砂糖及びでん粉の原料作物であるさとうきび及びでん粉原料用かんしょの生産者に対しては、政策支援として、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に基づき、(独)農畜産業振興機構より交付金が交付されています。
この交付金の交付を受けるためには、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律施行規則(以下「省令」)に定める要件を満たす必要があります。この要件は、平成18年に現行制度への改正が行われた際に、さとうきび・でん粉原料用かんしょの産地の高齢化が進む中、WTO体制の下での国際規律の厳格化への対応も踏まえ、作業集約による生産コストの低減を図り、産地の生産構造を強化し、国内産糖及び国内産いもでん粉の安定供給を確保するという観点から設けられたものです。
平成21年産までの原料作物に関係する生産者交付金の対象者要件は、
(1) 認定農業者等(A−1、B−1。Aはさとうきび、Bはかんしょ。以下同じ。)
(2) 一定の収穫面積(さとうきび:個人1ha/団体4.5ha、かんしょ:個人0.5ha/団体3.5ha)を有する者(A−2、B−2)
(3) 収穫作業を共同して行う団体(収穫作業に係る作付面積の合計が4.5ha(かんしょ3.5ha)以上のもの)の構成員(A−3、B−3)
(4) (1)若しくは(2)の者又は委託を受けて農作業を行う者(収穫作業に係る作付面積の合計が4.5ha(かんしょ3.5ha)以上のもの)に対し、基幹的な作業を委託している者(A−4、B−4)
となっています。
上記に加え、平成18年の制度改正に際して、平成19年産から平成21年産までの3年間に限り、上記要件を満たさない者であっても、さとうきび又はでん粉原料用かんしょの安定的な生産を行う者の育成を主たる目的とする団体(当該地域における当該作物の生産者の2分の1以上が構成員になっているもの)の構成員であれば、生産者交付金の交付対象者とする特例が措置されていました(A−5、B−5)。
この特例の趣旨としては、沖縄県及び南九州地方においては、作業集約による生産コストの低減を図ろうにも、作業受委託が十分に定着しておらず、実際に本則の対象者要件を満たすには至らない地域が相当数あった中で、一定の期間を設け、共同利用組織や受託組織を育成し、作業集約化を支援するという観点から措置したものです。この特例は平成21年産までで終了しますが、特例に基づき交付金の申請をしている生産者は、年々着実に減少しているものの、なお一定程度の割合を占めている状況にあります(表1参照)。
このような状況も踏まえつつ、22年産以降の対象者要件については、産地が将来にわたって安定的に生産ができるよう、共同利用組織の活用や、作業受委託を促進していくために、以下の所要の見直しを行うこととしました。