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III 業務の概要(平成15事業年度 年報 蚕糸編)

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最終更新日:2008年12月2日

1 生糸の輸入調整に関する業務

生糸の価格安定業務は、「繭糸価格安定法の一部を改正する法律」(平成9年法律第62号)の施行により、平成10年4月1日以降、安定価格帯制度は廃止され、生糸輸入調整法及び「蚕糸業経営安定対策要綱」(平成10年1月20日付け10農産第349号農林水産事務次官依命通知)に基づく生糸の輸入調整業務へと移行した。


(1)生糸の輸入に係る調整等事業
ア.機構による生糸の輸入及び売渡し

機構は、農林水産大臣の承認を受けて生糸を輸入することができる。保有した生糸は、国内の需給及び糸価の動向を勘案しつつ一般競争入札等の方法により、適時市場に放出することとなっている。
15事業年度の機構による生糸の輸入は、実施しなかった。また、一般売渡しは、生糸価格が年間を通じて低迷傾向であったため実施しなかった。


イ. 輸入申告に係る生糸の買入れ及び売戻し

生糸の輸入は、平成7年4月に生糸の国境措置が従来の一元輸入から関税化に移行されたことに伴い、機構が農林水産大臣の承認を受けて輸入するほか、関税相当額を支払えば誰でも輸入できることとなっている。機構以外の者が生糸を輸入する場合には、保税加工輸出用の輸入などの特別な場合を除き、関税法第67条の規定による輸入申告をする者は、その輸入申告に係る生糸を機構に売り渡して買い戻さなければならないこととなっている。このため、機構は生糸を輸入する者から当該生糸の売渡しと買戻しの申込を受け、売買差額相当額の担保の提供を受けた時は、買入れ売戻しの承諾を行い、承諾書を交付する。輸入申告者は、その承諾書を添付して輸入申告を行い、輸入許可後、機構に売買差額を納付して担保の返還を受ける。
売買差額は、一般者輸入の場合、生糸1kgにつき3,910円であるが、その輸入が絹業の健全な発展を通じて生糸の需要増進に資する見地から特に必要なものである旨、農林水産大臣の認定を受けた者が行う実需者輸入の場合は、農林水産大臣が毎月を適用期間として3,910円を超えない範囲内で定めた額に減額される。
なお、実需者輸入の農林水産大臣の認定する数量は、国内需要見込数量から国内生産見込数量を差し引いて得た数量を、農林水産省が経済産業省と協議の上、実需者の中央団体に内示することとなっている。15生糸年度の実需者輸入の認定は、需給価格動向に対応した弾力的な運用を図るため、農林水産大臣が四半期に分けて行った。四半期別の「生糸の実需者輸入割当枠」は、「年間の生糸の実需者輸入割当枠(40,000俵)」を各四半期ごとに分けた4分の1の数量(10,000俵)を基本とする。しかし、各四半期の算定期間の平均生糸価格が「上位指標価格(4,900円)」を超えた場合、基本数量に20%プラス、「下位指標価格(3,100円)」を下回った場合、基本数量を20%マイナスし、認定数量を決定する。
また、予期せざる需給変動等の事態が生じた場合において特に必要がある時は、調整量等において所要の調整を行うことができることとなっている。
15事業年度の実需者輸入の買入れ・売戻しの数量は、31,454俵であった。
なお15生糸年度における実需者輸入の買入れ・売戻しの数量は、基本数量から20%マイナスの認定数量であった。15生糸年度第1四半期の認定数量8,000俵に対して承諾数量は6,801俵(残数量は1,199俵、承諾/認定数量比 (以下、数量比)85.0%)、15生糸年度第2四半期分は認定数量8,000俵に対して承諾数量は7,986俵(残数量14俵、数量比99.8%)、第3四半期分は認定数量8,000俵に対して承諾数量は7,965俵(残数量35俵、数量比99.6%)、第4四半期分は認定数量8,000俵に対して承諾数量は7,659俵(残数量341俵、数量比95.7%)で生糸年度承諾合計数量は30,411俵(残数量1,589俵、数量比95.0%)であった。
織物消費の売れ行き不振で機屋の糸手当ては慎重で先約定が進展しない傾向などから、15生糸年度(平成15年6月〜16年5月)においては、1,589俵の未達があった。各期の承諾数量等の内訳は、第3表及び第4表のとおり。
また、生糸輸入調整法第10条第2項に基づき農林水産大臣が定める額(実需者輸入の際に機構が徴収する売買差額)は、330円/kgであった。
一方、一般者輸入の買入れ、売戻しは、0.1俵であった。


(2)生糸特別売渡し

機構は、生糸の保有期間が180日を超えるに至った場合に、生糸の時価に悪影響を及ぼさない方法によって、輸入によって保有する生糸を一般競争入札又は随意契約により売り渡すことができる。
15事業年度においては、生糸の時価に悪影響を及ぼさない方法として在庫生糸の輸出を行なうこととし、15事業年度上期は農林水産大臣の承認を受けて輸出向け専用の一般入札及び輸出向け随意契約を各1回行い、10俵及び500俵の合計510俵の売渡しを実施した。
また、15事業年度下期においては、輸出向け随意契約売渡しを2回行ない合計で4,750俵の売渡しを実施した。


(3)新規用途等生糸売渡し

機構は、生糸需要の増進に資するために新規の用途若しくは販路に向ける場合、生糸若しくは生糸の加工品の需要増進のために営利を目的としない団体が行う展示会その他の事業の用に供する場合又は試験研究用に供する場合に、農林水産大臣の承認を受けて、生糸の時価に悪影響を及ぼさない方法によって、輸入によって保有する生糸を売り渡すことができる(昭和57年8月創設)。15年10月以降は、農林水産大臣の承認を受けずに売り渡すことが可能となった。15事業年度上期においては、1回の新規用途等生糸売渡事業の公告を行い、新規用途等売渡審査会の審査により売渡対象事業として適当と認められた新規の用途又は販路に向ける事業として12事業主体14事業に対し290俵の売渡しを実施した。(第5表)
また、試験研究用に供する場合においてその内容が特に高度であると認められるもので、機構業務方法書第225条に規定する機構補助事業であるハイブリッドシルク等開発普及促進事業を行う者に対し2俵の売渡しを実施した。(売渡しの相手方は日本製糸技術経営指導協会)
15事業年度下期においては、2回の新規用途等生糸売渡事業の公告を行い、新規用途等売渡審査会の審査により売渡対象事業として適当と認められた新規の用途又は販路に向ける事業として9事業主体13事業に対し630俵の売渡しを実施した。(第5表)


(第2表)

(第2表)
区分 国産生糸 外国産生糸 買入合計 (買換糸は除く) 売渡合計(買換糸は除く) 期末在庫合計 生糸短期保管事業 期末在庫合計 (短期保管を含む) 外国産生糸
買入れ 安売戻し 安売渡し 新規用途等売渡し 生糸特別売 渡 し 実需者向け売渡し 期末在庫 買入れ 売渡し 期末在庫 買入れ 売戻し 短期保管期末在庫 買入れ・売渡し
輸入 買換え (国産糸) 安 売渡し 買換え (輸入糸) 実需者売渡し 新規用途等売渡し 生命特別売渡し 実需者輸入 一般者輸入
新規輸入糸 在庫糸
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
(事業年度)
57 5,966 0 0 409 0 0 57,592 30,072 5,155 35,227 3,955 5,155 (5,190) 22,685 4,000 881 0 (5,190) 36,676 (12,915) 92,439 36,038 31,930 (12,915) 150,031 0 0 0 150,031 - -
58 35,397 0 0 1,077 0 0 91,912 12,440 7,150 19,590 0 7,150 11,150 1,000 8,369 0 27,669 (20,065) 84,360 47,837 21,596 (20,065) 176,272 0 0 0 176,272 - -
59 26,237 0 0 2,985 0 0 115,164 3,030 1,893 4,923 0 1,893 2,100 20,865 8,220 0 33,078 (21,958) 56,205 29,267 34,170 (21,958) 171,369 0 0 0 171,369 - -
60 0 0 0 7,032 1,000 0 107,132 14,990 2,800 17,790 0 2,800 0 (6,000) 24,000 2,136 0 (6,000) 28,936 (18,758) 45,059 14,990 34,168 (18,758) 152,191 0 0 0 152,191 - -
61 25,015 0 0 5,655 2,012 0 124,480 7,170 1,000 8,170 0 1,000 0 (7,900) 24,000 5 0 (7,900) 25,005 (11,858) 28,224 32,185 31,672 (11,858) 152,704 0 0 0 152,704 - -
62 0 0 16,900 8,807 0 0 98,773 13,000 0 13,000 0 0 0 (9,040) 24,000 0 0 (9,040) 24,000 (2,818) 17,224 13,000 49,707 (2,818) 115,997 0 0 0 115,997 - -
63 0 0 74,985 6,778 0 9,000 8,010 11,039 0 11,039 (615) 615 0 0 (2,178) 15,000 (25) 28 0 (2,818) 15,643 (0) 12,620 11,039 106,406 (0) 20,630 0 0 0 20,630 - -
0 0 5,000 1,010 0 2,000 0 31,549 0 31,549 6,965 0 12,523 10,000 414 0 29,902 (0) 14,267 31,549 37,912 (0) 14,267 0 0 0 14,267 - -
2 0 0 0 0 0 0 0 35,270 0 35,270 0 0 12,695 9,000 0 0 21,695 (0) 27,842 35,270 21,695 (0) 27,842 0 0 0 27,842 - -
3 0 0 0 0 0 0 0 36,180 300 36,480 0 300 17,150 9,000 0 0 26,450 (300) 37,872 36,180 26,150 (300) 37,872 0 0 0 37,872 - -
4 0 0 0 0 0 0 0 14,725 4,426 19,151 0 4,426 14,725 10,000 0 0 29,151 (4,726) 27,872 14,725 24,725 (4,726) 27,872 0 0 0 27,872 - -
5 0 0 0 0 0 0 0 14,640 4,220 18,860 0 4,220 14,640 7,000 0 0 25,860 (8,946) 20,872 14,640 21,640 (8,946) 20,872 0 0 0 20,872 - -
6 0 0 0 0 0 0 0 21,245 1,601 22,846 0 1,601 21,245 5,000 0 0 27,846 (10,547) 15,872 21,245 26,245 (10,547) 15,872 3,445 50 3,395 19,267 - -
7 10,418 0 0 0 0 0 10,418 6,115 1,020 7,135 0 1,020 6,115 - 0 0 7,135 (11,567) 15,872 16,533 6,115 (11,567) 26,290 6,533 9,928 0 26,290 26,840 65.0
8 0 3,940 0 0 2,195 0 4,283 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 (11,567) 15,872 0 6,135 (11,567) 20,155 0 0 0 20,155 34,016 1.5
9 0 0 0 0 0 0 4,283 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 (11,567) 15,872 0 0 (11,567) 20,155 0 0 0 20,155 30,028 0.3
10 - - - 0 0 - 4,283 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 (11,567) 15,872 0 0 (11,567) 20,155 200 0 200 20,355 34,382 0
11 - - - 0 0 - 4,283 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 (11,567) 15,872 0 0 (11,567) 20,155 0 200 0 20,155 38,992 0
12 - - - 0 0 - 4,283 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 (11,567) 15,872 0 0 (11,567) 20,155 0 0 0 20,155 36,578 0
13 - - - 25 0 - 4,258 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 (11,567) 15,872 0 0 (11,567) 20,130 0 0 0 20,130 29,587 0
14 - - - 1 0 - 4,257 0 0 0 0 0 - - 106 0 0 (11,505) 15,766 0 107 (11,505) 20,023 0 0 0 20,023 30,832 0
15年 4月 - - - 0 0 - 4,257 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 15,766 0 0 20,023 0 0 0 20,023 2,820 0
5月 - - - 0 0 - 4,257 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 15,766 0 0 20,023 0 0 0 20,023 2,787 0
6月 - - - 0 0 - 4,257 0 0 0 0 0 - - 0 10 0 15,756 0 0 20,013 0 0 0 20,013 2,211 0
7月 - - - 2 0 - 4,255 0 0 0 0 0 - - 288 500 0 14,968 0 0 19,223 0 0 0 19,223 1,944 0
8月 - - - 0 0 - 4,253 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 14,968 0 0 19,221 0 0 0 19,221 2,646 0
9月 - - - 0 0 - 4,253 0 0 0 0 0 - - 0 0 0 14,968 0 0 19,221 0 0 0 19,221 2,913 0
10月 - - - 0 385 - 3,868 0 0 0 0 0 - - 0 615 0 14,353 0 0 18,221 0 0 0 18,221 2,790 0
11月 - - - 0 0 - 3,868 0 0 0 0 0 - - 275 0 0 14,078 0 0 17,946 0 0 0 17,946 2,283 0
12月 - - - 0 0 - 3,868 0 0 0 0 0 - - 50 0 0 14,028 0 0 17,896 0 0 0 17,896 3,258 0
1月 - - - 0 95 - 3,773 0 0 0 0 0 - - 50 780 0 13,198 0 0 16,971 0 0 0 16,971 2,620 0
2月 - - - 0 355 - 3,418 0 0 0 0 0 - - 0 1,645 0 11,553 0 0 14,971 0 0 0 14,971 2,087 0
3月 - - - 0 165 - 3,253 0 0 0 0 0 - - 150 710 0 10,693 0 0 13,946 0 0 0 13,946 3,095 0
15年度計 - - - 2 1000 - 3,253 0 0 0 0 0 - - 813 4,260 0 (7,190) 10,693 0 0 (7,190) 13,946 0 0 0 13,946 31,454 0
16年 4月 - - - 0 10 - 3,243 0 0 0 0 0 - - 55 615 0 10,023 0 0 13,266 0 0 0 13,266 2,395 0
5月 - - - 0 20 - 3,223 0 0 0 0 0 - - 50 605 0 9,368 0 0 12,591 0 0 0 12,591 2,169 0
6月 - - - 90 140 - 2,993 0 0 0 0 0 - - 331 610 0 8,427 0 0 11,420 0 0 0 11,420 2,167 0
7月 - - - 0 120 - 2,873 0 0 0 0 0 - - 50 505 0 7,872 0 0 10,745 0 0 0 10,745 2,168 0
8月 - - - 0 0 - 2,873 0 0 0 0 0 - - 50 1,875 0 5,947 0 0 8,820 0 0 0 8,820 2,586 0
(4〜8月) 16年度計 - - - 90 290 - 2,873 0 0 0 0 0 - - 536 4,210 0 (3,710) 5,947 0 0 (3,710) 8,820 0 0 0 8,820 11,485 0
注)
  1. 「0」は買入れ又は売渡しの実績がなかったことを示す。
  2. 「−」は当該事項が設けられていないことを示す。
  3. ( )内は「買換国産糸」で内数である。
  4. 法改正により、10年4月以降、「国産生糸」とあるのは「輸入生糸」とみなすこととなった。


(第3表)輸入申告に係る生糸の買入れ売戻し状況(承諾ベース)

(第3表)輸入申告に係る生糸の買入れ売戻し状況(承諾ベース)
区分 平成15年4月 5月 14生糸年度第4四半期(3〜5月) 6月 7月 8月 15生糸年度第1四半期(6〜8月) 9月 10月 11月 15生糸年度第2四半期(9〜11月) 12月 平成16年1月 2月 15生糸年度第3四半期(12〜2月) 3月 15生糸年度第4四半期(3〜5月) 事業年度合計 生糸年度合計
横浜 神戸 横浜 神戸
実需者 中国 2,122 2,047 4,169 1,707 1,288 2,135 5,130 2,164 2,285 1,899 6,348 2,223 2,144 1,390 5,757 2,284 5,232 1,210 22,478 23,688 1,014 21,453 22,467
ブラジル 689 729 1,418 503 656 510 1,669 749 505 384 1,638 1,035 476 697 2,208 811 2,427 1,059 6,685 7,744 1,197 6,745 7,942
ベトナム 2 11 13 1 - 1 2 - - - - - - - - - - - 15 15 - 2 2
タイ 7 - 7 - - - - - - - - - - - - - - - 7 7 - - -
2,820 2,787 5,607 2,211 1,944 2,646 6,801 2,913 2,790 2,283 7,986 3,258 2,620 2,087 7,965 3,095 7,659 2,269 29,185 31,454 2,211 28,200 30,411
一般者 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
合計 2,820 2,787 5,607 2,211 1,944 2,646 6,801 2,913 2,790 2,283 7,986 3,258 2,620 2,087 7,965 3,095 7,659 2,269 29,185 31,454 2,211 28,200 30,411


(第4表) 輸入申告に係る生糸の買入れ及び売戻しの国別・検験局(工場)別実需者輸入数量

(第4表) 輸入申告に係る生糸の買入れ及び売戻しの国別・検験局(工場)別実需者輸入数量
繊度 中国 中国計 ブラジル ブラジル計 ベトナム 合計
浙江(A) 江蘇(A) 四川(B) 重慶(B) 安徽(B) 山東(B) 上海(B) 広東(B) ブラタク(A) カネボウ(A)
14中 - - - - - 144 - 5 149 - - - - 149
20中 2,792 280 - - 110 1,951 70 - 5,203 448 - 448 - 5,651
21中 740 15 - - - 119 - - 874 218 390 608 - 1,482
25中 363 - - - - - - - 363 - - - - 363
26中 6,910 355 - - 20 3,240 - - 10,525 - - - - 10,525
27中 - 70 - - - - - - 70 3,986 975 4,961 - 5,031
28中 364 - - - - 10 - - 374 - - - - 374
30中 2,417 465 - - - 1,098 - - 3,980 110 - 110 - 4,090
31中 - - - - - - - - - 704 483 1,187 - 1,187
40中 - - - - - - - - - - - - - -
42中 140 - - - - 645 - - 785 207 295 502 - 1,287
47中 - - - - - - - - - - 10 10 - 10
60中 - - 20 - - - - - 20 - - - - 20
70中 - - - - - - - - - 6 - 6 - 6
100中未満玉糸 2 - - 10 - - - - 12 105 - 105 - 117
100中以上玉糸 5 41 50 15 - 1 - - 112 5 - 5 2 119
合計 13,733 1,226 70 25 130 7,208 70 5 22,467 5,789 2,153 7,942 2 30,411
産地シェア 45.2% 4.0% 0.2% 0.1% 0.4% 23.7% 0.2% 0.0% 73.9% 19.0% 7.1% 26.1% 0.0%


(第5表) 平成15事業年度新規用途等生糸売渡事業実績表

(第5表) 平成15事業年度新規用途等生糸売渡事業実績表
区分 事業内容 売渡数量
新規の用途又は 販路に向ける事業 洋装 絹スーツ地用特殊絹紡績糸、絹と化合繊とで交編したシルクニット製品等の製造・販売 428俵
洋品雑貨 絹と化合繊とで交編した下着生地、シルク刺繍ショール等の製造・販売 52俵
インテリア インテリア用機械手紡糸の製造・販売 25俵
寝具 絹羽毛布団地の製造・販売 48俵
化粧品工業資材 シルクパウダー素材、化粧品用絹不織布の製造・販売 367俵
合計 用途件数5件 920俵

2 蚕糸業振興事業に対する補助業務

15事業年度に実施した補助事業は、10事業1,584,278千円であり、主な事業内容等は次のとおりである。

(1)生糸等需要増進事業に対する補助
ア. ハイブリッドシルク等開発普及促進事業

ハイブリッドシルク等をはじめとする新しいシルク素材の特性、長所などを最大限に発揮できる製品の開発、販路の開拓のため、新素材の製造、改良及び製織などの試作・開発研究を行うとともに、新素材に関する情報の収集、展示普及を実施する事業に対し助成することとし、日本製糸技術経営指導協会に対し、13,133千円の補助金を交付した。


イ. 生糸絹製品情報宣伝普及事業

絹の需要増進、特に国産の生糸、絹製品の需要の増進を図るために、マスコミ及び一般消費者に対する統一的な情報提供活動及び広報宣伝活動を全国的に展開するとともに、これと併せて地方における需要増進のための展示普及を展開し、絹の消費基盤の育成を実施する事業に対し助成することとし、(社)日本絹業協会に対し6,245千円の補助金を交付した。


ウ. 地域ブランドシルク製品展示推進事業

地方におけるそれぞれの特色を生かした地域ブランドシルク製品の育成を支援し、全国の都道府県庁所在等の主要都市において、新しいシルク製品等に関する展示会を開催し、展示普及を積極的に推進し、これらブランド名の浸透、ブランドシルク製品の流通・販路の開拓等を促進するとともに絹の生産・消費基盤の維持拡大を図る事業に対し補助することとし、群馬県絹需要増進協議会に対し、1,500千円の補助金を交付した。


エ. 国産生糸販路拡大事業

国産シルクの消費拡大を図るため、「日本の絹マーク」(国内で製織、染色された絹織物であることを表示するマーク)を広く国民にアピールし、国産シルクの消費促進活動を図る事業に対し補助することとし、(社)日本絹業協会に対し、7,536千円の補助金を交付した。


オ. シルク需要増進特別対策事業

生糸及び生糸加工品の需要増進を図るため、絹業産地において需要の動向に即した高品質・差別化された生糸加工品の開発、需要開拓及び販路拡大事業に対し補助することとし、絹業産地組合等(25ヵ所)に対して65,000千円の補助金を交付した。


(2)生糸調整保管等事業に対する補助
生糸等需給状況調査事業
生糸等の需給状況の変化を適時、的確に把握するため、需給状況等の調査及び需給状況等の検討会を開催し、「絹織物流通動向調査」等を作成する事業に対し補助することとし、中央蚕糸協会に対し646千円の補助金を交付した。
なお、生糸調整保管事業については事業を実施するには至らなかった。

(3)蚕糸業経営安定対策事業に対する補助
「蚕糸業経営安定対策要綱」(平成10年1月20日付10農産第349号農林水産事務次官依命通達)に基づき、国からの蚕糸業経営安定対策交付金と輸入糸調整金を財源として、良質繭・良質生糸の生産を通じて、経営改善に取組む養蚕農家の手取り向上と製糸の経営安定を図るため、全国農業協同組合連合会を通じて、蚕期毎に繭の品質に応じた補給金680,765千円及び奨励金563,192千円を交付した。(第6表参照)

(第6表)

(第6表)
春蚕繭 初秋蚕繭 晩秋蚕繭
交付対象数量 312,688.7kg 209,839.0kg 252,738.6kg 775,266.3kg
蚕糸業経営安定対策補給金 279,948千円 172,888千円 227,929千円 680,765千円
蚕糸業経営安定対策奨励金 230,399千円 145,521千円 187,271千円 563,192千円
510,348千円 318,409千円 415,201千円 1,243,957千円

注:金額は千円未満四捨五入


(4)養蚕文化継承対策事業に対する補助
ア. 養蚕文化継承地域育成事業

養蚕文化継承地域(養蚕業の維持・継承を図るため、明確な目標をもって養蚕産地の育成に取り組む地域として、農林水産省生産局長が別に定めるところにより都府県知事が指定する地域)において、養蚕作業の省力化・効率化を図るため、3令まで共同飼育した稚蚕を当該地域の養蚕農家に配蚕する事業に対し補助することとし、岩手県蚕糸業推進協議会他7協議会等に対し、82,087千円の補助金を交付した。


イ. 製糸工場再編整備事業

国産繭の生産量に応じた製糸操業の効率化による製糸経営の安定に資するため、廃業製糸工場の設備の撤去費、除却損、雇用対策費、残存製糸工場の生糸生産設備(ボイラー)の導入に対し補助することとしたが、事業実施計画書の提出がなく実施されなかった。


ウ. 小型繰糸機開発実証試験事業

蚕糸基盤の確保と製糸経営の安定を図るため、新しいシルク素材の製造に必要な高品質生糸を生産する小型繰糸機の組立て実証試験に対し補助することとし、(財)大日本蚕糸会に対して16,777千円の補助金を交付した。

(5)蚕糸業振興対策事業に対する補助

効率的養蚕産地育成事業
効率的な養蚕産地の再編・育成を図るため、県段階において養蚕産地再編合理化計画等を策定し、これに即して養蚕産地育成推進員が生産性の高い産地育成のための指導を行うほか、稚蚕の安定供給体制の確立等を実施する事業に対し補助することとし、各府県養蚕産地育成協議会等(14カ所)に対し、119,489千円の補助金を交付した。
また、全国養蚕産地育成推進協議会を設置し、産地再編合理化の方向及び支援方策を検討し、全国的な指導調整等を実施する事業に対し補助することとし、全国農業協同組合連合会に対し、15,495千円の補助金を交付した。


3 生糸短期保管事業

事業団は、製糸の経営安定対策及び短期的な需給調整のため、他の業務の遂行に支障のない範囲内で、事業団の出資者である製糸業者等から生糸の売渡しの申込があった時は、180日の売戻条件付きで当該生糸を買入れ、保管し、当該売渡しの者からの申込により売戻しを行うこととなっている。売戻代金は、買入代金に保管期間中の保管料、金利及び諸掛を加えた額で売り戻される。
15事業年度上期(15年4〜9月)においては、実施されなかった。
なお、10月以降、当該事業は廃止された。