タイ政府のエネルギー政策における指針は以下の5点である。
1.持続可能なエネルギー安全保障
2.代替エネルギーに関する研究および開発
3.エネルギー価格の適正な水準の維持、投資環境の整備
4.エネルギーの効率的な利用および節約の推進
5.上記4点と並行した、温室効果ガス削減など環境保護への取り組み
これら指針に基づき、タイ政府は、国家レベルで再生可能エネルギーの生産と利用の奨励に取り組んでおり、2008年にはREDPを定めた。REDPは、2022年までの15年間で達成すべき再生可能エネルギーの使用目標を設定し総エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を2008年の6.4%(総エネルギー消費量66,248ktoeのうち4,237ktoe(toeは石油換算トン))から、2011年15.6%(同70,300ktoeのうち10,961ktoe)、2016年19.1%(同81,500ktoeのうち15,579ktoe)、2022年20.3%(同97,300ktoeのうち19,800ktoe)と段階的に引き上げるとしている。その方法としては、バイオ燃料、天然ガスの利用および小規模水力、風力、太陽光発電のほか、バイオガス、バイオマスや廃棄物などの発電利用やこれらによる熱エネルギー生産―となっている。
バイオ燃料については、2022年の総エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合20.3%のうち、4.1%寄与することとなっている。その内訳として、エタノールについては、2009年2月時点での1日当たり使用量の124万リットルから2022年には同900万リットルへ、バイオディーゼルについては、同156万リットルから450万リットルへ引き上げ、加えて、新たに水素燃料を10万リットル使用することを目標としている(図2参照)。