でん粉の需給・価格動向
最終更新日:2012年4月10日
でん粉の需給・価格動向
2012年4月
主要国におけるでん粉事情(2012年3月現在)
絵で見る世界のでん粉製品需給
海外のでん粉需給動向
※ばれいしょでん粉と化工でん粉のEU関連記事については、4月2日現在関係データが公表されていないため掲載しておりません。
とうもろこし
米 国
とうもろこしの需給予測は前月の数値を据え置く
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は3月9日、3月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2011/12穀物年度(穀物年度は9月〜翌年8月。)のとうもろこしの生産状況については、すべて前月の予測値が据え置かれ、消費についても据え置かれた。ただし、生産者平均販売価格については、中心値に変化はないものの、下値を前月の値から1ブッシェル当たり0.10ドル上げ、上値を0.10ドル下げて5.90〜6.50ドルになると予測されている。
(シカゴとうもろこし相場の直近のデータについては、当機構ホームページの「
海外情報」)に掲載しています。)
(1米ドル=81.68円、2月末日TTS相場)
1月のとうもろこし(HScode:100590)輸出量は、前年同月比22.8%増の355万5000トンとなった。国別では、日本向け101万7000トン(同60.1%増)、メキシコ向け91万5000トン(同2.6倍)、韓国向け29万7000トン(同47.6%減)となった。中国向けについては、前年同月の1100トンから大幅に増加し、35万8000トンとなった。
また、輸出価格(FOB)はトン当たり280米ドルと前月から10ドル値を下げたが、前年同月比では6.4%高と、依然高止まりの状況となっている。
中 国
1月の輸出価格、前月から50米ドル下落しトン当たり480米ドル
1月のコーンスターチ輸出量は、中国国内需要の増加などにより、前年同月から大幅減の24.7%減の1万9200トンとなった。国別では、インドネシア向け8500トン(同13.7%増)、フィリピン向け3100トン(同27.7%減)、ナイジェリア向け2600トン(同2.7倍)、ウズベキスタン向け840トン(同14倍)となった。
また、輸出価格(FOB)は同0.1%高となるトン当たり480米ドルとなり、前月から50米ドル安となった。
タピオカでん粉
タ イ
キャッサバ担保融資制度の実施量は1ヶ月余りで83万8231トン
4月2日におけるキャッサバの農家販売価格は、キログラム当たり2.30〜2.50バーツ(でん粉含有率30%)であった。タピオカでん粉価格は、3月27日現在で前年比28.0%安のキログラム当たり12.3バーツ(トン当たり420米ドル)と軟化傾向にある。
2012年2月から実施されている担保融資制度の対象となったキャッサバの量は、3月4日までで83万8231トンであった。このキャッサバを原料として生産されたタピオカチップは、24万89トンで、タピオカでん粉は、5万8585トンであった。これをキャッサバに換算すると、チップとでん粉への仕向け割合は、おおむね7対3と推計される。
1月の輸出量、前年同月を31.3%上回る
1月の輸出量は、14万1000トンと前年同月を31.3%上回った。国別に見ると、インドネシア向けの輸出の増加が目立ち、4万4400トン(前年同月比2.3倍)であった。中国向け3万1900トン(同53.9%増)、台湾向け1万9000トン(同2.4%増)、日本向け1万2000トン(同4.2%増)、マレーシア向け1万700トン(同10.1%増)で軒並み増加した。
化工でん粉
輸出国の動向
タ イ
1月の輸出価格、トン当たり730米ドルと横ばいで推移
1月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比7.7%減の5万8900トンとなった。国別では、日本向け1万9400トン(同4.4%増)、中国向け8600トン(同5.9%減)、インドネシア向け7100トン(同0.3%増)、韓国向け3700トン(同16.0%増)、マレーシア向け2500トン(同6.1%減)であった。
また、1月の輸出価格(FOB)は、前年同月と比べ70ドル安のトン当たり730米ドルと前月並みであった。
米 国
1月の輸出価格、トン当たり970米ドルにかなり上昇
1月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比7.6%減の3万6500トンとなった。国別では、カナダ向け7100トン(同0.6%増)、メキシコ向け4400トン(同5.6%減)、日本向け4100トン(同38.2%減)、チリ向け3200トン(同6.1倍)、中国向け2700トン(同105.6%増)であった。日本向け輸出量が減少する中、チリや中国向け輸出量は急増した。 また、輸出価格(FOB)は前月からトン当たり90米ドル値を上げ、970米ドル(同19.4%高)と高水準となった。
中 国
1月の輸出価格、トン当たり810米ドルと前月から上昇
1月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比27.7%減の8700トンとなった。国別では、日本向けが最も多く3200トン(前年同月10.2%増)、次いで韓国向け2100トン(前年同月比56.8%減)、マレーシア向け1200トン(同2.7倍)、台湾向けが1000トン(同20.1%減)となった。
また、1月の輸出価格(FOB)は、前月のトン当たり710米ドルから810米ドル(前年同月比21.2%高)と上昇した。
輸入国の動向
中 国
1月の輸入価格、トン当たり1000米ドルへ下落
1月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸入量は、前年同月比52.5%減の1万400トンであった。12月に続き、2ヶ月連続での前年割れとなった。1月の純輸入量は、前年同月比83.0%減となる1700トンとなった。中国は、堅調なでん粉需要を反映して、2009年6月以降化工でん粉の純輸入国となっている。
また、1月の輸入価格(CIF)は前年同月比では6.8%安のトン当たり1000米ドルとなり、前月から110米ドル値を下げた。
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