とうもろこし生産量、依然過去最高水準の見込み
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が9月10日に公表した9月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「2010/11年度」)のとうもろこし生産量は、9月1日現在の全国作況調査を反映して下方修正されたが、依然過去最高の生産量が予測されている。
とうもろこしの生産予測量は、前月の予測133億6500万ブッシェル(3億3947万トン、1ブッシェル=25.4キログラム)から2億500万ブッシェル引き下げられ、131億6000万ブッシェル(前年度比0.4%増の3億3426万トン)になると予測されている。
1エーカー当たりの収量は前月予測から2.5ブッシェル引き下げられたことにより、過去最高を記録した昨年を下回ることとなったが、収穫面積が前年を上回っていることから、生産量は過去最高となった昨年を上回る予測となっている。単収が下方修正された主な要因として、国内最大のとうもころし生産州のアイオワ州を除く多くの主要生産州で、8月前半の高温により土壌水分が減少したことなどが挙げられる。
在庫減を反映し、とうもろこし価格は9月に5ドル超に
豊作が見込まれる一方で、とうもろこしの2010/11年度期末在庫は大きく下方修正され、前年度を19.5%下回る11億1600万ブッシェル(2835万トン)と1995/96年度以来15年ぶりとなる低水準が予測されている。また、在庫率は9.8%となり、国連食糧農業機関(FAO)が示す適正在庫水準15%を大きく下回る。
この要因については、
(1)ロシアの小麦禁輸に伴う米国産とうもろこしの輸出増
(2)中国によるとうもろこし輸入増の動き
などが指摘されており、輸出量は、前年度比6.1%増の21億ブッシェル(5,334万トン)と見込まれている。
この在庫減少を反映して、シカゴ・とうもろこし期近は9月17日、穀物価格の高騰した2008年9月以来となるブッシェル当たり5.13ドルを記録するなど上昇傾向にある。
(なお、シカゴとうもろこし相場の直近のデータについては、当機構ホームページの「
海外情報」に掲載しています。)