ホーム > 農畜産業振興機構について > 農畜産業振興機構年報 > 平成15事業年度 農畜産業振興機構年報 > 5.蚕糸(平成15事業年度 年報) > II 取引指導繭価の設定等(平成15事業年度 年報 蚕糸編)
平成6年度に、養蚕、製糸、絹業、流通の4者の合意により、取引指導繭価の仕組みが導入され、以来これまで関係者に定着してきている。養蚕農家は取引指導繭価の基礎の上で安定的に繭生産に取り組み、かつ、繭品質の向上に励むことにより、取引指導繭価を上回る水準での繭代を取得し、経営の維持・安定を図ってきている。
しかし、繭糸価格安定法の一部を改正する法律(平成9年法律第62号)の施行により、10年4月1日以降、従来の安定価格帯制度は廃止され、繭代の算定の上で、基準となる指標がなくなることとなった。そこで農林水産省では、取引指導繭価での農家手取りを確保し、蚕糸業の経営の安定を図ることが引き続き蚕糸行政の基本であるとの観点から、従来の経緯を踏まえつつ、取引指導繭価の仕組みの運用のルール等を明確化した蚕糸業経営安定対策要綱(平成10年1月20日付け10農産第349号農林水産事務次官依命通知)を制定して関係者に通知し、その趣旨を徹底させた。
この蚕糸業経営安定対策要綱に基づき、農林水産大臣により平成15年2月27日付けで平成15生糸年度における取引指導繭価等(取引指導繭価1,518円/生繭kg、基準繭価100円/生繭kg、実需者輸入割当枠の年間割当数量の見込み40,000俵、輸入糸調整金単価の水準330円/生糸kg、下位指標価格3,100円/生糸kg、上位指標価格4,900円/生糸kg)が設定された。
(別掲資料1:蚕糸業経営安定対策要綱の設定について、平成15生糸年度における取引指導繭価の設定等について)
生糸年度 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 上位指標価格 |
6,000 | 4,900 | 4,900 | 4,900 | 4,900 | 4,900 |
下位指標価格 | 4,700 | 3,600 | 3,600 | 3,600 | 3,100 | 3,100 |
|
基準繭価 | 380 | 190 | 190 |
190 | 100 | 100 | |
取引指導繭価 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 |
注)
生糸年度 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |||||
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当初 | 期中 | 当初 | 期中 | 当初 | 期中 | 当初 | 期中 | |||||
改定 | 改定 | 改定 | 改定 | |||||||||
価格 | 安定上位価格 | 14,800 | 14,800 | 13,800 | 12,400 | 12,400 | 10,600 | 10,600 | 9,200 | 9,200 | 8,700 | 8,700 |
安定基準価格 | 10,400 | 10,400 | 10,400 | 8,400 | 8,400 | 7,200 | 7,200 | 6,000 | 6,000 | 5,500 | 5,500 | |
基準繭価 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,226 | 1,226 | 1,051 | 1,051 | 592 | 592 | 500 | 500 | |
取引指導繭価 | − | − | − | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | 1,518 | |
事業団買入価格 | 10,300 | 10,300 | 10,300 | 8,300 | 8,300 | 7,100 | 7,100 | 5,900 | 5,900 | 5,400 | 5,400 |
注)
ア.繭生産対策
イ.需要増進対策
ウ.輸入対策
エ.繭の輸入
オ.15生糸年度の繭価算定方式
10年1月20日付けで制定された「蚕糸業経営安定対策要綱」の規定に基づき、農林水産大臣により16年3月31日付けで平成16生糸年度における取引指導繭価等(取引指導繭価1,518円/生繭kg、基準繭価100円/生繭kg、実需者輸入割当枠の年間割当数量の見込み40,000俵、輸入糸調整金単価の水準330円/生糸kg、下位指標価格3,100円/生糸kg、上位指標価格4,900円/生糸kg)が設定された。
蚕糸業経営安定対策要綱の制定について
蚕糸業の経営安定対策については、取引指導繭価の仕組みが、養蚕、製、絹業、流通の関係者の合意により、平成6年度に導入されて以来今日まで、関係者の間において長く定着してきている。養蚕農家は取引指導繭価の基礎の上で生産に取り組み、更には、品質の向上努力により、これを上回る水準での繭代を取得し、経営の維持・安定を図ってきているところである。
繭糸価格安定法の一部を改正する法律(平成9年法律第62号。以下「改正法」という。)の施行により、平成10年4月1日以降、安定価格帯制度は廃止されることとなるが、取引指導繭価での農家手取りを確保し、蚕糸業の経営の安定を図ることは引き続き蚕糸行政の基本であり、改正法の施行後においても、生糸の輸入に係る調整等に関する法律(昭和26年法律第310号)及び農畜産業振興事業団法(平成8年法律第53号)の運用などを通じて、取引指導繭価の実現を図る必要がある。
このため、従来の経緯を踏まえつつ、取引指導繭価の仕組みの運用のルール等を明確化することとし、別紙のとおり、蚕糸業経営安定対策要綱が定められたので、御了知の上、今後の蚕糸業経営安定対策の推進に当たり遺憾のないようにされたい。
以上、命により通達する。
蚕糸業経営安定対策要綱
第一 趣旨
第二 定義
第三 取引指導繭価の設定等
第四 生糸の輸入調整措置
第五 蚕糸業経営安定対策事業の実施
附則
14生産第9498号
平成15年2月27日
農畜産業振興事業団理事長 山本 徹 殿
農林水産事務次官
平成15生糸年度における取引指導繭価等の設定について
蚕糸業経営安定対策要綱(平成10年1月20日付け10農産第349号農林水産事務次官依命通知)第3に基づき、別紙のとおり平成15生糸年度における取引指導繭価等が設定されたので、通知する。
以上、命により通知する。
平成15生糸年度における取引指導繭価の設定等について
1. 取引指導繭価
2. 基準繭価
3. 下位指標価格及び上位指標価格
4 実需者輸入割当枠の年間割当数量の見込み
5. 輸入糸調整金単価の水準