でん粉 でん粉分野の各種業務の情報、情報誌「でん粉情報」の記事、統計資料など

ホーム > でん粉 > 地域だより > 地域だより

地域だより

印刷ページ

最終更新日:2012年8月28日

2012年8月

平成24年度「県澱連夏期研修会」及び「農産物検査員研修会」の開催について

鹿児島事務所
 


 平成24年度の鹿児島県澱粉協同組合連合会(以下「県澱連」という)主催による夏期研修会および農産物検査員研修会が、平成24年7月31日(火)に鹿児島市内のアクアガーデンホテル福丸にて開催された。この研修会は毎年、かんしょでん粉に関する幅広い知識の収得と、農産物検査法に基づく登録検査機関の農産物検査員としての技術の維持、向上および技術確認を目的として行っており、今年度は46名が参加した。今回は、午前に県澱連夏期研修会、午後に農産物検査員研修会が行われ、かんしょでん粉の品質向上や検査技術の維持・向上につながる有意義な研修会となった。以下にその概要を紹介する。


1.県澱連夏期研修会

 初めに県澱連の本坊会長、九州農政局鹿児島地域センターの橋野総括農政管理官、当機構の安鹿児島事務所長がそれぞれ挨拶を行った。挨拶の中で本坊会長は、「国内産いもでん粉を取り巻く現在の環境は非常に厳しく、原料であるばれいしょおよびかんしょの不作のあおりででん粉製造数量が減少する中、主要な販売先である糖化メーカーの中には国内産いもでん粉がなくても糖化製品を製造できる状況になっているところもある。こうした状況下、かんしょでん粉工場は、今後一般食品向け販売量の拡大を目指していかなければならないが、品質について厳しい要望があるため、検査員として適正な規格検査を実施するとともに、消費者に対する安全・安心なでん粉の提供を心がけ、異物の混入等がないよう衛生管理をさらに向上する必要がある」と、橋野総括農政管理官は、「かんしょでん粉の検査は平成14年から民営化され、さらに昨年から技術指導も検査機関自らがこれを行うことと改められた。指導的検査員の方には、でん粉業界の発展のため検査員の技術を高める指導を行っていただきたい」と、安鹿児島事務所長は、「品目別経営安定対策の交付金交付のためには、法令の規格を満たすかんしょでん粉であることの証明が必要であり、今回の研修会により検査技術の向上が図られ、適正な規格検査が実施されることを願う。また、昨今、かんしょでん粉の加工食品への用途拡大が期待されていることから、ぜひ品質向上を成し遂げられ、九州新幹線全線開通により経済が活性化している中でかんしょでん粉製造事業者の発展を願う」と述べた。
 
 
 続いて講演会が行われ、衛生管理企業であるアース環境サービス株式会社から、「食の安全・安心 〜今日からの衛生管理〜」と題して、過去に食品製造会社が引き起こした異物混入事故等の事例を紹介しながら事故の起きた背景や発生に伴う社会的リスク、その防止方法について解説を行った。次に昨年に続き、コンテナバッグのメーカーである太陽工業株式会社が「フレコンバッグの品質向上について」と題して、県澱連が23年産から新たに導入したフレキシブルコンテナバッグ(フレコン)の不具合個所およびその改善点の説明を行った。不具合個所について、ラミネート加工部の割れや本体胴部のタテ傷等による破損箇所からでん粉漏れが発生したなどの事例があったことから、仕様改良を行い、ラミネート加工部の割れの原因とされている織布のシワが発生しないように、各工程での検査の強化を図ったとの説明があった。


2.農産物検査員研修会

 午後には、かんしょでん粉の品質検査に使用される測定器を用いて品質測定技術セミナーが開かれた。株式会社堀場製作所から「ガラス電極水素イオン濃度計」(=pH計)について操作方法の説明と実演が行われ、株式会社ケット科学研究所から、昨年に続き水分計及び白度計の操作方法について説明と実演が行われた。参加者も、実際に会場でかんしょでん粉を測定し、操作方法の確認を行った。

 次に、県澱連の指導的農産物検査員である玉田検査員が中心となり、かんしょでん粉の色沢などの検査に関する技能確認会が行われた。農産物検査員技能確認会は、昨年から県澱連が主催し行われているもので、検査員としての技術の維持、向上および技術確認を目的として、毎年1回以上実施することとなっている。
 
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713