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III 業務の概要(平成15事業年度 年報 砂糖編)

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最終更新日:2008年12月2日

1 輸入指定糖に関する業務

(1)概要

平成15事業年度における輸入指定糖に関する業務は、糖価調整法に基づく価格調整業務が行われた。
平均輸入価格が全適用期間を通じて国内産糖合理化目標価格を下回っていたので、糖価安定法第5条及び糖価調整法第5条に基づく義務売買が行われた。
なお、特定期間(平成12年10月1日〜15年9月30日)における指定糖の売戻しの価格の特例措置として、砂糖の生産の合理化を緊急に図ることができると見込まれる額として砂糖年度ごとに農林水産大臣が定めた額(10,000円/千kg)の減額が平成15年9月30日まで行われた。


ア.売買数量

平成15事業年度における機構売買契約数量のうち、条件付きでない粗糖の売買契約数量は1,407,573トン(1,202件)で、前事業年度に比べ79,870トン(5.4%)減少した。
また、条件付きでないもので粗糖以外の売買契約数量は 1,827トン(331件)であった。
条件付きのものについては、粗糖の売買契約数量 13,368トン(241件)、粗糖以外の売買契約数量 1,622トン(9件)であった。


イ.売買差額

平成15事業年度に売買契約した輸入糖の売買差額は、粗糖49,585,519千円、粗糖以外のもの 88,610千円、合計 49,674,129千円となっており、平成14事業年度に比べ5,454,379千円(12.3%)増加した。

(2)売買契約実績

ア 粗糖
区分 総 数 うち条件付きのもの うち条件付きでないもの  
件数 数量 件数 数量 件数 数量 売買差額(調整金) 備考
年月 平成15年 4月 107 85,161,510 24 1,202,149 83 83,959,361 2,374,735,194  
5月 109 140,909,501 19 1,176,007 90 139,733,494 3,952,082,411  
6月 142 154,640,029 22 1,054,537 120 153,585,492 4,800,885,475  
7月 126 140,100,888 24 1,188,085 102 138,912,803 4,082,092,322  
8月 88 106,957,247 13 825,118 75 106,132,129 3,118,836,270  
9月 147 158,928,080 22 1,308,812 125 157,619,268 5,151,425,681  
10月 113 105,191,154 23 1,312,674 90 103,878,480 4,129,793,297  
11月 123 138,521,243 18 1,130,133 105 137,391,110 5,462,649,163  
12月 175 178,655,223 18 784,013 157 177,871,210 7,610,859,960  
平成16年 1月 88 64,615,880 23 1,179,295 65 63,436,585 2,560,977,378  
2月 95 64,509,508 22 1,513,155 73 62,996,353 2,553,911,731  
3月 130 82,751,096 13 694,440 117 82,056,656 3,787,270,351  
合計 1,443 1,420,941,359 241 13,368,418 1,202 1,407,572,941 49,585,519,233  
イ 粗糖以外
区分 総 数 うち条件付きのもの うち条件付きでないもの  
件数 数量 件数 数量 件数 数量 売買差額(調整金)

備考

年月 平成15年 4月 27 144,024 0 0 27 144,024 7,532,175  
5月 37 415,329 1 216,216 36 199,113 9,288,677  
6月 19 324,935 1 216,207 18 108,728 4,890,823  
7月 24 377,636 1 216,225 23 161,411 7,321,838  
8月 33 291,964 1 216,612 32 75,352 3,579,318  
9月 33 427,041 1 216,387 32 210,654 10,232,770  
10月 19 116,422 0 0 19 116,422 5,435,055  
11月 29 121,593 0 0 29 121,593 5,882,155  
12月 20 139,421 0 0 20 139,421 6,998,991  
平成16年 1月 26 584,849 3 432,409 23 152,440 7,442,173  
2月 38 365,274 1 108,414 37 256,860 12,671,110  
3月 35 140,565 0 0 35 140,565 7,334,954  
合計 340 3,449,053 9 1,622,470 331 1,826,583 88,610,039  

2 異性化糖に関する業務

(1)概要

平成15事業年度における異性化糖平均供給価格は全適用期間を通じて異性化糖調整基準価格を下回って推移したため、国内産異性化糖、輸出用異性化糖及び輸入異性化糖等については、全適用期間を通じて機構売買の対象となった。


ア.国内産異性化糖

15事業年度における国内産異性化糖の売買契約数量は、775,096トン(標準異性化糖換算数量)となり、売買差額として3,001,334千円の調整金を徴収した。これは前年度と比較すると、売買契約数量で449,769トン(138.3%)の増加、調整金で2,179,351千円(265.1%)の増加となった。調整金の大幅な増加は全適用期間を通じて売買が行われたことによる。
異性化糖の用途の主体が清涼飲料、乳性飲料及び冷菓向けであることもあって、気温の高い年度前半の4月から9月までが445,214トン(全体の57.4%)と年度後半の10月から翌年3月までの329,882トンを上回っている。
また、規格別にみると果糖含有率40%未満のもの3,979トン、40%以上50%未満のもの168,812トン、50%以上60%未満のもの519,929トン及び60%以上のもの82,376トンとなっており、50%以上60%未満のものが全体の約67.1%を占めている。


イ.輸出用異性化糖

15事業年度における輸出用異性化糖の売買契約は26トン(標準異性化糖換算数量)、契約解除となった数量はなく、契約未解除数量は26トンとなった。なお、全量が果糖含有率60%以上のものであった。


ウ.輸入異性化糖及び混合異性化糖

15事業年度における輸入異性化糖等の売買契約はなかった。

(2) 売買契約実績

ア 国内産異性化糖
規格 果糖含有率40%未満 果糖含有率40%以上50%未満 果糖含有率50%以上60%未満 果糖含有率60%以上 合計 標準異性化糖換算数量 売買差額
年月 平成15年 4月 601,900 21,372,647 49,839,811 5,287,555 77,101,913 75,201,769 242,444,837
5月 469,453 21,037,256 52,183,509 5,396,601 79,086,819 77,383,365 249,478,445
6月 548,673 22,271,645 57,141,818 5,580,306 85,542,442 83,635,705 286,374,771
7月 649,269 22,994,075 57,165,408 6,176,931 86,985,683 85,251,284 29,488,648
8月 523,125 17,069,651 40,339,837 3,630,223 61,562,836 59,652,812 20,633,761
9月 490,999 17,637,054 43,178,201 4,354,487 65,660,741 64,089,134 33,052,565
10月 541,644 16,713,974 37,386,144 4,004,943 58,646,705 57,052,194 390,573,308
11月 462,436 15,613,807 34,286,242 2,458,969 52,821,454 50,532,170 345,937,721
12月 525,383 16,438,728 34,687,310 2,772,613 54,424,034 52,116,642 367,731,473
平成16年 1月 354,301 14,515,786 30,678,719 2,609,278 48,158,084 46,262,885 278,313,793
2月 480,123 15,295,681 35,060,865 3,570,727 54,407,396 52,893,833 318,205,165
3月 609,427 19,997,303 47,980,931 4,509,567 73,097,228 71,024,118 439,099,848
合計 6,256,733 220,957,607 519,928,795 50,352,200 797,495,335 775,095,911 3,001,334,335
イ 輸出用異性化糖
区分 売買契約 契約解除 輸出取止 残高

数量

標準異性化糖換算 売買 差額

数量

標準異性化糖換算 売買 差額

数量

標準異性化糖換算 売買 差額

数量

標準異性化糖換算 売買 差額
前年度 繰越し - - - - - - - - - - - -
年月 平成15年 4月 - - - - - - - - - - - -
5月 - - - - - - - - - - - -
6月 - - - - - - - - - - - -
7月 - - - - - - - - - - - -
8月 - - - - - - - - - - - -
9月 - - - - - - - - - - - -
10月 - - - - - - - - - - - -
11月 - - - - - - - - - - - -
12月 - - - - - - - - - - - -
平成16年 1月 - - - - - - - - - - - -
2月 - - - - - - - - - - - -
3月 16,000 26,176 157,472 0 0 0 0 0 0 16,000 26,176 157,472
合計 16,000 26,176 157,472 0 0 0 0 0 0 16,000 26,176 157

(注)売買契約等は、果糖含有率60%以上の異性化糖である。

3 国内産糖に関する業務

(1)概要

平成15事業年度におけるてん菜糖及び甘しゃ糖の国内産糖交付金交付業務については、平成15年4月から9月までは14年産糖、15年10月から16年3月までは15年産糖に対して行った。
国内産糖交付金交付申請に係る蔵置場所については、国内産糖交付金交付要領第5及び国内産糖倉庫指定要領に基づき15砂糖年度に指定(15〜17砂糖年度適用)されたものに追加及び解除を行った。(第4表)


(2)価格の動向

平成15事業年度における価格の動向は、概ね次のとおりである。
平均輸入価格の第1・四半期は、トン当たり2万9千円台であったが、その後下降傾向で推移し、第2・四半期には2万6千円台、第3・四半期は2万4千円台、第4・四半期には2万3千円台まで下降した。
一方、平均市価も上白、ビートグラともに年度当初は前年度に引き続きトン当たり12万4千円台であったが、5月に12万3千円台に下がったものの、6月から上昇に転じ9月までは12万2千円、10月は12万4千円台、11月以降は12万7千円となった。


(3)平成15事業年度における国内産糖交付金交付業務
ア.てん菜糖

14年産のてん菜糖生産量は722,589トン(うち、てん菜原料糖は253,489トン)で、交付金交付数量は621,800トン(うち、てん菜原料糖は218,300トン)は既に15年3月までに交付金交付決定されており、15年4月から9月までの交付金交付決定数量は100,698トン(うち、てん菜原料糖は35,187トン)であった。
15年産のてん菜糖生産量は744,436トン(うち、てん菜原料糖は281,437トン)で、このうち16年3月までの交付金交付決定数量は491,806トン(うち、てん菜原料糖は170,530トン)であった。
この交付金交付によって製造事業者に支払われた交付金額は、50,461,257千円(うち、てん菜原料糖は18,436,350千円)であった。(第5表)


イ.甘しゃ糖

14年産の甘しゃ糖生産量は、鹿児島県産61,554トン、沖縄県産87,560トンで、このうち鹿児島県産51,190トン、沖縄県産75,490トンは既に15年3月までに交付金交付決定されており、15年4月から製糖終了までの交付金交付決定数量は、鹿児島県産10,322トン、沖縄県産11,967トンであった。
15年産の甘しゃ糖生産量は、鹿児島県産68,491トン、沖縄県産91,903トンで、このうち16年3月までの交付金交付数量は、鹿児島県産53,397トン、沖縄県産80,629トンであった。
この交付金交付によって製造事業者に支払われた交付金額は、鹿児島県産13,114,892千円、沖縄県産19,175,967千円であった。(第5表)


(4)国内産原料糖入札取引業務

国内産原料糖の入札取引に係る業務規程及び業務細則に基づき15砂糖年度における、売り手(8者)及び買い手(24者)の登録を行うと共に、国内産原料糖価格形成施設において取引監視委員立会いのもと入札取引を4回行った。結果については、全量が落札されており、再入札は行われなかった。(第6表)

第4表 国内産糖の機構指定倉庫(指定期間:平成15〜17砂糖年度)

(北海道)

地区名 北広島 石狩 恵庭 札幌 函館 小樽 士別 旭川 美幌 網走
倉所数 1 2 1 6 2 4 4 6 3 2
地区名 斜里 北見 室蘭 苫小牧 伊達 釧路 芽室 帯広 幕別 清水
倉所数 1 3 1 9 1 14 2 4 1 2
地区名 本別 広尾              
倉所数 1 1               71

(15事業年度追加)

小樽にホクレン農協連小樽倉庫を追加。

芽室に十勝鉄道(株)芽室倉庫を追加。


(本州、四国、九州、沖縄)

地区名 仙台 東京 戸田 千葉 横浜 清水 名古屋 碧南 大阪 泉佐野
倉所数 1 7 2 5 1 2 4 1 4 2
地区名 神戸 岡山 広島 福岡 北九州 下関 日向 鹿児島 今帰仁
倉所数 1 1 1 4 2 1 1 3 1 44
地区名                  
倉所数                   115

(15事業年度追加)

 東京に三菱倉庫(株)ワールド流通センター倉庫を追加。

 千葉に日甜(株)千葉物流センターを追加。


第5表 国内産糖交付金交付決定数量

(単位:トン、千円)

項目 てん菜糖 甘しゃ糖
鹿児島県産 沖縄県産
産糖量 14年産 (253,489)
722,589
61,554 87,560
15年産 (281,437)
744,436
68,491 91,903
交付決定数量 14年産
平成15年4〜9月
(35,187)
100,698
10,322 11,967
15年産
平成15年10月〜16年3月
(170,530)
491,806
53,397 80,629
(205,717)
592,504
63,719 92,595
国内産糖交付金交付決定金額 (18,436,350)
50,461,257
13,114,892 19,175,967

(注)てん菜糖の( )内は、てん菜原料糖に係るもので内数である。


第6表 平成15事業年度における国内産原料糖の入札結果

1 てん菜原料糖

区分 上場数量
(売り手数)
申込者数 申込数量 申込倍率 落札者数 落札数量 不落札数量 落札率 落札価格
最高 最低 平均
単位 トン(者) トン トン トン 円/トン 円/トン 円/トン
13,710.000 21 40,994.100 3.0 21 13,710.000 0.000 100.0 61,070 55,260 57,591
14砂糖年度
第3回
平成15年4月11日
(14年産)
第4回
平成15年7月9日
(14年産)
13,179.900 21 41,265.240 3.1 20 13,179.900 0.000 100.0 58,920 53,400 56,437
15砂糖年度
第1回
平成15年10月8日
(14年産)
13,110.000 21 38,621.430 2.9 21 13,110.000 0.000 100.0 67,930 61,470 63,818
第2回
平成16年1月9日
(15年産)
11,100.000 19 31,570.320 2.8 19 11,100.000 0.000 100.0 66,640 60,300 62,580

(注)
  1. 不落札数量は、(上場数量−落札数量)である。
  2. 落札価格は、消費税及び地方消費税を含まない。

2 甘しゃ分みつ糖
区分 上場数量(売り手数) 申込者数 申込数量 申込倍率 落札者数 落札数量 不落札数量 落札率 落札価格
平均
単位 トン(者) トン トン トン 円/トン
600.000 7 4,200.000 7.0 1 600.000 0.000 100.0 81,480
15砂糖年度
第1回
平成15年10月8日
第2回
平成16年1月9日
2,200.000 7 7,800.000 3.5 2 2,200.000 0.000 100.0 81,843

(注)
  1. 不落札数量は、(上場数量−落札数量)である。
  2. 落札価格は、消費税及び地方消費税を含まない。

4 砂糖の補助に関する業務

砂糖生産振興事業

15事業年度に実施した補助事業は、15事業14,302,829千円であり、事業内容は次のとおりである。


(1)てん菜優良品種育成・普及推進事業

根腐病・黒根病に対する耐病性品種の早期育成を推進するため、海外から導入したてん菜の耐病性遺伝資源を使用し国内の育種素材の増殖等を行うとともに、播種作業の省力化のための機械開発・改良を行う事業に対し補助することとした。


(2)ビート産業合理化促進総合対策事業

てん菜の生産コスト削減、生産性の向上等を図るため、播種プラントの更新、共同育苗ハウスの整備等てん菜生産の効率化・省力化に必要な経費等を補助することとした。


(3)さとうきび栽培技術高度化事業

さとうきびの省力化・低コスト生産体制を推進するため、実証圃を設置し、単収向上のかん水技術、性フェロモンを利用した害虫の防除技術、秋収穫品種や緑肥栽培を取り入れた新たな作付体系、糖度向上のための栽培技術等の普及促進に向けた実証栽培を行い、県、試験研究機関、普及機関、市町村、農業協同組合、製糖業者、営農集団、生産者、有識者等を構成員とする推進協議会を開催するとともに、新栽培技術の導入による効果について評価・分析を行う事業に対し補助することとした。


(4)さとうきび品質取引安定化事業

さとうきびの品種構成が高糖度の品種へ移行してきていることを踏まえ、甘しゃ糖度換算式の見直しに必要な品質分布調査等を行うとともに、近赤外分光分析計による品質測定の信頼性の確保を図るため、近赤外分光分析計で測定された蔗汁糖度(原料さとうきびの搾汁液の糖度)と旋光糖度計で測定された蔗汁糖度との比較検証等及び品質取引の低コスト化を図る観点から、生産者団体、糖業者団体、有識者等を構成員とする検討会を開催する事業に対し補助することとした。


(5)新さとうきび・糖業再活性化事業

さとうきびの安定生産の確保及び生産性の向上並びに甘しゃ糖企業のコスト削減に向けた地域におけるさとうきび生産者、製糖業者、県、市町村等の関係者が一体となって取組む事業に対し補助することとした。


(6)農業経営基盤強化特別対策事業

てん菜、さとうきびの生産の実態、地域の実情等を踏まえ、てん菜・さとうきびにおける生産農家の農業経営基盤強化に向けて取組む事業に対し補助することとした。


(7)てん菜糖集荷製造流通合理化対策事業

てん菜糖企業におけるてん菜糖の集荷・製造・流通経費の縮減への取組みを支援するため、てん菜糖製造合理化計画に則して行われる、原料受入れ体制の合理化及び効率的な製造・流通施設の整備に要する事業、早期退職の促進等に要する経費に対し補助することとした。


(8)てん菜糖省エネ・環境対策推進事業

てん菜糖企業における省エネルギー対策・環境対策への取組みを支援するため、てん菜糖製造合理化計画に則して行われる、製糖工程で必要となる燃料・電気等のエネルギーに要するコストを削減する施設整備や大量に発生するライムケーキ等の処理費用の縮減及び余剰汚泥の減量化・再資源化を図るための省エネルギー化施設及び再資源化施設の整備に要する事業に対し補助することとした。


(9)てん菜糖農務関係業務合理化推進事業

てん菜糖企業の農務関係業務の合理化への取組みを支援するため、てん菜生産者・農協・てん菜糖企業間の役割分担の見直しを図ることによって、てん菜の効率的な生産・出荷体制の構築を通じててん菜糖企業の農務関係業務の削減の円滑な実施を支援するとともに、農業協同組合等がてん菜の営農指導及び計画出荷を推進する事業に対し補助することとした。


(10)原料糖需要開発・加糖調製品対策事業

加糖調製品への需要に代替する安価な砂糖として、てん菜白糖と輸入ソルビトールを混合した国産加糖調製品を市場へ供給し、てん菜原料糖の持ち越し在庫を減少させる等の対策を行う事業に対し補助することとした。


(11)甘しゃ糖製造合理化対策事業

甘しゃ糖企業の集荷製造経費の削減に向けた合理化への取組みを支援するため、甘しゃ糖製造合理化計画に則した効率的な甘しゃ糖製造設備の整備、甘しゃ糖工場廃棄の際の除却損及び廃棄費用、従業員の早期退職及び甘しゃ糖の高品質化に向けた原料選別装置の整備を行う事業、さとうきびの糖度別買入価格体系の見直しにおいて、低糖度帯の見直しが3年間据え置かれることに伴う、甘しゃ糖の原料代の負担増加分に対し補助することとした。


(12)甘しゃ糖合理化促進臨時助成事業

標準的な集荷製造経費を基準として算定される国内産糖交付金によっては実際の集荷製造経費を賄えない甘しゃ糖企業に対し、合理化の取組状況も勘案しつつ、その差額を補填する事業に対し補助することとした。


(13)精製糖企業再編・合理化対策事業

精製糖企業の製造販売経費の削減に向けた再編・合理化の取組みを支援するため、精製糖企業再編・合理化計画に則して行われる、退職金資金及び設備増強資金の借入利子、精製糖工場設備廃棄の際の除却損及び廃棄費用並びに製造設備等のリース付加料・利子などに必要な経費を補助することとした。


(14)精製糖企業合理化促進緊急対策事業

精製糖企業が行う、砂糖の製造から販売・流通等に至る一連の過程のコスト低減・合理化に資するための取組に対して補助することとした。


(15)砂糖消費拡大推進事業

消費者に対して砂糖に対する誤解や効用に関する情報提供体制を整備・強化するための普及啓発を行うとともに、シンポジウムの開催等を通じ有識者間の砂糖の機能・効用に関する議論の活性化、消費者との情報交換等の活動を促進し、オピニオンリーダーの育成・強化等により砂糖に対する正しい理解の浸透を図るなど、砂糖の需要の増進に資する事業に対し補助することとした。