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地域だより

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最終更新日:2013年6月14日

平成25年度鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会総会の開催について

2013年6月

鹿児島事務所
 


 平成25年5月24日(金)に鹿児島県自治会館において、平成25年度鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会総会が開催された。

 同協議会は、昭和40年に設立され、鹿児島県の原料用さつまいもおよびさつまいもでん粉の生産・流通などに係る基本方針を一体的に推進し、さつまいも生産農家の所得向上と関連産業の経営安定を図ることを目的に、鹿児島県をはじめ9機関団体の関係者をもって構成されている。今回の総会では、鹿児島県農業組合中央会会長や鹿児島県経済農業協同組合連合会会長をはじめ9名が出席し、平成24年度事業実績や平成25年度の事業計画の審議が行われ、承認された。

1.平成24年度さつまいもの生産実績など

 平成24年産の鹿児島県におけるさつまいも生産は、作付面積が前年より200ヘクタール減の1万3800ヘクタールとなった。植付け後の低温や梅雨時期の長雨および梅雨明け後の日照不足により、10アールあたりの収量は平年単収(2,772キログラム)の約2割減の2,320キログラムとなり、生産量は前年より約2万9800トン減の32万200トンとなった。このうち、でん粉原料用の生産量は前年より約2万900トン減の12万7900トン、焼酎原料用は、約1万2500トン増の15万1100トンとなり、でん粉用・焼酎用ともに希望需要量を下回る見込みとなった。
 

2.平成24年度事業実績

 平成24年度の事業実績として、事務局(鹿児島県農政部農産園芸課内)から以下のとおり報告があった。

 まず、需給調整対策として、でん粉工場の操業状況や焼酎原料用の確保実績などを調査し、でん粉原料用さつまいもにあっては、各でん粉工場の原料集荷計画や「国内産いもでん粉生産計画」を基本とした原料売渡契約に基づく安定的な原料取引の実施、焼酎原料用さつまいもにあっては、確保希望数量を基本としたより実効性のある契約栽培・契約取引の実践による原料の安定的な取引の実施を推進した。

 次に、生産対策として、鹿児島県農業開発総合センター大隅支場と連携した原料用さつまいもの生育状況について関係者に情報提供を行い、原料用さつまいもの増収に向けた生産対策資料を配布したほか、でん粉原料用品種「こなみずき」の商品開発委員会に参画するなど普及に向けた意見交換などを行った。

 担い手等育成対策として、認定農業者の育成、経営規模拡大の推進、農作業受託組織の育成などの推進のほか、でん粉原料用いも交付金の制度の概要や事前の原料売渡契約の必要性などを周知するためのリーフレットを配布した。

 でん粉工場の体質強化として、国の産地活性化総合対策事業を活用した高品質でん粉製造技術の確立に向けた取り組みやでん粉工場の品質管理に必要な機器の整備などを推進するとともに、排水処理施設の適正な管理について指導を行った。

3.平成25年度事業計画

 平成25年の事業計画としては、需給調整、生産、担い手育成、でん粉工場の体質強化および公害防止の各対策を引き続き実施する。このうち、需給調整対策としては、平成26年産に向けて宮崎県との原料用さつまいも需要見込などの打合せを計画している。生産対策としては、需要量の安定的な確保に向けた単収向上の推進のため生産振興対策検討会の開催や基本栽培技術励行パンフレットの配布などを行うほか、でん粉原料用品種「こなみずき」の一層の普及に向けた取り組みを推進する。担い手等育成対策としては、国の甘味資源作物等農業機械リース支援事業の情報提供や、でん粉原料用いも交付金の円滑な運用を図るためのリーフレットの配布などが主に予定されている。

 出席者からは、限られた作付面積の中での単収向上の推進や生産者の高齢化が進む中でのバイオ苗などを用いた健苗の生産や機械の導入による生産性向上支援についての要請などがあった。事務局からは、近年の単収低下の要因について分析した上で需要量の安定的な確保に向けた支援の方法を検討したいとの回答や、施設整備や機械導入に係る国の事業の活用についての情報提供などが行われた。

 機構としては、引き続きさつまいもの生産状況や需給動向等について同協議会と情報交換を緊密に行い、生産者およびでん粉製造事業者への交付金交付業務の適正な運営に努めてまいりたい。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713