3.日本の主要輸入先国の動向
最終更新日:2013年3月11日
3.日本の主要輸入先国の動向
2013年3月
とうもろこし・コ−ンスターチ
米 国
米国農務省(以下、USDA)は2月8日、2月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。また、USDAは2月21〜22日、「農業アウトルック・フォーラム2013」で2013/14穀物年度(2013年9月〜翌8月)のとうもろこし需給見通しを公表した。
【生産動向】
2012/13穀物年度の期末在庫、わずかに上方修正
米国における2012/13穀物年度(2012年9月〜翌8月)のとうもろこしの生産量は、生産が既に終了しているため前月の予測値が据え置かれた。消費量は飼料向けが前月の予測値に据え置かれたものの、甘味料およびコーンスターチなどを含む食品向けや種子向けなどの増加見通しにより前月の予測値から2000万ブッシェル上方修正された。一方、輸出量は米国産とうもろこしの価格の高止まりによる販売量の減退や輸出競合国であるブラジルで第2期作の豊作による輸出量の高まりを受け前月の予測値から5000万ブッシェル引き下げられた。その結果、期末在庫が6億200万ブッシェルから3000万ブッシェル引き上げられ6億3200万ブッシェル(1600万トン、1ブッシェル=25.4キログラム)と増加見通しとなった。これにより在庫率は前月の5.3%から5.6%とわずかに上昇した。
2013/14穀物年度の生産量は、前年度を上回る見通し
米国における2013/14穀物年度のとうもろこし作付面積は、昨年の干ばつの影響による減産の背景から価格が高止まりしていることから、史上最大となった前年をわずかに下回る9650万エーカー(3860万ヘクタール、1エーカー=0.40ヘクタール)を見込んでいる。単収は、前年を1エーカー当たり40.2ブッシェル上回る164ブッシェル(4.2トン)を見込んでおり、生産量は過去最大となる前年比34.7%増の145億5300万ブッシェル(3億7000万トン)を見込んでいる。しかし、今回の見通しは生育期間中の天候が平年並みとなることを仮定したものであることに留意する必要がある。一方、消費(飼料等、食品等、エタノール、輸出向け)は増産により価格が大きく下落するとみられることから、増加すると見込まれている。この結果、期末在庫率は前年度の5.6%から16.7%に上昇し、需給のひっ迫感が解消されると予測されている。
【価格動向】
2012/13穀物年度の生産者平均販売価格はブッシェル当たり5〜35セントの値下がり
2012/13穀物年度の生産者平均販売価格は、前月の値から上値、下値ともに引き下げられ、1ブッシェル6.75〜7.65ドルと見込まれている。また、2013/14穀物年度の同価格は、需給のひっ迫感が解消されることから前年度より1ブッシェル当たり2.40ドル安い4.80ドルまで下落すると予測されている。
資料:USDA/WAOB “World Agricultural Supply and Demand Estimates”, February 8 2013
シカゴとうもろこし相場の直近のデータについては、当機構ホームページの「
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【貿易動向】
2012年輸出量は前年比3割減の3146万3千トン
12月のとうもろこし輸出量は、前年同月比68.8%減の138万1000トンとなった。この結果、2012年の輸出量については、3146万3000トンと前年比31.3%減であった。2012年の国別輸出量は、日本向け1000万6000トン(前年比22.8%減)、メキシコ向け849万3000トン(同1.6%減)、中国向け437万7000トン(前年の1.6倍)、韓国向け201万2000トン(前年比66.4%減)となった。
また、12月の輸出価格(FOB)は前年同月比15.0%高のトン当たり330米ドル(約3万円:1米ドル=92.14円注)と依然高水準となっている。
注:1月末日TTS相場
【貿易動向】
12月の輸出価格、前月から上昇しトン当たり680米ドルと高水準
12月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比19.9%減の1万200トンであった。この結果、2012年の輸出量については、15万8000トンと前年比21.7%増となった。2012年の国別輸出量は、カナダ向け3万7400トン(前年比14.4%増)、メキシコ向け3万3800トン(前年の2.7倍)、英国向け1万7300トン(前年比15.5%増)、日本向け1万3300トン(同32.8%増)となった。
また、12月の輸出価格(FOB)は2012年8月以降は上昇傾向で推移している。12月の輸出価格は、トン当たり680米ドル(約6万3000円:1米ドル=92.14円注)と前年同月比10.9%高で、前月からさらに30米ドル上昇した。
注:1月末日TTS相場
タピオカでん粉
タ イ
【政策動向】
今年度キャッサバ担保融資制度の利用は12月から
2012/13年度のキャッサバ担保融資制度の、買取り上限は、当初の予定から500万トン減の1000万トン、期間は2012年10月から翌年3月である。担保融資価格はキログラム当たり2.5バーツ(でん粉含量25%)で、1カ月毎に0.05バーツ引き上げられる。制度開始直後の10月の東北部におけるキャッサバ農家買取価格は、同2.1〜2.6バーツ(でん粉含量22〜26%)であったことから、担保融資価格との差が小さかった。そのため、制度を利用するキャッサバ生産者はほとんどいなかった。しかし、担保融資価格が2.6バーツになった12月頃から利用が少しずつ増えている。2月20日現在、制度の利用により持ち込まれたキャッサバ数量は459.9万トンであった。
【価格動向】
タピオカでん粉価格、前月から据え置かれる
タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、キャッサバ主要地域である東北部の1月下期キャッサバ価格は、キログラム当たり2.20〜2.40バーツ(でん粉含有率25〜27%)であった。
一方、タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2月26日現在のタピオカでん粉価格は、キログラム当たり13.0バーツ(トン当たり455米ドル)と前月から0.2バーツ下落した。
【貿易動向】
2012年インドネシア向け輸出量、前年同期の1.4倍
12月のタピオカでん粉輸出量は、13万8000トンと前年同月の14.1%減となった。この結果、2012年の輸出量については、前年比18.5%増の220万8000トンであった。2012年における国別輸出量は、インドネシア向け66万3000トン(前年比43.5%増)、中国向け55万5000トン(同12.5%増)、マレーシア向け25万9000トン(同23.1%増)、日本向け13万8000トン(同12.1%増)となった。
ばれいしょでん粉
E U
【貿易動向】
2012年の輸出量、前年比49.0%増の43万9000トン
12月のばれいしょでん粉輸出量は、3万トンと前年同月比1.4%減となった。この結果、2012年輸出量については、前年比49.0%増の43万9000トンとなった。2012年における国別輸出量は、韓国向け4万7800トン(前年比14.3%増)、米国向け4万2700トン(同21.0%減)、中国向け3万600トン(同20.3%増)、日本向け1万6800トン(同9.7%増)であった。
また、12月の輸出価格(FOB)は、前月から50ユーロ上昇し、トン当たり620ユーロ(約7万7600円:1ユーロ=125.19円注)と、輸出量が少なかった前年の水準に回復しつつある。
注:1月末日TTS相場
化工でん粉
タ イ
【貿易動向】
2012年日本向け輸出量、前年比3.8%増の28万8000トン
12月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比5.3%増の6万2800トンとなった。この結果、2012年の輸出量については、前年比7.0%増の86万トンであった。2012年における国別輸出量は、日本向け28万8000トン(前年比3.8%増)、中国向け22万4000トン(同54.9%増)、インドネシア向け7万7900トン(同9.9%増)であった。
また、12月の輸出価格(FOB)は、前月から40米ドル上昇し、トン当たり730米ドル(約6万7000円:1米ドル=92.14円注)となった。
注:1月末日TTS相場
米 国
【貿易動向】
2012年日本向け輸出量、前年比13.0%増の7万5100トン
12月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比5.4%減の3万6700トンとなった。この結果、2012年の輸出量については、前年比4.6%減の45万6000トンであった。2012年における国別輸出量は、カナダ向け8万3000トン(前年比0.2%減)、日本向け7万5100トン(同13.0%増)、メキシコ向け4万2100トン(同24.3%減)であった。
また、12月の輸出価格(FOB)は、前月から30米ドル下落し、トン当たり910米ドル(約8万4000円:1米ドル=92.14円注)となった。
注:1月末日TTS相場
中 国
【貿易動向】
1月の日本向け輸出量、前年同月比31.3%増の4100トン
2013年1月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比32.1%増の1万1500トンとなった。1月における国別輸出量は、韓国向け5200トン(前年同月の2.5倍)、日本向け4100トン(前年同月比31.3%増)、マレーシア向け600トン(同49.1%減)となった。
また、1月の輸出価格(FOB)は、前月から50米ドル下落し、トン当たり790米ドル(約7万3000円:1米ドル=92.14円注)となった。
注:1月末日TTS相場
E U
【貿易動向】
12月の輸出価格、トン当たり920ユーロと前月から上昇
12月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比17.1%増の3万4600トンとなった。この結果、2012年の輸出量については、前年比10.1%増の46万4000トンとなった。2012年における国別輸出量は、トルコ向け9万1900トン(前年比7.9%減)、中国向け5万4500トン(同39.5%増)、ロシア向け4万8300トン(同23.6%増)、日本向け3万9300トン(前年の1.9倍)であった。
また、12月の輸出価格(FOB)は前月から40ユーロ上昇し、トン当たり920ユーロ(約11万5000円:1ユーロ=125.19円注)であった。
注:1月末日TTS相場
豪 州
【貿易動向】
2012年の輸出量、前年比28.4%増の2万2000トン
12月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比30.4%増の2040トンとなった。この結果、2012年の輸出量については、前年比28.4%増の2万2000トンであった。2012年における国別輸出量は、日本向け1万3800トン(前年比50.5%増)、ニュージーランド向け1920トン(同5.4%減)、中国向け1410トン(同17.8%減)となった。
また、12月の輸出価格(FOB)は、前月から380米ドル下落し、トン当たり1320米ドル(約12万2000円:1米ドル=92.14円注)となった。
注:1月末日TTS相場
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