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エタノールの需給トピックス

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最終更新日:2013年8月9日

エタノールの需給トピックス

2013年8月

調査情報部 植田 彩

米 国

エタノール向け砂糖プログラム、6月に発動

 シカゴ商品取引所の6月のエタノール月間平均価格は、前月比5.7パーセント安のリットル当たり0.66米ドルとなった(表)。これは、北半球のトウモロコシ生産見通しが良好とされたことでトウモロコシ価格が下落し、1日当たりのエタノール平均生産量が8万5000バレル(約1億4160万リットル)と2012年6月以来の高水準となったことが要因とされる。

 2012/13年度(10月〜翌年9月)のエタノール生産量は510億1100万リットル(前年度比2.7%減)、消費量は514億1000万リットル(同1.2パーセント増)、輸入量は30億1200万リットル(同1.5倍)、輸出量は25億8700万リットル(同40.8%減)と予測されている。

 米国農業法で定められている砂糖政策の一つ、エタノール向け砂糖プログラム(FFP)が6月28日に発動された。このプログラムは、北米自由貿易協定(NAFTA)などによる輸入砂糖の増加によって国内に余剰砂糖が発生した場合、これを政府が買い上げ、エタノール製造企業へ売り渡すといった2008年農業法で新設された制度である。エタノール製造企業は、買い上げた余剰砂糖をエタノールの原料として使用することとなる。

ブラジル

5月第2週のサトウキビのエタノール仕向け割合は、前年同期から3.7パーセント増加

 6月のエタノール平均価格は、含水エタノールが前月比1.8パーセント高(米ドル換算5.5%安)のリットル当たり1.14レアル(0.52米ドル)、無水エタノールが前月比1.5パーセント安(米ドル換算7.7%安)のリットル当たり1.31レアル(0.60米ドル)となった(表)。

 2012/13年度(10月〜翌年9月)のエタノール生産量は253億7100万リットル(前年度比21.6%増)、消費量は213億7600万リットル(同1.6パーセント増)、輸入量は22億4100万リットル(同100.0%増)、輸出量は25億4700万リットル(同3.3パーセント減)と見込まれている。5月第2週目のエタノール生産量は14億8000万リットル(前年同期比48.3%増)と前年度から大幅に増加した。また、同時期におけるエタノール仕向け量は前年同期の54.4パーセントから58.1パーセントに増加した。

E U

6月のエタノール価格は前月から下落

 6月のエタノール平均価格は、前月比1.5パーセント安(米ドル換算1.2%安)のリットル当たり0.64ユーロ(0.84米ドル)となった(表)。

 2012/13年度(10月〜翌年9月)のエタノール生産量は67億2800万リットル(前年度比1.4%増)、消費量は80億9100万リットル(同0.9%増)、輸入量は9億1100万リットル(同39.9%減)、輸出量は同22.0%減の9000万リットルと見込まれている。

 欧州委員会は、現在議論が行われている輸送用燃料に占める食品由来のバイオ燃料の割合を、2020年までに6.5パーセントとする提案を行った。

資料:Agra CEAS “WORLD ETHANOL SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS July 2013”
 
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