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2.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2013年10月10日

2.日本の主要輸入先国の動向

2013年10月

トウモロコシ・コ−ンスターチ

米 国

 米国農務省(USDA)は9月12日、2013/14穀物年度(2013年9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通し(9月予測)を公表した。

【需給動向】
トウモロコシ生産量、中西部および南部での単収見込の上方修正を受けて増加


 米国の2013/14穀物年度のトウモロコシ総供給量は、前月比1800万ブッシェル増の145億3000万ブッシェル(3億6908万トン)の見通しとなった(表2)。これは、アイオワ州などの一部地域で、春先の乾燥による単収減が見込まれるものの、主要生産州であるネブラスカ州などの単収増が見込まれることにより、生産量が138億4300万ブッシェル(3億5161万トン)と、前回の見通しから8000万ブッシェル(203万トン)増加されたことが主な要因である。

 一方、期末在庫量は、トウモロコシ総消費量が、全ての用途向けで前月の値が据え置かれたことから、前回から1800万ブッシェル(46万トン)引き上げられ、18億5500万ブッシェル(4712万トン)の見通しとなった。これにより、期末在庫率は、前月比0.1ポイント増の14.6パーセント(前年度比149.5%)の見通しとなった。

【価格動向】
生産者平均販売価格は、豊作と高在庫水準の見込みを受けて、1ブッシェル当たり4.40〜5.20米ドルに下落


 2013/14年度の生産者平均販売価格は、豊作と在庫水準が高くなるとの見込みから、前回の見通しより上値、下値、共に引き下がり、1ブッシェル当たり4.40〜5.20米ドル(436円〜515円:1米ドル=99円)と予測している。

注:8月末日TTS相場
 
【貿易動向:トウモロコシ】
7月のトウモロコシ輸出量、反転するも前年の6割の水準


 2013年7月のトウモロコシ輸出量は、高水準で推移する価格を反映し、前年同月比37.2パーセント減の152万800トンとなった(図3)。国別に見ると、日本向け57万400トン(同36.6%減)、メキシコ向け41万5900トン(同20.1%減)、韓国向け1,600トン(同97.4%減)、中国向け860トン(99.8%減)と大幅に減少した。一方、ベネズエラ向けは、同1.8倍の21万3500トンと、メキシコに次ぐ輸出量となり、同国の存在が大きくなっている(シェア14.0%)。

 1〜7月の輸出量では、前年同期比54.7パーセント減の1016万4700トンとなった。国別に見ると、日本向け370万9600トン(同45.6%減)、メキシコ向け257万5500トン(同61.2%減)、中国向け114万3200トン(同56.1%減)と総じて減少した。

 7月の輸出価格(FOB)は、前月から1.5米ドル高(前月比0.4%高)の1トン当たり308.6米ドル(3万549円)と続騰し、依然高水準が続いている(前年同月比6.7%高)。

 注:8月末日TTS相場
 
【貿易動向:コーンスターチ】
輸出量は弱含み、前年同月比は半減


 2013年7月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比48.5パーセント減の8,600トンと、前月に続いて1万トン台を割り込んだ(図4)。国別に見ると、カナダ向け3,150トン(同6.3%減)、英国向け920トン(同44.4%減)、メキシコ向け780トン(同86.1%減)とそれぞれ減少し、日本向けも、前月比で3倍弱の210トンとなったものの、前年同月比では58.7パーセント減となった。

 1〜7月の輸出量では、前年同期比26.1パーセント減の6万8200トンとなった。国別に見ると、英国向けが1万100トン(同5.5%増)と増加傾向を維持しているものの、カナダ向け2万300トン(同9.1%減)、メキシコ向け9,600トン(同37.8%減)と減少し、日本向けも2,400トン(同72.7%減)と減少した。

 7月の輸出価格(FOB)は、前月から0.83米ドル安の1トン当たり623.8米ドル(6万1756円:1米ドル=99円、前年同月比7.1%高)となった。今年に入り、輸出価格(FOB)は安定的に推移しているが、前年に比べ依然高い状況にあり、輸出量の減少の一因となっているものと考えられる。

 注:8月末日TTS相場
 

タピオカでん粉

タ イ

【生産動向】
2013/14年度、収穫面積は減少するも、単収増加で増産の見込み


 タピオカでん粉協会(TTSA)によると、タピオカ関連団体と関係政府機関は、2013/14年度のキャッサバ生産見込みを発表した。

 好天と虫害(コナカイガラムシ)のまん延がない前提のもと、収穫面積は、前年同期比1.9パーセント減の798万3000千ライ(1ライ=1,600平方メートル)と減少するものの、単収が同3.7パーセント増の3.601トン/ライと増加見込みから、国内生産量は同1.7パーセント増の2874万6000トンの見通しとした(表3)。
【価格動向】
タピオカでん粉価格、下落基調が続く


 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、乾燥のため一部の産地で収穫作業を止めている地域があるなど、依然、全国的に市場へのキャッサバ供給量が低迷している。一方、キャッサバ価格は、7月後半以降、8月のタイ国政府によるキャッサバの払い下げ実施などにより下落基調が持続し、8月は主要産地の東北部で、1キログラム当たり2.00〜2.45バーツ(でん粉含有率20〜23%:6.3〜7.7円:1バーツ=3.14円注)および2.60〜3.15バーツ(同30%:8.2〜9.9円)、東西部で同1.90〜2.20バーツ(20〜22%:6.0〜6.9円)および2.40〜2.60バーツ(同30%:7.5〜8.2円)となった。

 TTSAによると、9月17日現在のタピオカでん粉価格は、前月から0.6バーツ安の1キログラム当たり13.7バーツ(45.9円:前年同月比3.0%高)となった(図5)。また、輸出価格(FOB:バンコク)は、前月から30米ドル安の1トン当たり455米ドル(4万5055円(1米ドル=99円):同3.4%高)となり、国内価格を受けて下落基調となっている。

 注:8月末日TTS相場。
 
【貿易動向】
1〜7月の中国向け輸出量、大幅増


 2013年7月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比6.4パーセント減の17万4600トンとなった。国別に見ると、中国向け6万8200トン(同24.5%増)、マレーシア向け2万7000トン(同3.3%増)と増加したものの、インドネシア向け2万3600トン(同44.8%減)、台湾向け1万6700トン(同9.0%減)、日本向け9,300トン(同41.2%減)と減少した(図6)。

 1〜7月の輸出量は、前年同期比1.7パーセント減の122万3400トンとなった。国別に見ると、中国向け49万1500トン(同68.8%増)、台湾向け15万5700トン(同18.7%増)と増加したものの、インドネシア向け16万6700トン(同62.2%減)、マレーシア向け11万4800トン(同14.3%減)、日本向け7万2900トン(同8.1%減)と減少した。中国では、2012年、主要産地でのキャッサバ作付面積が減少し、中国国内のタピオカでん粉の供給量が減少しているものと推察される。また、TTTAによると、タイ産の価格が、ベトナム産よりも廉価であることから、中国からの発注が増加しているとしている。
 

ベトナム

【生産動向】
キャッサバ作付面積、南部沿岸部での増加が顕著


 農業かんがい省によると、2013年8月のキャッサバの作付面積は、主要生産地である北部内陸山岳地域(Northern Midland and Mountainous Region)や中央高原地域(Central Highlands)で減少したものの、南部沿岸地域(South Central Coastal Region)で前年同月比20.8パーセント増の10万3157ヘクタールと増加したことから、全体では同2.5パーセント増の46万8400ヘクタールとなった(8月15日時点:表4)。

 資料:在ベトナム調査会社AgroMonitor社レポート
 
【貿易動向】
タピオカでん粉価格、下落基調に転じる


 税関総局によると、2013年7月のタピオカでん粉輸出量は、4月以降減少基調にあったものが反転し、前月比4.8パーセント増となったものの、前年同月比では50.9パーセント減の6万2900トンとなった。1〜7月の輸出量は、2月以降、前年同月比で前年割れが続いていることから、前年同期比20.8パーセント減の82万3000トンとなった。

 輸出額は、前年同期比20.1パーセント減の7億58万米ドル(693億5742万円:1米ドル=99円)となった。国別に見ると、シェアの大半(85.1%)を占める中国向けが、同22.6パーセント減の5億9605万米ドル(590億895万円)と減少した一方、韓国向けは75.9パーセント増の4623万米ドル(45億7677万円)と増加した(表5)。

 8月の輸出価格(FOB:ホーチミン)は、中国商社による価格引き下げ圧力の高まりや、タイ産タピオカでん粉価格が下落基調にあることなどを背景に下落基調が強まり、9月第1週の価格は、前月同週比30米ドル安(同6.2%安)の1トン当たり452.5米ドル(4万4798円)となった(図7)。

 資料:在ベトナム調査会社AgroMonitor社レポート  
  注:8月末日TTS相場
 
 

ばれいしょでん粉

E U

【生産動向】
北西ヨーロッパのばれいしょ生産、一部で乾燥少雨による単収減少の恐れ


 英国の農業・園芸開発委員会(AHDB)によると、主要産地の北西ヨーロッパでは、8月初旬は適度な雨量のもと、生育はおおむね順調であったものの、中旬から後半にかけて一部地域で乾燥が進んだことで、減産が懸念されている。

 英国では、一部の非かんがい地域で作柄不良となったものの、かんがい地域ではおおむね良好となっている。フランス農業省は、作付面積の増加を理由に、本年のばれいしょ生産見込量を、前年比11パーセント増の500万トンと予測した。一方、ベルギーでは、単収は昨年に比べて若干改善されたものの、過去5年平均で比較すると、1ヘクタール当たり5トン減少した。オランダでは、雨量不足により平均単収が、前年比7トン減の1ヘクタール当たり39トンと、過去5年平均に比して19パーセントの減少となった。

 資料:AHDB “Euro-Potato”

【貿易動向】
1〜6月の日本向け輸出量、大幅減


 2013年6月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比35.1パーセント減の1万7900トンとなった(図9)。国別に見ると、韓国向け3,300トン(同16.2%減)、米国向け2,500トン(同21.4%減)、ベトナム向け1,400トン(同21.0%減)、日本向け1,200トン(30.2%減)、中国向け830トン(同61.2%減)と総じて減少した。

 1〜6月の輸出量は、前年同期比20.9パーセント減の11万6500トンとなった。国別に見ると、韓国向けが2万6400トン(同9.2%増)と増加したものの、米国向け1万6800トン(同28.2%減)、ペルー向け6,300トン(同25.7%減)、中国向け6,200トン(同49.5%減)、日本向け5,200トン(同42.1%減)とそれぞれ減少した。

 輸出価格(FOB)は、今年に入り安定的に推移し、6月は前月から11.3ユーロ安の1トン当たり600.0ユーロ(7万9200円:1ユーロ=132円、前年同月比8.4%高)となった。

 注:7月末日TTS相場

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
7月の輸出価格、続騰


 2013年7月のデキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉など」という。)の輸出量は、前年同月比3.9パーセント減の7万4000トンとなった(図9)。国別に見ると、インドネシア向けは3,900トン(同2.8%増)と増加したものの、日本向け2万7700トン(同5.9%減)、中国向け1万7300トン(同22.6%減)と減少した。

 1〜7月の輸出量は、前年同期比10.2パーセント増の52万8700トンとなった。国別に見ると、日本向け18万8200トン(同10.5%増)、中国向け11万1500トン(同6.5%増)、インドネシア向け5万1500トン(同15.7%増)とそれぞれ増加した。

 7月の輸出価格(FOB)は、前月から反転し、前月から42.8米ドル高(前月比6.0%高)の1トン当たり761.6米ドル(7万5401円:1米ドル=99円、前年同月比8.1%高)となった。前年8月以来の760ドル越えとなるが、前年も翌9月以降は下落基調となったことから、今後の動向が注目されている。

 注:8月末日TTS相場

米 国

【貿易動向】
7月の輸出価格、反転。1,000米ドル/トン目前に


 2013年7月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比9.9パーセント減の3万3300トンとなった(図10)。国別に見ると、日本向けが5,600トン(同28.8%増)と増加したものの、カナダ向け6,600トン(同5.4%減)、ドイツ向け2,800トン(同19.1%減)、メキシコ向け2,800トン(同11.0%減)、中国向け1,900トン(同9.0%減)と減少した。

 1〜7月の輸出量は、前年同期比6.0パーセント増の25万7100トンとなった。国別に見ると、カナダ向け4万7100トン(同1.2%増)、メキシコ向け2万5700トン(同3.7%増)、ドイツ向け2万1000トン(同4.4%増)、中国向け1万9300トン(同23.1%増)とそれぞれ増加したものの、日本向けは3万700トン(同2.9%減)と減少した。

 7月の輸出価格(FOB)は、前月から反転し、前月から49.4米ドル高(前月比5.2%高)の1トン当たり992.7米ドル(9万8281円:1米ドル=99円、前年同月比12.5%高)となった。日本向けは815.8米ドルと同4.8パーセント安であったものの、ドイツ向けが1,268.9米ドル(同29.0%高)、メキシコ向けが1,036.6米ドル(同26.1%高)など上昇しており、日本向け価格への影響が懸念される。

 注:8月末日TTS相場

中 国

【貿易動向】
8月の輸出価格、反転。900ドル越えに


 2013年8月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比14.8パーセント増の8,800トンとなった(図11)。国別に見ると、輸出シェア第1位の韓国向けが3,300トン(同1.6%減)と減少したものの、第2位の日本向けが3,200トン(同68.0%増)と大幅に増加し、それぞれ輸出シェア4割弱を占めた。

 1〜8月の輸出量は、前年同期比14.9パーセント増の7万9700トンとなった。国別に見ると、韓国向けが3万4800トン(同49.1%増)と依然大幅に増加し、輸出シェアの半分を占めた一方、日本向けも2万1800トン(同1.4%減)と前年と同レベル(シェア3割弱)となった。

 8月の輸出価格(FOB)は、前月から大幅に上昇し、141.1米ドル高(前月比18.4%高)のトン当たり906.9米ドル(8万9787円、前年同月比6.2%安)となった。日本向けは665.8米ドルと同7.7パーセント高であったのに対し、韓国向けが778.4米ドル(同20.4%高、前月比23.3%高)と、輸出量が減少しているなか(同35.1%減)、シェアの半分を占める韓国向けの輸出価格が上昇しており、日本向け価格への影響が懸念される。

 注:8月末日TTS相場

E U

【貿易動向】
6月の輸出価格、続落


 2013年6月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比1.3パーセント減の3万4700トンとなった(図13)。国別に見ると、ロシア向け4,800トン(同18.3%増)、日本向け2,900トン(同0.3%増)と増加したほか、韓国向けも1,100トン(同103.5%増)と倍増した。一方、トルコ向け7,900トン(同7.8%減)、中国向け3,900トン(同11.6%減)とそれぞれ減少した。

 1〜6月の輸出量は、前年同期比3.2パーセント増の21万3400トンとなった。国別に見ると、中国向け2万6400トン(同37.7%増)、ロシア向け2万4500トン(同4.4%増)とそれぞれ増加した。一方、トルコ向け4万5000トン(同6.0%減)、日本向け1万6100トン(同24.6%減)、韓国向け9,400トン(同35.5%減)とそれぞれ減少した。

 6月の輸出価格(FOB)は、前月に続いて続落し、前月比19.9ユーロ安の1トン当たり940.2ユーロ(12万4106円:1ユーロ=132円、前年同月比1.2%安)となった。

 注:7月末日TTS相場

豪 州

【貿易動向】
7月の日本向け輸出量、大幅減


 2013年7月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比44.6パーセント減の1,300トンとなった(図13)。国別に見ると、台湾向けが140トン(同100.0%増)と倍増したものの、日本向けが560トン(同65.2%減)と大幅に減少したほか、ニュージーランド向け160トン(同9.1%減)中国向け96トン(同25.0%減)とそれぞれ減少した。

 1〜7月の輸出量は、前年同期比18.4パーセント減の1万400トンとなった。国別に見ると、日本向けが4,700トン(同41.5%減)と大幅に減少した。一方、ニュージーランド向け1,300トン(同2.7%増)、台湾向け920トン(同44.0%増)、中国向け700トン(同0.3%増)と増加した。

 7月の輸出価格(FOB)は、前月に続いて続落し、前月から107米ドル安(前月比6.1%安)の1トン当たり1,634.5米ドル(16万1816円:1米ドル=99円、前年同月比12.3%高)となった。シェアの4割を占める日本向けは、1,655.2米ドルと、前月比8.3パーセント安となったものの、前年同月比では18.2パーセント高と依然高水準が続いている。

 注:8月末日TTS相場
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