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年1月5日発】

◎ EUのTSE専門家パネル、BSE疑いのヤギをBSEであるとの結論

【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年1月28日】

 EUにおける伝達性海綿状脳症(TSE)の参照研究所(CRL)の専門家パネルは1月28日、2002年
にフランスにおいて発見された通常のスクレイピーとは異なる型のTSEに罹患したことが疑われるヤギ
から得られた検体が、BSEの系統を含んでいると結論づけた。

 欧州委員会は、今回確認されたケースが特別なケースであるかどうかを確認するために、今後6カ月間、
加盟国のヤギの飼養頭数に応じ検査対象を拡大することを2月2、3日に開催するフードチェーン・家畜
衛生常設委員会に提案するとしている。

 なお、欧州委員会は、フィードバンや特定危険部位(SRM)の除去などの現行の措置により、消費者
の安全は確保されており、ヤギの肉、乳、チーズなどについてはこれまでどおり食しても大丈夫であると
説明している。
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◎ マラッカ州で豚コレラ被害(マレーシア)

【シンガポール駐在員事務所 平成17年1月28日】

 マレーシア半島南部マラッカ州アロー・ガヤ地区の養豚場で今月21日以降100頭以上に及ぶ出荷間近の
肥育豚がへい死したことでマレーシア農業省獣医畜産局などにより原因が調査されていたが、26日マラッ
カ州保健当局者の発表により主な原因は豚コレラであるとの見解が表明された。

 当該地域は同州最大の養豚地域で26農場が隣接するものの、半径40キロメートルに及ぶ調査の結果被害
のあった農家以外からは疾病発生は確認されなかった。当該農場は約600頭の肥育豚を飼養しており、発生
当初給与飼料を変更した直後にへい死が続発したため食中毒の疑いがもたれた。感染したものは2月中旬
の旧暦正月用に出荷される予定だった。当該地域周辺では以前ニパウイルスによって養豚業が壊滅的被害
を被ったため、当局は住民などに対しパニックに陥らないよう注意を喚起している。
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◎ 欧州委員会デンマークの飼料中のリン酸への課税を承認

【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年1月19日】

 欧州委員会は1月19日、デンマークが独自に導入を提案していた、農業分野におけるリン酸の使用量を
減らすための家畜飼料中のリン酸に課税することについて反対しないことを決定し公表した。なお、この
たびのリン酸への課税によりデンマークの農業分野における課税水準が上昇することを抑えるため、農地
に係る課税を減らすこととしている。

 農地に係る減税額は非常に少なく、農家一戸1年当たりおよそ700デンマーククローネ(95ユーロ、約
13,000円、1ユーロ=135円)とみている。


参考:欧州委員会のウエブ

http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/05/69&format=HTML&aged
=0&language=en&guiLanguage=en

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◎ アセアン地域鳥インフルエンザ対策会議開催(シンガポール)

【シンガポール駐在員事務所 平成17年1月12日】

 高病原性鳥インフルエンザ予防・制圧のため、アセアン地域内協力体制を整備することを目的として、
12月20、21日の2日間、シンガポールで第1回アセアン地域HPAI対策会議が開催された。ここではアセア
ン各国の代表者のほか、中国、韓国、オランダ、国際機関としては国連食糧農業機関(FAO)国際獣疫事
務所(OIE)世界保健機関(WHO)からの参加があった。

 この会議では関係5カ国の国情に即した以下の8項目について役割分担が決定された。また、今年5月に
タイで開催が予定される第2回会合までに以下の各国ごとの目標について具体的な行動計画が示されるこ
ととされた。

タイ:@疾病発生を敏速に確認・報告する監視システム構築、A正確で敏速な疾病診断方法の確立。
マレーシア:@疾病万円を防止するための権益・移動制限などに関する指針A輸出産業保護のための清浄化
      ゾーニングに関する指針B今後新たな発生に際し敏速に対処するための緊急行動計画の策定
インドネシア:戦略的ワクチン使用を含む清浄化対策の指針の提案。
シンガポール:関係各国に対する疫病学情報の提供により域内各国の法整備などを支援。
フィリピン:公衆への正しい知識の啓もう普及を拡大。
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◎ アルゼンチン、動物由来のたんぱく質を反すう動物に給与することを禁止

【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成17年1月7日発】

 1月4日アルゼンチンにおいて、@動物由来のたんぱく質を反すう動物に給与すること、A鶏床または
鳥類の飼育残さを動物に給与すること−を禁止する農畜産品衛生事業団(SENASA)決議第1389/2004
号(2004年12月29日付け)が公布された。ただし、乳たんぱく質、魚粉、卵粉、羽毛粉(フェザーミール)
は対象外となっている。

 アルゼンチンでは、SENASA決議第485/2002号(2002年5月24日付け)により、ほ乳類由来のたん
ぱく質を反すう動物に給与することは禁止されていたが、今回の決議により規制が強化されることになる。

 なお同決議には併せて、2007年1月1日から飼料を生産する施設は、反すう動物用飼料を専用ラインで
生産し、他の家畜飼料の生産ラインとは分離しなければいけないと規定されている。
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◎ CAP改革(デカップリング、クロス・コンプライアンスなど)、2005年1月1日から適用

【ブリュッセル駐在員事務所 平成17年1月5日発】

 2003年6月に合意した共通農業政策(CAP)改革である、生産と切り離した(デカップリング)単一
の直接支払い、直接支払いの交付条件(クロス・コンプライアンス)の強化や直接支払いの段階的引き下
げ(モジュレーション)などが、2005年1月1日から適用された。(畜産の情報「海外編」2004年2月号
特別レポート参照)

 デカップリングは、これまで、生産に応じて支払われていた直接支払いとは異なり、生産と切り離し、
2000年から2002年に農家が支払いを受けた金額に基づき支払い額が計算されることとなる。本措置の適用
は、旧加盟15カ国では特別な事情などを考慮し、加盟国により実施時期を選択できることとなっていた。
2005年から適用となる国は、オーストリア、ベルギー、デンマーク、ドイツ、アイルランド、イタリア、
ルクセンブルグ、ポルトガル、スウェーデン、イギリスの10カ国である。そのほかの加盟国であるフィン
ランド、フランス、ギリシャ、オランダ、スペインは2006年から適用される。新規加盟国にあっては、マ
ルタとスロベニアが2006年から、その他の新規加盟国は2007年からとなっている。

 クロス・コンプライアンスは、農家が直接支払いを受けるために、品目別に定められた直接支払いの交
付条件を満たすだけでなく、環境、食品安全、動植物衛生、動物福祉などの規則で定められた条件にも従
わなくてはならなくなった。

 モジュレーションは、高額の直接支払いを受給している農家から、農村開発政策の財源を確保するため、
年間の直接支払い額を段階的に引き下げることが義務付けられる。2005年は、5,001ユーロを超える部分
について3%減額され、農村開発政策に振り向けられる。

 また、農村開発政策では、環境、食品品質、動物福祉などの対策が2005年から拡充されている。
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