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3.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2012年11月9日

3.日本の主要輸入先国の動向

2012年11月

調査情報部

とうもろこし・コーンスターチ

米 国

 米国農務省(USDA)は10月11日、10月の世界農産物需給推計の目次報告を公表した。


【生産動向】
期首在庫の大幅な減少により、在庫率5.6%

 
 米国における2012/13穀物年度(2012年9月〜翌8月)のとうもろこしの作付面積は主要生産州であるアイオワ州とネブラスカ州が上方修正され、36万エーカー増加した。単収は全米第2、3位の生産州であるイリノイ州とネブラスカ州が下方修正され、1エーカー当たり122.0ブッシェル(3.1トン、1ブッシェル=25.4キログラム)となった。したがって、生産量は前月の予測値からわずかに下方修正され、前年度比13.4%減の107億600万ブッシェル(2億7200万トン)となった。

 また、2011/12穀物年度(2011年9月〜翌8月)の期首在庫量はUSDAが9月28日に公表した在庫調査の結果、8年ぶりに10億ブッシェルを割り込んだ(前年度比12.3%減、9億8840万ブッシェル)ため、総供給量は前月の予測から下方修正され、117億6900万ブッシェル(2億9900万トン)となった。

 一方、国内消費量は前月の予測値が据え置かれたものの、輸出量は価格高騰によるブラジルなどへの代替需要が高まったことから、1億ブッシェル下方修正された。期末在庫は、期首在庫量の減少により6億1900万ブッシェルと下方修正され、在庫率は前月の6.5%から5.6%と減少し、極めて低い水準となった。


【価格動向】
生産者平均販売価格はブッシェル当たり10セントの値下がり


 生産者平均販売価格は、上値および下値ともに、価格高騰による需要の低下の影響で前月の予測より0.10ドル下がり、1ブッシュェル7.10〜8.50ドルと予測された。資料:USDA/WAOB “World Agricultural Supply and Demand Estimates”, October 11 2012 (シカゴとうもろこし相場の直近のデータについては、当機構ホームページの「海外情報」)に掲載しています。)
 
 
【貿易動向】
8月輸出価格、トン当たり310米ドルと続伸


 8月のとうもろこし輸出量は、価格高騰による南米産などへの代替重要の高まりから、前年同月比45.7%減の209万2000トンとなった。2012年1〜8月の輸出量は、2246万8000トンと前年同期比21.2%減であった。1〜8月における国別輸出量は、日本向け741万5000トン(前年同期比16.4%減)、メキシコ向け700万4000トン(同27.7%増)、中国向け309万1000トン(前年同期の4.6倍)、韓国向け165万9000トン(前年同期比59.0%減)となった。

 また、輸出価格(FOB)は前年同月比では0.6%安の同310米ドル(約2万4000円:1米ドル=78.60円)であるものの、前月からトン当たり20米ドル高と続伸した。

注:9月末日TTS相場
 
 
8月の輸出価格、前年同月比13.2%安のトン当たり570米ドル

 8月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比80.6%増の1万6600トンであった。2012年1〜8月の輸出量については、10万8200トンと前年同期比26.8%増となった。1〜8月における国別輸出量は、カナダ向け2万4500トン(前年同期比16.4%増)、メキシコ向け2万3100トン(前年同期の3.1倍)、英国向け1万600トン(前年同期比5.1%増)、日本向け9600トン(同53.9%増)となった。

 また、輸出価格(FOB)は、前年同月比13.2%安のトン当たり570米ドル(約4万5000円:1米ドル=78.60円)と前月からトン当たり10米ドル下がった。

注:9月末日TTS相場
 
 

タピオカでん粉

タ イ

【生産・政策動向】
2012/13年度キャッサバ生産量、前年度比3.6%増の2755万トンの見込み


 タイタピオカでん粉協会(以下、TTSA)によると、生産が終了した2011/12年度のキャッサバ作付面積は見込みより54万ライ上方修正された。その結果、生産量は2660万トンとなった。TTSAは、8月から9月にかけて実施した2012/13年度(10月〜翌年9月)のキャッサバ作柄の調査結果を公表した。これによると、作付面積は前年度比0.1%減の前年度からほぼ横ばいの791万ライ(約127万ヘクタール、1ライ=0.16ヘクタール)、単収は同3.7%増のライ当たり3,485キログラム(ヘクタール当たり21,781キログラム)、生産量は2755万トンと前年度から3.6%増加する見通しとなった。(詳細は、当機構ホームページhttp://www. alic. go. jp/chosa-d/joho04_000012. htmlの「海外情報」)に掲載しています。)

 商務省は、昨年度に引き続き2012/13年度キャッサバ担保融資を行うことを決めた。昨年はタイ洪水の影響をうけ、開始は2月と遅れたが、今年度は例年通り10月1日から開始され翌年3月31日まで行われる予定である。制度の内容について、価格はキログラム当たり2.5バーツ(でん粉含量25%)1カ月毎に0.05バーツ引き上げ、買取り上限は1500万トンである。昨年度より買取り上限は500万トン増加させている。タイタピオカ取引協会(以下、TTTA)はこの決定に賛成しているものの、東北部キャッサバ農家協会は内容の見直しを求めている。制度開始時の担保融資価格は、現在のキャッサバ価格よりも低く、キャッサバ生産者の支援とはならず、でん粉工場の支援政策となっていると主張している。


【価格動向】
タピオカでん粉価格、前月からキログラム当たり0.1バーツ高


 TTTAによると、キャッサバ主要地域である東北部の10月上期キャッサバ価格は、キログラム当たり2.10〜2.60バーツ(でん粉含有率22〜26%)であった。

 一方、タピオカでん粉価格は、10月30日現在で前年の1.0%高のキログラム当たり13.4バーツ(トン当たり455米ドル)と先月より0.1バーツ上昇した。
 
 
【貿易動向】
1〜8月インドネシア向け輸出量、前年同期の2.7倍


 8月のタピオカでん粉輸出量は、21万1000トンと前年同月比13%増となった。2012年1〜8月の輸出量は、前年同期比32.9%増の145万5000トンであった。1〜8月における国別輸出量は、インドネシア向け49万3600トン(前年同期の2.7倍)、中国向け34万8100トン(前年同期比3.2%増)、台湾向け15万9600トン(同5.3%減)、日本向け10万1400トン(同27.0%増)となった。
 
 

ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
1〜8月輸出量、前年同期比76.8%増の28万600トン


 8月のばれいしょでん粉輸出量は、3万1200トンと前年同月の1.8倍となった。この結果、2012年1〜8月の輸出量は、前年同期比76.8%増の28万600トンとなった。1〜8月における国別輸出量は、韓国向け3万1900トン(前年同期比41.5%増)、米国向け2万8500トン(同2.4%減)、中国向け2万1500トン(同36.4%増)、日本向け1万2500トン(同73.3%増)であった。

 また、輸出価格(FOB)は、前年同月比25.2%安となるトン当たり560ユーロ(約5万7000円:1ユーロ=101.74円)で、前月から10ユーロ上昇した。

注:9月末日TTS相場
 
 

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
1〜8月日本向け輸出量、前年同期とほぼ同水準の19万1900トン


 8月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月と同じ6万7000トンとなった。2012年1〜8月の輸出量は、前年同期比0.6%減の54万6600トンであった。1〜8月における国別輸出量は、日本向け19万1900トン(前年同期比0.1%増)、中国向け12万1800トン(同36.3%増)、インドネシア向け5万トン(同6.3%増)であった。

 また、輸出価格(FOB)は、前年同月比4.1%安の前トン当たり760米ドル(約6万円:1米ドル=78.6円)であるものの、前月から60米ドル上昇した。

注:9月末日TTS相場
 
 

米 国

【貿易動向】
1〜8月日本向け輸出量、前年同期比16.4%増の4万8700トン


 8月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比2.0%増の3万8900トンとなった。2012年1〜8月の輸出量は、前年同期比6.4%減の29万7600トンであった。1〜8月における国別輸出量は、カナダ向け5万4900トン(前年同期比2.8%減)、日本向け4万8700トン(同16.4%増)、メキシコ向け2万8700トン(同22.9%減)であった。

 また、輸出価格(FOB)は、前年同月比3.6%高トン当たり900米ドル(約7万1000円:1米ドル=78.6円)と前月から30米ドル上昇した。

注:9月末日TTS相場
 
 

中 国

【貿易動向】
1〜9月日本向け輸出量、前年同期比40.0%増


 9月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比9.6%増の8800トンとなった。2012年1〜9月の輸出量は、前年同期比0.1%減の7万8200トンであった。1〜9月における国別輸出量は、日本向け2万5600トン(前年同期比40.0%増)、韓国向け2万4800トン(同20.0%減)、マレーシア向け7400トン(同36.3%増)となった。

 また、輸出価格(FOB)は、トン当たり970米ドル(約7万6000円:1米ドル=78.60円)と前月から120米ドル上昇し、前年同月比18.8%高となった。

注:9月末日TTS相場
 
 

E U

【貿易動向】
8月の輸出価格、前年同月比4.2%高のトン当たり920ユーロ


 8月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比2.1%減の3万7100トンとなった。2012年1〜8月の輸出量は、前年同期比6.0%増の30万1600トンとなった。1月〜8月における国別輸出量は、トルコ向け6万3200トン(前年同期比6.1%減)、ロシア向け3万2400トン(同26.0%増)、中国向け2万6800トン(同8.1%増)、日本向け2万6200トン(同91.0%増)であった。

また、輸出価格(FOB)は前月から続落したものの、トン当たり920ユーロ(約9万4000円:1ユーロ=101.74円)と前年同月比4.2%高であった。

注:9月末日TTS相場
 
 

豪 州

【貿易動向】
1〜8月の日本向け輸出量、前年同期比32.3%増の1万4700トン


 8月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比2.0%増の1937トンとなった。2012年1〜8月の輸出量は、前年同期比32.3%増の1万4700トンであった。1〜8月における国別輸出量は、日本向け9200トン(前年同期比65.0%増)、ニュージーランド向け1393トン(同4.1%減)、中国向け786トン(同32.5%減)となった。

 また、輸出価格(FOB)は、前年同月比4.9%安のトン当たり1390米ドル(約1万1000円:1米ドル=78.60円)と前月から60米ドル下落した。

注:9月末日TTS相場
 
 

構成内容の変更について

 このコーナーでは、前月号まで「各でん粉の需給動向」として、日本への輸入実績の有無にかかわらず主要国の動向を掲載しておりましたが、今月号より日本の輸入先国に焦点を当て、以下のとおり構成内容を変更いたします。

(1) 見出しを「日本の主要輸入先国の動向」に変更
(2) コーンスターチの輸入動向については、中国に代わり米国の動向を掲載
(3) 化工でん粉の動向については、中国の輸入動向に代わり、豪州の輸出動向を掲載
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713