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地域だより

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最終更新日:2011年7月7日

2011年7月

鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会総会の開催

鹿児島事務所
 

 平成23年度の鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会の総会が平成23年6月13日(月)に鹿児島県庁会議室にて開催された。

 同協議会は、鹿児島県の原料用さつまいもおよびさつまいもでん粉の生産・流通等に係る基本方針を一体的に推進し、さつまいも生産農家の所得向上と関連産業の経営安定を図ることを目的として昭和40年に設立され、鹿児島県知事をはじめ12名の会員で構成されている。今回の総会では鹿児島県農業会議会長、鹿児島県農業協同組合中央会会長(いずれも代理者が出席)ほか10名が出席し、平成22事業年度の事業実績や平成23事業年度の事業計画などが審議の上、承認された。


 平成22年度事業実績

 配布資料によれば、平成22事業年度の生産概況は、さつまいもの作付面積は、前年比100ha増の1万4300haとなったものの、生育については、春先の低温、梅雨時の長雨・豪雨、夏の高夜温による肥大遅れなどが複合的に発生し、単収が2430kgと平年(2960kg)の2割減となり生産量は前年より約6万8600トン減の34万7500トンとなった。このうち、でん粉原料用の生産量は前年より約1万9600トン減の14万6300トン、焼酎原料用は約3万3000トン減の14万8429トン、その他は約1万5900トン減の5万2700トンとなった。

 需給調整対策として、でん粉原料用さつまいもは、でん粉関係団体の策定した「国内産いもでん粉生産計画」を基本に作成される原料売渡契約に基づいた安定的な取引の実施、焼酎原料用さつまいもは、契約栽培・契約取引の実践による安定的な取引の実施を推進した。近年、焼酎原料用さつまいもの取扱量が減少傾向にあり、でん粉原料用さつまいもへの転換が予想されたことから、でん粉原料用さつまいもの交付金制度や事前に原料売渡契約が必要であることを周知するためにリーフレットの作成・配布を行ったほか、生産対策として、さつまいもの省力機械の導入などの推進により植付けから収穫作業までの機械化一貫体系の確立と大規模経営体の育成、早植マルチ栽培などの生産技術の確立に向けた取り組みを推進し、また、耐老化性・低温糊化性に優れた新品種「こなみずき」の安定生産のため栽培技術研修会を開催した。

 担い手等の育成対策として、認定農業者の育成、経営規模拡大の推進、農作業受託組織の育成等の取組を支援するとともに、品目別経営安定対策においては,対象要件の見直しに即した作業委託の推進等により、21年度B−5の特例農家であった者の大半が本則要件に移行できた。でん粉工場の体質強化対策として、でん粉の品質向上を図るため、品質管理等の啓発による食品工場としての意識向上の促進を図るとともに、公害防止対策として、排水処理施設の適切な管理について指導を行った。


平成23年度事業計画

 平成23年度の事業計画では、需給調整、生産、担い手等育成、でん粉工場の体質強化及び公害防止の各対策を引き続き実施するとともに、さつまいもの飼料利用への拡大に向けた検討を畜産関係機関・団体と連携しながら進めることとしている。 出席者からは、でん粉原料用いも交付金の交付対象者が新規に約700名増えた理由および新品種「こなみずき」の普及ビジョンについて質問があった。これに対し事務局からは、交付対象者が増加した要因として、主に大隅半島において、これまで焼酎原料用さつまいもを栽培していた生産者のほ場の一部がでん粉原料用さつまいもの栽培へ仕向けられたためと回答され、こなみずきについては引き続き実証試験が必要であるとの回答がなされた。

 また、焼酎製造企業のさつまいもの需要量は、平成20年産で約18万3000トンあったものの、本格焼酎の需要がピークを過ぎたことから、平成23年産の希望需要量は約13万8000トンにまで落ち込んだことが話題となった。


 機構としては、今後もさつまいも生産計画などについて同協議会と情報交換を行いつつ、交付金交付業務を円滑にすすめていきたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713