3．日本の主要輸入先国の動向

　米国農務省（USDA）は5月10日、5月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。

【需給動向】
2013/14年度の生産量は過去最高の見込み

　米国における2013/14穀物年度（9月〜翌8月）のトウモロコシの生産量は、単収や作付面積が前年度を上回るとの見込みから、前年度比31.2パーセント増の141億4000万ブッシェル（3億5916万トン）と、干ばつにより減産となった前年度を大幅に上回り、過去最高を記録すると予測されている。単収は、今後の天候および5月現在の作付状況を考慮し算出した予測値として、同28.0パーセント増の158ブッシェルと見込まれている。なお、この数値は、作付状況の遅れを反映し、2月のUSDAアウトルックフォーラムで示された予測値（163.6ブッシェル）から下方修正された。作付面積は、3月末の作付意向調査の結果を受け、同0.1パーセント増の9730万エーカー（3892万ヘクタール）と見込まれている。

　一方、2013/14度のトウモロコシ総消費量は、前年度比16.0％パーセントの129億2000万ブッシェル（3億2817万トン）と予測されている。この増加は、飼料向けやエタノール向けなど全ての用途向けが上方修正されたことによるものである。特に飼料向けについては、増産見通しによりトウモロコシ価格が下落し、消費量の増加が見込まれることから同21.0パーセント増の53億2500万ブッシェル（1億3526万トン）と予測されている。期末在庫量は、前年度を大幅に上回る20億400万ブッシェル（5090万トン）と予測され、期末在庫率は前年度の6.8パーセントから15.5パーセントに上昇の見通しとなっている。

【価格動向】
2013/14年度の生産者平均販売価格はブッシェル当たり4.30〜5.10ドルの見通し

　2013/14年度の生産者平均販売価格は、増産により需給の緩和が見込まれることから、干ばつによる減産で高騰した前年度（1ブッシェルあたり6.70〜7.10ドル）を大幅に下回る4.30〜5.10ドルと見込まれている。

資料：USDA/WAOB “World Agricultural Supply and Demand Estimates”, May 10 2013

【貿易動向】
価格高騰で輸出量は前年下回る水準続く

　2013年3月のトウモロコシ輸出量は、前年同月比48.6パーセント減の173万9000トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比56.2パーセント減の450万5000トンとなり、国別にみると、日本向け147万1000トン（前年同期比53.0％減）、中国向け102万4000トン（同49.6％増）、メキシコ向け95万トン（同69.1％減）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は前年同月比9.0パーセント高のトン当たり320米ドル（3万1680円：1米ドル＝99円注）と依然高水準となっている。価格高騰を受け、トウモロコシ輸入国ではブラジルなど他国からの調達に切り替える動きもあり、米国の輸出量は前年実績を下回る状況が続いている。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
3月の輸出価格、前月比10米ドル高

　2013年3月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比27.3パーセント減の1万トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比26.5パーセント減の2万6300トンとなり、国別にみると、カナダ向け8,600トン（前年同期比4.5％減）、英国向け3,700トン（同8.4％減）、メキシコ向け3,300トン（同18.4％減）、日本向け1,600トン（同66.4％減）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は前月から10米ドル上昇し、トン当たり634米ドル（6万2766円：1米ドル＝99円注）となった。

注：4月末日TTS相場

【価格動向】
4月上期のタピオカでん粉価格はキログラム当たり14.4バーツ

　タイタピオカ取引協会（TTTA）によると、キャッサバ主要産地である東北部の4月上期のキャッサバ価格は、キログラム当たり2.40〜2.70バーツ（でん粉含有率25〜27％）と、3月下期（2.30〜2.60バーツ）から上昇した。一方、タイタピオカでん粉協会（TTSA）によると、5月21日現在のタピオカでん粉価格（FOBバンコク）は、キログラム当たり14.4バーツ（トン当たり515米ドル＝5万985円：1米ドル＝99円注）と前月から0.6バーツ上昇した。キャッサバおよびタピオカでん粉価格の上昇は、4月中旬のソンクラーン（タイの旧正月）の影響で供給が減少した影響とみられる。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
1〜3月の日本向け輸出量、前年同期比13.5パーセント減の2万5300トン

　2013年3月のタピオカでん粉輸出量は、22万2000トンと前年同月比11.0パーセント増となった。1〜3月の輸出量は、前年同期比18.5パーセント増の59万2000トンとなり、国別にみると、中国向け26万4000トン（前年同期の2.5倍）、インドネシア向け8万8100トン（前年同期比53.5％減）、台湾向け6万6700トン（同25.5％増）、日本向け2万5300トン（同13.5％減）であった。

【貿易動向】
1〜3月の日本向け輸出量、前年同期比44.2パーセント減の2400トン

　2013年3月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比30.0パーセント減の2万4700トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比22.3パーセント減の7万6000トンとなり、国別にみると、韓国向け1万1600トン（前年同期比17.4％減）、米国向け6,800トン（同54.2％減）、中国向け3,700トン（同46.5％減）、日本向け2,400トン（同44.2％減）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は、前月から14ユーロ上昇し、トン当たり629ユーロ（8万1770円：1ユーロ＝130円注）となった。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
1〜3月の日本向け輸出量、前年同期比14.6パーセント増の7万6200トン

　2013年3月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比6.8パーセント増の7万9400トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比18.5パーセント増の22万6000トンとなり、国別にみると、日本向け7万6200トン（前年同期比14.6％増）、中国向け5万1500トン（同67.9％増）、インドネシア向け2万3600トン（同27.1％増）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は前月からほぼ変わらず、トン当たり718米ドル（7万1025円：1米ドル＝99円注）となった。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
1〜3月の日本向け輸出量、前年同期比23.4パーセント減の1万2500トン

　2013年3月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比3.3パーセント増の3万9900トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比5.7パーセント増の11万3800トンとなり、国別にみると、カナダ向け2万700トン（前年同期比5.1％増）、日本向け1万2500トン（同23.4％減）、メキシコ向け1万1500トン（同6.5％増）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は、前月から20米ドル下落し、トン当たり944米ドル（9万3456円：1米ドル＝99円注）となった。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
1〜4月の日本向け輸出量、前年同期比6.1パーセント増の1万1900トン

　2013年4月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比13.6パーセント増の1万1500トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比11.7パーセント減の3万8900トンとなり、国別にみると、韓国向け1万5600トン（前年同期比50.5％増）、日本向け1万1900トン（同6.1％増）、マレーシア向け3,000トン（同20.8％減）であった。

　4月の輸出価格（FOB）は、前月から232米ドル下落し、トン当たり836米ドル（8万2764円：1米ドル＝99円注）となった。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
輸出価格は上昇傾向で推移

　2013年3月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比4.4パーセント減の3万8300トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比3.6パーセント増の11万5300トンとなり、国別にみると、トルコ向け2万900トン（前年同期比9.1％減）、中国向け1万3200トン（同91.0％増）、ロシア向け1万1300トン（同0.7％増）、日本向け8,300トン（同26.3％減）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は、前月から26ユーロ上昇し、トン当たり973ユーロ（12万6490円：1ユーロ＝130円注）となった。輸出価格は昨年11月以降上昇傾向で推移している。

注：4月末日TTS相場

【貿易動向】
1〜3月の日本向け輸出量、前年同期比43.5パーセント減の1800トン

　2013年3月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比1.4パーセント減の1,300トンとなった。1〜3月の輸出量は、前年同期比12.6パーセント減の4,100トンとなり、国別にみると、日本向け1,800トン（前年同期比43.5％減）、ニュージーランド向け620トン（同54.2％増）、台湾向け330トン（同25.0％増）であった。

　3月の輸出価格（FOB）は、前月から42米ドル下落し、トン当たり1732米ドル（17万1468円：1米ドル＝99円注）となった。

注：4月末日TTS相場