でん粉の国内需給
最終更新日:2013年12月10日
でん粉の国内需給
2013年12月
1.需給見通し
農林水産省は、7月に「平成25年度でん粉の需給見通し」を公表した。その概要は以下のとおりである(詳細は、
2013年8月号参照)。
2.輸入動向
【天然でん粉の輸入動向】
9月の天然でん粉輸入量は、前年同月比37.3パーセント増の1万8488トン
財務省「貿易統計」によると、2013年9月の天然でん粉の輸入量は、前年同月比37.3パーセント増の1万8488トン(前月比54.4%増)となった(図1)。
同月の天然でん粉(種別)輸入量は、タピオカでん粉が前年同月比52.0パーセント増の1万6221トン(前月比82.0%増)、サゴでん粉が同75.6パーセント増の1,391トン(同5.8%減)、その他のでん粉は同436.2パーセント増の134トン(同0.3%減)と、前年同月を上回った一方、ばれいしょでん粉は同62.5パーセント減の742トン(同48.9%減)と前年を下回った。
一方、同月の1トン当たり天然でん粉(種別)輸入価格は、タピオカでん粉が4万9871円(前年同月比39.8%高、前月比0.1%高)、ばれいしょでん粉が9万5704円(前年同月比20.3%高、前月比1.7%高)となった(図2)。
タピオカでん粉の輸入価格は、11カ月連続で前年同月を上回って推移した。なお、タイの国内価格が7月以降下落傾向で推移していることから、輸入しているスペックの価格への影響はすぐには表れない可能性はあるものの、今後、輸入価格が下落に転じることも考えられる。また、ばれいしょでん粉は5カ月連続で前年同月を上回って推移した。
【化工でん粉の輸入動向】
9月のでん粉誘導体の輸入価格は、前年同月比31.8パーセント高の1トン当たり8万7504円
財務省「貿易統計」によると、2013年9月の化工でん粉の輸入量は、前年同月比2.4パーセント増の3万8899トン(前月比20.4%減)となった(図3)。
同月の主な化工でん粉(種別)輸入量は、でん粉誘導体(HSコード3505.10−100)が3万7196トン(前年同月比0.4%増、前月比22.1%減)、デキストリン(HSコード3505.10−200)が1,704トン(前年同月比78.1%増、前月比54.7%増)となった。
でん粉誘導体の最大の輸入先国は、タイである。9月の主要輸入先国からの輸入量は、タイ2万3883トン(シェア64%)、次いでベトナム3,508トン(同9%)、米国1,757トン(同5%)、フランス1,723トン(同5%)となり、上位4カ国で輸入量の8割以上を占めている。
デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの増減が大きい。9月の主要輸入先国からの輸入量は、最大となったタイで993トン(シェア58%)、次いでマレーシア171トン(同10%)、中国157トン(同9%)となった。
一方、同月の1トン当たり種別輸入価格は、でん粉誘導体が8万7504円(前年同月比31.8%高、前月比6.0%高)、デキストリンが8万4032円(前年同月比29.1%安、前月比24.3%安)となった。なお、でん粉誘導体は、2012年10月以降、月ごとに見ると変動しながらも、上昇を続けている。これは、タイ産でん粉誘導体の原料であるタピオカでん粉が高値で推移していたことなどによるものと考えられ、今後の価格動向が注目される。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
9月のコーンスターチ用トウモロコシ輸入量は、前年同月比1.1パーセント減の30万9542トン
財務省「貿易統計」によると、2013年9月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、前年同月を1.1パーセント下回る30万9542トン(前月比5.8%減)となった(図4)。
最大の輸入先国は、米国である。9月の主要輸入先国からの輸入量を見ると、米国は27万9089トン(シェア90%)、次いでブラジル9,000トン(同3%)、アルゼンチン8,912トン(同3%)となった。2012年9月の輸入先国は米国およびブラジルの2カ国のみであったが、2013年9月の輸入先国は5カ国となり、輸入先国の分散化を図っていることがわかる。
一方、同月の1トン当たり輸入価格は、3万5250円(前年同月比27.2%高、前月比0.9%高)となった。
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