鹿児島事務所
平成24年度の鹿児島県澱粉協同組合連合会(以下「県澱連」という)主催による夏期研修会および農産物検査員研修会が、平成24年7月31日(火)に鹿児島市内のアクアガーデンホテル福丸にて開催された。この研修会は毎年、かんしょでん粉に関する幅広い知識の収得と、農産物検査法に基づく登録検査機関の農産物検査員としての技術の維持、向上および技術確認を目的として行っており、今年度は46名が参加した。今回は、午前に県澱連夏期研修会、午後に農産物検査員研修会が行われ、かんしょでん粉の品質向上や検査技術の維持・向上につながる有意義な研修会となった。以下にその概要を紹介する。
1.県澱連夏期研修会
初めに県澱連の本坊会長、九州農政局鹿児島地域センターの橋野総括農政管理官、当機構の安鹿児島事務所長がそれぞれ挨拶を行った。挨拶の中で本坊会長は、「国内産いもでん粉を取り巻く現在の環境は非常に厳しく、原料であるばれいしょおよびかんしょの不作のあおりででん粉製造数量が減少する中、主要な販売先である糖化メーカーの中には国内産いもでん粉がなくても糖化製品を製造できる状況になっているところもある。こうした状況下、かんしょでん粉工場は、今後一般食品向け販売量の拡大を目指していかなければならないが、品質について厳しい要望があるため、検査員として適正な規格検査を実施するとともに、消費者に対する安全・安心なでん粉の提供を心がけ、異物の混入等がないよう衛生管理をさらに向上する必要がある」と、橋野総括農政管理官は、「かんしょでん粉の検査は平成14年から民営化され、さらに昨年から技術指導も検査機関自らがこれを行うことと改められた。指導的検査員の方には、でん粉業界の発展のため検査員の技術を高める指導を行っていただきたい」と、安鹿児島事務所長は、「品目別経営安定対策の交付金交付のためには、法令の規格を満たすかんしょでん粉であることの証明が必要であり、今回の研修会により検査技術の向上が図られ、適正な規格検査が実施されることを願う。また、昨今、かんしょでん粉の加工食品への用途拡大が期待されていることから、ぜひ品質向上を成し遂げられ、九州新幹線全線開通により経済が活性化している中でかんしょでん粉製造事業者の発展を願う」と述べた。