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3.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2013年7月10日

3.日本の主要輸入先国の動向

2013年7月

トウモロコシ・コ−ンスターチ

米 国

 米国農務省(USDA)は6月12日、6月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。

【需給動向】
2013/14年度のトウモロコシ生産量、前月予測からわずかに下方修正

 米国における2013/14穀物年度(2013年9月〜翌8月)のトウモロコシ生産量は、5月中頃から作付進捗率が進展したものの、依然、コーンベルト地帯において降雨および低温状態が続いていることに加え、7月下旬頃の高温環境により受粉期に影響を受けるとの見込みから、前月から1億3500万ブッシェル(343万トン)下方修正され、140億500万ブッシェル(3億5573万トン)の見通しとなっている。単収は、生育状況の悪化が見込まれることから前月から1.5ブッシェル引き下げた。

 一方、トウモロコシ総消費量は128億5000万ブッシェル(3億2639万トン)と、前月から7000万ブッシェル(178万トン)下方修正された。この減少は、エタノール向けおよび食品向けなどが前月の値から上方修正されたものの、飼料など向けが価格高により需要の減少が見込まれること、また、トウモロコシに代わりDDGSの使用量の増加が予測されることによるものである。なお、輸出向けは前月の値が据え置かれた。期末在庫量は、生産量の減産見通しが総消費量の減少見込みを上回ったことにより、前月から5500万ブッシェル(140万トン)引き下げられ、期末在庫率は15.2パーセントと見込んでいる。

【価格動向】
生産者平均販売価格はブッシェル当たり4.40〜5.20ドルの見通し


 2013/14年度の生産者平均販売価格は、生産量予測が下方修正されたことを受け、前月の値から下値、上値とも引き上げられ,1ブッシェル当たり4.40〜5.20ドルと予測している。

資料:USDA/WAOB “World Agricultural Supply and Demand Estimates”
(シカゴトウモロコシ相場の直近のデータについては、当機構ホームページhttp://www.alic.go.jp/international/index.htmlの「海外情報」)に掲載しています。)
 
【貿易動向】
4月のトウモロコシ輸出量、前年の半分以下の水準


 2013年4月のトウモロコシ輸出量は、前年同月比55.6パーセント減の155万1000トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比56.1パーセント減の605万7000トンとなり、国別にみると、日本向け204万2000トン(前年同期比52.3%減)、メキシコ向け142万トン(同67.6%減)、中国向け114万1000トン(同49.7%増)であった。

 トウモロコシの輸出価格(FOB)は、2013年に入ってから緩やかな下落傾向になっているものの、4月の輸出価格は前年同月比8.1パーセント高のトン当たり317米ドル(3万2334円:1米ドル=102円注)と、依然高水準である。価格高を受け、トウモロコシ輸入国は調達先をブラジルなど他国に切り替えている。注:5月末日TTS相場
 
【貿易動向】
1〜4月の日本向け輸出量、前年同期比64.6パーセント減の2,100トン


 2013年4月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比13.4パーセント減の1万1000トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比23.6パーセント減の3万7000トンとなり、国別にみると、カナダ向け1万1000トン(前年同期比9.5%減)、メキシコ向け5,500トン(同13.5%増)、英国向け5,000トン(同3.1%増)、日本向け2,100トン(同64.6%減)であった。

 4月の輸出価格(FOB)は前月から10米ドル下落し、トン当たり623米ドル(6万3546円:1米ドル=102円注)となった。

注:5月末日TTS相場

タピオカでん粉

タ イ

【価格動向】
タピオカでん粉価格は引き続き上昇傾向


 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、主要産地の東北部における5月上期のキャッサバ価格は、キログラム当たり2.30〜2.70バーツ(でん粉含有率21〜23%)と、前月に引き続き高水準となった。2012/13でん粉年度(10月〜翌9月)の収穫はピークを過ぎ、供給量が減少していることなどが高値の背景とみられる。タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、6月18日現在のタピオカでん粉価格(FOBバンコク)はキログラム当たり14.7バーツ(トン当たり520米ドル=5万3040円:1米ドル=102円注)と、前月から0.3バーツ上昇した。価格の上昇は、キャッサバ価格が高水準で推移している上、雨季の到来によりキャッサバのでん粉含有量が低下している影響とみられる。

注:5月末日TTS相場
 
【貿易動向】
1〜4月の日本向け輸出量、前年同期比1.8%増の3万9000トン


 2013年4月のタピオカでん粉輸出量は15万9000トンと、前年同月比4.5パーセント増となった。1〜4月の輸出量は、前年同期比15.2パーセント増の75万1000トンとなり、国別にみると、中国向け33万トン(前年同期比119.4%増)、インドネシア向け10万4000トン(同56.7%減)、台湾向け9万3300トン(同32.7%増)、日本向け3万9000トン(同1.8%増)であった。
 

ベトナム

【生産動向】
5月中旬までのキャッサバ作付面積、前年同期比7.5パーセント増


 ベトナムの調査会社AgroMonitor社によると、2012/13でん粉年度(10月〜翌9月)産のキャッサバ収穫は5月末までにほぼ終了した。現在、2013/14年度の作付けが行われており、5月15日までの作付面積は28万8058ヘクタールと、前年同期を7.5パーセント上回っている。なかでも、中部高原地域の作付けペースは前年同期を大幅に上回っており、同日までの作付面積は6万3304ヘクタール(前年同期比27.7%増)となった。

【貿易動向】
中国の需要減少で4月の輸出量は大幅減少


 2013年4月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比53.8パーセント減の9万7500トンとなった。輸出量の大幅な減少は、主要輸出先の中国が2012年12月から2013年1月にかけてタピオカでん粉を大量に輸入した反動とみられている。1〜4月の輸出量は前年同期と変わらず、61万2900トンであった。一方、輸出額は前年同期比5.7パーセント増の2億6330万米ドル(268億5660万円:1米ドル=102円注)となり、国別輸出額をみると、中国が2億2920万米ドル(233億7840万円)と大半を占めた。

資料:AgroMonitor社“CASSAVA AND STARCH MARKET REPORT”
注:5月末日TTS相場
 

ばれいしょでん粉

E U

【生産動向】
2013/14年度のばれいしょ供給、例年より2〜3週間遅れる見通し


 英国の農業・園芸開発委員会(AHDB)によると、主要5生産国(ベルギー、ドイツ、フランス、オランダ、英国)における2013/14でん粉年度(10月〜翌9月)産ばれいしょの作付けは、5月第2週目までにほぼ完了した。低温や降雨の影響で作付けが遅れた上、長引く天候不順がばれいしょの生育にも悪影響を与えるとみられることから、新年度のばれいしょ供給の開始は例年に比べ2〜3週間遅れると見込まれている。

AHDB “Euro-Potato”

【貿易動向】
1〜4月の日本向け輸出量、前年同期比46.1パーセント減の3,100トン

 2013年4月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比0.1パーセント増の2万8200トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比17.3パーセント減の10万4000トンとなり、国別にみると、韓国向け1万7300トン(前年同期比0.3%減)、米国向け1万400トン(同42.4%減)、中国向け4,200トン(同48.0%減)、日本向け3,100トン(同46.1%減)であった。

 4月の輸出価格(FOB)は、前月から22ユーロ下落し、トン当たり607ユーロ(8万731円:1ユーロ=133円注)となった。

注:5月末日TTS相場
 

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
4月の輸出価格は上昇に転じる


 2013年4月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比7.1パーセント増の6万9100トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比15.6パーセント増の29万4900トンとなり、国別にみると、日本向け10万1800トン(前年同期比14.1%増)、中国向け6万3600トン(同35.9%増)、インドネシア向け3万1100トン(同26.1%増)であった。

 輸出価格(FOB)は2013年1月以降下落傾向で推移していたが、4月は上昇に転じ、トン当たり742米ドル(7万5684円:1米ドル=102円注)となった。

注:5月末日TTS相場
 

米 国

【貿易動向】
1〜4月の日本向け輸出量、前年同期比1.5パーセント増の1万7100トン


 2013年4月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比20.7パーセント増の4万300トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比16.5パーセント増の15万4000トンとなり、国別にみると、カナダ向け2万8100トン(前年同期比10.0%増)、日本向け1万7100トン(同1.5%増)、メキシコ向け1万6100トン(同13.0%増)であった。

 4月の輸出価格(FOB)は前月から43米ドル下落し、トン当たり901米ドル(9万1902円:1米ドル=102円注)となった。

注:5月末日TTS相場
 

中 国

【貿易動向】
1〜5月の日本向け輸出量、前年同期比7.1パーセント減の1万3200トン


 2013年5月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比53.3パーセント増の1万2000トンとなった。1〜5月の輸出量は、前年同期比19.3パーセント増の5万900トンとなり、国別にみると、韓国向け2万2100トン(前年同期比84.4%増)、日本向け1万3200トン(同7.1%減)、マレーシア向け4,200トン(同5.7%減)であった。

 5月の輸出価格(FOB)は前月から82米ドル上昇し、トン当たり918米ドル(9万3636円:1米ドル=102円注)となった。

注:5月末日TTS相場
 

E U

【貿易動向】
輸出価格は引き続き上昇傾向


 2013年4月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比16.2パーセント増の3万9900トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比6.6パーセント増の15万5200トンとなり、国別にみると、トルコ向け2万8600トン(前年同期比8.6%減)、中国向け1万7300トン(同77.5%増)、ロシア向け1万5400トン(同4.0%増)、日本向け1万500トン(同28.4%減)であった。

 輸出価格(FOB)は2012年11月以降上昇傾向で推移しており、4月はトン当たり986ユーロ(13万1138円:1ユーロ=133円注)となった。

注:5月末日TTS相場
 

豪 州

【貿易動向】
1〜4月の日本向け輸出量、前年同期比39.8パーセント減の2,600トン


 2013年4月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比7.8パーセント減の1,800トンとなった。1〜4月の輸出量は、前年同期比11.2パーセント減の5,900トンとなり、国別にみると、日本向け2,600トン(前年同期比39.8%減)、ニュージーランド向け830トン(同36.4%減)、英国向け510トン(同191.9%増)であった。

 4月の輸出価格(FOB)は前月から118米ドル上昇し、トン当たり1,851米ドル(18万8802円:1米ドル=102円注)となった。

注:5月末日TTS相場
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