ALIC/駐在員トピックス

海外駐在員トピックス

平成17年(2005年)7月分


◎ フィードロット収容能力、飼養頭数ともに最高記録を更新(豪州)  【シドニー駐在員事務所  平成17年7月27日発】
◎ ブラジル農務省、干ばつ被害に対して特別融資を実施  【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成17年7月26日発】
◎ NZフォンテラ、好調な業績を反映し04/05年度支払乳価を引き上げ  【シドニー駐在員事務所 平成17年7月21日発】
◎ 欧州委、2005年の穀物生産予測を公表  【ブリュッセル駐在員事務所  平成17年7月15日発】
◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月12日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛の飼育農場における調査を終了〜
  【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月12日発】 ◎ アルゼンチン産生鮮牛肉、中国へ輸出可能に  【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成17年7月12日発】 ◎ 2004/05年度の牛肉輸出量、94万8千トンを記録(豪州)  【シドニー駐在員事務所 平成17年7月12日発】 ◎ フィードロット収容可能頭数、100万頭を突破(豪州)  【シドニー駐在員事務所 平成17年7月11日発】 ◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月10日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛と関連する67頭のBSE検査結果はすべて陰性〜
  【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月10日発】 ◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月9日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛と関連する67頭に対しBSE検査を実施〜
  【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月9日発】 ◎ フィリピンで鳥インフルエンザが発生  【シンガポール駐在員事務所 平成17年7月9日発】 ◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月8日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛と関連する29頭に対しBSE検査を実施〜
  【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月8日発】 ◎ USDAによるBES疫学調査の進捗状況(7月6日現在)  【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月6日発】 ◎ ブラジル、米国向け加工牛肉の輸出再開  【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成17年7月4日発】 ◎ 2004/05年度第3四半期までの乳製品輸出、チーズを中心に増加(豪州)  【シドニー駐在員事務所 平成17年7月1日発】

◎ フィードロット収容能力、飼養頭数ともに最高記録を更新(豪州)

【シドニー駐在員事務所  平成17年7月27日発】

 豪州フィードロット協会(ALFA)は7月27日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同
調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査結果を発表した。これによると、2005年6
月末時点の総飼養頭数は87万9千頭と、前回調査に引き続き最高記録を更新した。このうち日本向け
は49万3千頭、韓国向けは3万5千頭と、前回調査より若干減少したが、国内向けが31万4千頭と増
加になった。また、同時点のフィードロットの収容能力は初めて100万頭を突破し、稼働率も85%と
高水準を維持した。飼養頭数の増加要因についてALFAでは、通常の季節的変動に加え、輸出およ
び国内市場の需要の高まりを挙げている。
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◎ ブラジル農務省、干ばつ被害に対して特別融資を実施

【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成17年7月26日発】

 ブラジル農務省(MAPA)は7月21日、干ばつ被害の影響が大きい郡に対して10億レアル(460億円:
1レアル=46円)の融資を手当てしたことを発表した。ブラジルでは南部地方を中心とした長期乾燥な
どの天候不順により主要穀物の生産に大きな被害が出ていた。

 特別融資は実際には、2004/05年度の大豆、トウモロコシ、ソルガム、小麦、米および綿栽培につ
いて、生産者または組合(以下生産者など)が持つ生産資材サプライヤーへの債務に対し再融資するた
め、30億レアルの資金投入が承認されたもので、30億レアルのうち、ブラジル銀行を通じて融資され
る20億レアルのうち半額の10億レアルは連邦政府が干ばつ緊急事態を宣言した各郡が対象となり、残
りがその他の地域に投入される。また、経済社会開発銀行(BNDES)の管理下に置かれる残り10億レア
ルは農業プログラムに充当される。今回の特別融資の利息は13.75%とし、政府、生産者など、サプ
ライヤー間の合意により、生産者などが8.75%、サプライヤーが5%を負担することと定められた。
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◎ NZフォンテラ、好調な業績を反映し04/05年度支払乳価を引き上げ

【シドニー駐在員事務所 平成17年7月21日発】

 ニュージーランド(NZ)の巨大乳業メーカーフォンテラは7月19日、2004/05年度の生産者に対
する支払乳価(乳固形分ベース)について、最終的に1キログラム当たり4.59NZドル(358円:1
NZドル=78円)に引き上げたことを発表した。これは、前年度と比べ34NZセント(27円)の上昇
となっている。2004/05年度の同社の売上高は、生乳生産減少により乳製品生産量が伸び悩む中で、
国際的な乳製品価格高騰を背景に前年度を4億9,300万NZドル(384億5,400万円)上回る123億NZ
ドル(9,594億円)に達しており、今回の乳価の引き上げは、好調な業績を反映した結果となった。
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◎ 欧州委、2005年の穀物生産予測を公表

【ブリュッセル駐在員事務所  平成17年7月15日発】

 欧州委員会は7月15日、EUにおける2005年の穀物生産量は、前年と比べ約2,800万トン減少する予
測を公表した。これは、スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、ギリシャ中央部の地域が、干
ばつの影響を受け減少するとしているためである。

 今年の干ばつは、2003年のものと比べ地理的に影響のある範囲は少ないものの、いくつかの地域で
は、近年にない状況にある。イベリア半島は、ここ30年来最もひどく、フランス南西部は、2003年の
干ばつと同等のものであるとしている。また、今回の干ばつは、昨年の11月から現在まで続いている
状態である。なお、2003年の干ばつは、同年の3月頃から始まり、夏の終わりまでであった。

 EU全体の穀物の生産量としては、過去5年間(2000年〜2004年)の平均と同じ程度のものである
が、スペインとポルトガルでは過去5年間の平均を小麦でそれぞれ51.5%、34.4%、大麦で32.5%、
52.4%下回る非常に厳しいものである。
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◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月12日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛の飼育農場における調査を終了〜
【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月12日発】  米国農務省(USDA)は7月12日、今回BSEの感染が確認された患畜が飼育されていた農場に おける調査対象牛の仕分けおよび目録作成作業が終了したと公表した。これまでの67頭の牛に対する BSE検査が陰性との結果を得たことおよび今回作業が終了したことから、当該農場の移動制限措置 は11日に解除されたとしている。なお、USDAは当該農場から移動した牛について追跡調査を継続 中である。
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◎ アルゼンチン産生鮮牛肉、中国へ輸出可能に

【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成17年7月12日発】

 7月11日付けアルゼンチン農畜産品衛生事業団(SENASA)および7月12付けアルゼンチン外
務省のプレスリリースによれば、中国は初めてアルゼンチンの食肉処理施設が生鮮牛肉および生鮮鶏
肉を輸出することを承認した。

 中国は今回、生鮮牛肉について5パッカー、生鮮鶏肉については11処理施設を承認している。

 特に牛肉について中国とは、2004年11月17日に「南緯42度以北地域からは、国際獣疫事務局(OI
E)の口蹄疫ワクチン接種清浄地域ステータスを回復した後に、骨なし生鮮牛肉の輸入を認める」こ
とについて覚書を交わしていた。(平成16年11月18日発海外駐在員トピックス海外駐在員情報第661号
を参照)。

 よってこれに伴い中国から5月23日〜6月2日に衛生ミッションが来訪しパッカーを検査したもの
で、今回承認された5パッカーはすべて42度以北の牛の飼養が盛んな州に所在している。

 なお、生鮮鶏肉についても同じ覚書の中で輸出が承認された品目となっているが、今回初めて輸出
が可能となる。
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◎ 2004/05年度の牛肉輸出量、94万8千トンを記録(豪州)

【シドニー駐在員事務所  平成17年7月12日発】


 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は7月11日、2004/05年度(7〜6月)の牛肉輸出量(船積み
ベース)を発表した。これによると、輸出量は前年度比10%増の94万8千トンとなり、2000/01年度に
記録した95万9千トンに次ぐ実績となった。輸出量を仕向け先別に見ると、日本向けが前年度比27%
増の41万9千トン(うち穀物肥育19万2千トン)と全体の44%を占め、次いで米国向けが前年度比1
%増の36万6千トン、韓国向けが前年度比21%増の9万1,100トン(うち穀物肥育1万6,600トン:前
年度比123%増)となり、これら3ヵ国で輸出量全体の92%を占める結果となった。
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◎ フィードロット収容可能頭数、100万頭を突破(豪州)

【シドニー駐在員事務所  平成17年7月11日発】

 豪州のフィードロット収容可能頭数が初の100万頭を突破した。これは、豪州の輸出向けフィードロ
ットに義務付けられている全国肥育場認定制度(NFAS)の最新データにより明らかとなったもの
で、収容能力は101万3,759頭と2005年3月末に豪州フィードロット協会(ALFA)が発表した約99
万5千頭から2%近く増加した。フィードロットの収容能力はこの2年で20%も上昇し、特に5万6
千頭の収容能力を増加した西オーストラリア州での伸びが目立っている。なお、今後、東部地域で新
たに5万頭規模のフィードロット新設も予定されており、輸出需要を追い風にフィードロット収容可
能頭数のさらなる拡大が見込まれる。
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◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月10日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛と関連する67頭のBSE検査結果はすべて陰性〜
【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月10日発】  米国農務省(USDA)は7月10日、今回BSEの感染が確認された患畜の子孫および当該患畜と 同時期に生まれ同一牛群で飼養されていた38頭の牛に対しアイオワ州の連邦獣医局検査施設(NVS L)でBSE検査を実施した結果、陰性との結果が得られたと公表した。これで同日までに67頭の牛 に対してBSE検査が実施され、すべて陰性であったこととなった。    同省の動植物検査局(APHIS)は、今後も2例目の陽性牛と関連する牛の調査を継続し、確認 次第BSE検査を実施していくとしている。
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◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月9日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛と関連する67頭に対しBSE検査を実施〜
【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月9日発】  米国農務省(USDA)は7月9日、今回BSEの感染が確認された患畜の子孫および当該患畜と 同時期に生まれ同一牛群で飼養されていた他の牛を調査した結果、同日現在で67頭の牛からBSE検 査のための採材を行ったと公表した。このうち、29頭についてはアイオワ州の連邦獣医局検査施設 (NVSL)でBSE検査され陰性との結果が得られたが、残りの38頭については検査中であるとさ れている。
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◎ フィリピンで鳥インフルエンザが発生

【シンガポール駐在員事務所  平成17年7月9日発】

 7月8日、フィリピン政府は、同国の首都マニラの北方でアヒルから鳥インフルエンザウイルスを
確認したと発表した。このウイルスが高病原性か否かについては不明で、豪州の検査機関に送り、1
週間以内に結果が判明する見込みとしている。感染が確認されたアヒルの群れは殺処分するとともに
発見地域の周囲に防疫ゾーンを設けるとしている。この発生確認にともなって日本への家きん製品の
輸出は一時的に停止されたとしている。日本への鶏肉製品の輸出は2004年に約1千トンであったが、
2005年1〜3月には月当たり200トンを超える数量となっていた。フィリピンでの鳥インフルエンザ
発生により、アセアン10カ国のうち発生の確認されていないのはミャンマーやシンガポールなどとな
った。
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◎ USDAによる疫学調査の進捗状況(7月8日現在)
〜米国農務省、2例目BSE陽性牛と関連する29頭に対しBSE検査を実施〜
【ワシントン駐在員事務所 平成17年7月8日発】  米国農務省(USDA)は7月8日、今回BSEの感染が確認された患畜の子孫および当該患畜と 同時期に生まれ同一牛群で飼養されていた他の牛を調査した結果、今回29頭の牛を確認したと公表し た。これら29頭は6日、検査施設に搬送され殺処分された。なお、29頭の脳サンプルは今後、アイオ ワ州エイムズのUSDA家畜衛生研究所でBSE検査され、検査終了後直ちに検査結果が公表される こととなっている。 
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◎ USDAによるBSE疫学調査の進捗状況(7月6日現在)

【ワシントン駐在員事務所  平成17年7月6日発】

 今回の陽性牛は黄色またはクリーム色のブラーマン種の交雑種。2004年11月11日にテキサ
ス州の家畜市場を経由して販売されるまで、同じ農場内で飼育されていた。当該牛は直近の産子の離
乳後も状態が不良であった為に販売された。家畜市場内で「横臥」したとの報告があった。

 当該牛は11月15日に連邦政府により検査が行われている施設に輸送されたが、到着時には既に
死亡していた。このため、車両から降ろすことなく検査に供された。枝肉は当日遅く、強化されたB
SEサーベイランスの一貫として採材が行われ、テキサス州内のペットフード工場に搬送された。

 USDAおよびFDAは、患畜牛との同居牛や当該牛の直近の2頭の産子の調査および資料の使用歴など
について、調査を進めている。 
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◎ ブラジル、米国向け加工牛肉の輸出再開

【ブエノスアイレス駐在員事務所  平成17年7月4日発】

 7月4日ブラジル農務省(MAPA)は、米国向け加工牛肉の輸出を6月29日から再開したことを
公表した。

 MAPAは5月5日、米国向け食肉処理加工28施設に対し衛生証明書の発給を一時停止していたが
(海外駐在員情報通巻第670号海外駐在員トピックス5月9日発の記事参照)、今回は6パッカー
からの輸出を解禁した。

 農牧防疫局長によれば、「MAPAは、検査手順およびパッカー作業の適正化を確認したことによ
り輸出再開を決定した。米国農務省ミッションも6月2〜27日に、これらパッカーの監査を行い、必
要な事項はすべて実施されていることを確認している」と話している。

 なお7月6日から新たに8パッカーなどを検査するため、米国獣医ミッションがサンパウロ州、ミ
ナスジェライス州などを訪問するとし、また8月にも14パッカーを検査することになっていると報じ
ている。
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◎ 2004/05年度第3四半期までの乳製品輸出、チーズを中心に増加(豪州)

【シドニー駐在員事務所 平成17年7月1日発】

 デイリーオーストラリア(DA)は6月29日、2004/05年度第3四半期までの乳製品輸出量を発表
した。これによると、総輸出量は前年同期比0.4%増の627,400トンにとどまったものの、国際的な
乳製品価格の高騰を受けて輸出額は前年度同期比13.5%増の18億7千万豪ドル(1,608億2千万円:
1豪ドル=86円)に達している。品目別では、チーズとホエイパウダーの輸出が増加し、脱脂粉乳、
バターが減少している。特にチーズ輸出の伸びが目覚しく、輸出量は前年同期比16.5%増、輸出額
は同29.8%増の6億6,600万豪ドル(572億8千万円)となっている。DAでは、今年4月時点の生乳
生産量が前年並みの水準まで回復しており、また、牧草の育成状態も良いことから、乳製品の輸出
量、輸出額ともにさらなる増加を期待している。
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