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2.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2014年4月10日

2.日本の主要輸入先国の動向

2014年4月

トウモロコシ・コーンスターチ

米 国

米国農務省(USDA)は3月10日、2013/14穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通し(3月予測)を公表した。

【需給動向】
輸出量の増加見込みを受け、期末在庫率の下方修正が続く

  2013/14穀物年度のトウモロコシ総供給量は、既に収穫が終了していることから国内生産量に変更はなく、輸入量も前月の予測値に据え置かれたことなどを受け、前月予測と同じく147億8100万ブッシェル(3億7545万トン)の見通しとなった(表2)。

 総消費量は、前月予測から2500万ブッシェル(63万5000トン)増の133億2500万ブッシェル(3億3846万トン)の見通しとなった。これは、堅調な海外需要と直近数週間の輸出ペースの増加基調を踏まえて輸出向けが上方修正されたことによるものである。

 期末在庫量は、総供給量が据え置かれた一方、総消費量が上方修正されたことを受け、前月予測から2500万ブッシェル(63万5000トン)引き下げられ、14億5600万ブッシェル(3698万トン)となった。これにより、期末在庫率は前月予測から0.2ポイント減の10.9パーセントと見込まれ、12月予測以降下方修正が続いている。

【価格動向】
堅調な輸出需要と供給増を受けて、価格帯は狭まる

  2013/14年度の生産者平均販売価格は、今後も輸出需要の堅調な推移が見込まれることから、前月予測から下値が引き上げられた。一方、供給増を背景に上値の引き下げが見込まれることから、 1ブッシェル当たり4.25〜4.75米ドル(438円 〜489円:1米ドル=103円)と予測している(表2)。

注:2月末日TTS相場
 
【貿易動向:トウモロコシ】
12月の輸出量は、前月に続き続伸

  2013年12月のトウモロコシ輸出量は、前月に続いて輸出価格が下落基調となったことを受けて、輸出需要が依然堅調であったことから、前月に比べ3.2パーセント増の364万5500トン(前年同月比164.2%増)となった(図3)。国別に見ると、メキシコ向け99万6200トン(同301.9%増)、中国向け94万7200トン(同181.3%増)、韓国向け12万4100トン(同5733.6%増)と大幅に増加したものの、日本向けは51万4000トン(同0.1%減)と減少した。輸出価格の下落を背景に韓国向け輸出量は急激に回復しており、前月に比べ3万1200トン増加し、14カ月ぶりに10万トンを超えた。

  2013年の年間輸出量は、前年比23.6パーセント減の2407万3300トンとなった。国別に見ると、中国向けが503万100トン(前年比14.9%増)と前年を上回る輸出量となったものの、メキシコ向け656万9600トン(同23.1%減)、日本向け618万7200トン(同38.3%減)、韓国向け33万400トン(同83.6%減)と大幅に減少した。

 12月の輸出(FOB)価格は、前月に比べ2.1米ドル高(前月比0.9%高)の1トン当たり227.2米ドル(2万3402円:1米ドル=103円)となったものの、前年同月比では31.7パーセント安と米国の豊作見込みなどを受けて依然安値傾向が持続している。

注:2月末日TTS相場
 
【貿易動向:コーンスターチ】
2013年の日本向け輸出量、前年比7割減

  2013年12月のコーンスターチ輸出量は、前月に比べ24.9パーセント減の8,200トンと3カ月ぶりに1万トンを割り込み、前年同月比でも19.8パーセント減と前年割れとなった(図4)。国別に見ると、ドイツ向けが870トン(前年同月比29.4%増)と大幅に増加したものの、カナダ向け2,200トン(同21.1%減)、英国向け1,300トン(同32.3%減)、メキシコ向け710トン(同35.1%減)と減少し、日本向けも290トン(同62.2%減)と大幅に減少した。

 2013年の年間輸出量は、前年比27.8パーセント減の11万5100トンとなった。国別に見ると、カナダ向け3万4800トン(前年比9.6%減)、メキシコ向け1万5400トン(同54.5%減)、英国向け1万4900トン(同13.7%減)、ドイツ向け6,800トン(同6.0%減)と減少し、日本向けも3,500トン(同73.3%減)と大幅に減少した。

  12月の輸出(FOB)価格は前月から反転し、前月に比べ33.9米ドル高(前月比5.7%高)の1トン当たり631.7米ドル(6万5065円:1米ドル=103円、前年同月比6.7%安)と600米ドル台を回復した。

注:2月末日TTS相場
 

タピオカでん粉

タ イ

【価格動向】
市場へのキャッサバ供給量は増加するも、高い需要を受けて価格は上昇

 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、2月上旬のキャッサバ入荷状況は、収穫期に入ったことで市場へのキャッサバ供給は回復傾向にあるとしている。しかし、原料の供給不足を背景にでん粉工場による引き合いが高まったことから、キャッサバ価格は上昇した。2月上旬のキャッサバ価格は、主産地の東北部および中央部では、でん粉含有率26〜28パーセントのもので1キログラム当たり2.50〜2.70バーツ(8.03〜8.67円:1バーツ=3.21円)と1月上旬と比べ上値下値共に0.20バーツ高となった。

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、3月11日現在のタピオカでん粉価格は、2月第2週に比べ0.1バーツ高の1キログラム当たり13.5バーツ(43.34円:前年同月比2.3%高)となった(図5)。輸出(FOB)価格(バンコク)は、2月第2週に比べ10米ドル高の1トン当たり440米ドル(4万5320円:1米ドル=103円、同6.4%安)となった。TTTAによると、輸出企業は、旧正月明けの中国や台湾などからの引き合いの高まりや、国内のキャッサバ価格の上昇を受けて、輸出価格を高めに設定している。

 タイ内務省は3月11日、北部と東北部を中心に国内22県を干ばつの災害地域に指定した。現地報道では、この干ばつにより北部の一部で収穫の前倒しが始まったが、芋は例年よりも小さく、今年の収量は前年割れとなる可能性もあるとしている。また、東北部の一部では、害虫によってキャッサバが枯れる被害が発生しているとしており、キャッサバの収量減少やでん粉含有率の低下は価格動向に影響を及ぼすことから、今後の干ばつの動向やキャッサバの生育状況に関心が高まっている。

注:2月末日TTS相場
 
【貿易動向】
中国向け輸出の増加などを受け、1月の輸出量は前年同月比1割増

  2014年1月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比13.8パーセント増の22万3600トンとなった(図6)。国別に見ると、インドネシア向けが6,400トン(前年同月比88.3%減)と大幅に減少したものの、中国向け11万6300トン(同65. 1%増)、台湾向け2万4400トン(同43.0%増)、マレーシア向け1万9200トン(同132.7%増)、日本向け1万4000トン(同24.0%増)と大幅に増加した。かつてタイからの主要輸出先国であったインドネシアでは雨季に入り、洪水による物流の停滞や芋の収穫作業の停滞などにより同国内でのキャッサバの市場供給量は減少している。また、キャッサバのでん粉含有率も低下していることから、減少傾向が続くインドネシア向け輸出の回復につながる期待感も出始めている。
 

ベトナム

【生産動向】
南部を中心に作付けが進み、作付面積は前年同月比7.9%増

 農業農村開発省によると、2014年2月現在のキャッサバの新規作付面積は、前年同月比7.9パーセント増の8万6134ヘクタールとなった(2月15日時点:表3)。

  2月は北部中央地域を中心とした北部全域(紅河デルタ地域、北部内陸山岳地域、北部中央地域)での天候不順などにより、北部全域では前年同月比2.6パーセントの減少となったものの、国内のでん粉生産能力が増強傾向にあることなどを背景とした堅調な国内キャッサバ需要を受けて、南東地域を中心に広く南部で作付けが進んだことから、全体では前年を上回る見込みとなった。

資料:AgroMonitor “CASSAVA & STARCH MONTHLY REPORT-February 2014”
 
【貿易動向】
輸出価格は、タイ産輸出価格の上昇を受けて連れ高

 税関総局によると、2014年1月のタピオカでん粉輸出量は前年同月比40.1パーセント減の15万3193トンとなった。12月は中国からの強い引き合いなどを受けて11カ月ぶりに20万トンを超える状況となったものの、1月は旧正月前に取引が一服したことなどから、中国向けが前年同月比37.2パーセント減の14万1700トンとなった(表4)。

 輸出(FOB)価格(ホーチミン)は、タイ産の輸出価格上昇などを背景に、1月は400〜415米ドル程度で安定的に推移していた。しかし、旧正月明けの2月以降、タイ産に歩調を合わせる形でベトナムの輸出企業が取引額を釣り上げ、3月6日現在、1トン当たり427〜435米ドル(4万3981円〜4万4805円:1米ドル=103円)となった(3月6日時点:図7)。

注:2月末日TTS相場
資料:AgroMonitor “CASSAVA & STARCH MONTHLY REPORT-February 2014”
 

ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
2013年の日本向け輸出量、前年に比べ半減

  2013年12月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比3.8パーセント増の2万2100トンとなった(図8)。国別に見ると、米国向け3,300トン(前年同月比14.7%減)、中国向け1,100トン(同46.1%減)、日本向け400トン(同76.8%減)と大幅に減少したものの、韓国向け4,300トン(同58.0%増)、メキシコ向け1,600トン(同330.0%増)、ベトナム向け1,300トン(同321.3%増)と大幅に増加した。

  2013年の年間輸出量は、前年比16.2パーセント減の25万9500トンとなった。国別に見ると、韓国向けが5万2300トン(前年比9.3%増)と増加したものの、米国向け3万5700トン(同16.4%減)、中国向け2万1100トン(同31.2%減)、日本向け8,500トン(同49.4%減)と大幅に減少した。

  12月の輸出(FOB)価格は前月に続いて上昇し、前月に比べ25.8ユーロ高(前月比4.0%高)の1トン当たり666.0ユーロ(9万3902円:1ユーロ=141円)となった。2013年9月以降、輸出量の増加に合わせて上昇を続けたFOB価格であったが、今月は輸出量が前月を下回ったものの、国際需要を背景にFOB価格は上昇傾向を維持し、2012年2月以来約2年ぶりに650ユーロを超えた。

注:2月末日TTS相場
 

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
1月の輸出(FOB)価格、6カ月ぶりに反転

  2014年1月のデキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉など」という)の輸出量は、前年同月比1.1パーセント減の7万2500トンとなった(図9)。国別に見ると、インドネシア向けが8,500トン(前年同月比17.5%増)と増加したものの、日本向け2万3500トン(同1.4%減)、中国向け1万5400トン(同11.3%減)と減少した。

  1月の輸出(FOB)価格は6カ月ぶりに反転し、前月に比べ4.7米ドル高(前月比0.7%高)の1トン当たり706.3米ドル(7万2749円:1米ドル=103円、前年同月比2.8%安)となった。

注:2月末日TTS相場
 

米 国

【貿易動向】
2013年の日本向け輸出量、前年比7.7%減

  2013年12月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比10.5パーセント減の3万2700トンとなった(図10)。国別に見ると、中国向けが2,900トン(前年同月比23.5%増)と大幅に増加したものの、カナダ向け6,300トン(同0.2%減)、日本向け4,600トン(同3.4%減)、メキシコ向け2,600トン(同18.3%減)、ドイツ向け1,800トン(同61.7%減)と大幅に減少した。

 2013年の年間輸出量は、前年比1.4パーセント増の43万9100トンとなった。国別に見ると、カナダ向け8万1300トン(前年比1.1%減)、日本向け5万2600トン(同7.7%減)、メキシコ向け3万9800トン(同5.5%減)、ドイツ向け3万7700トン(同8.8%減)と減少したものの、中国向けは3万5400トン(同29.3%増)と大幅に増加した。

  12月の輸出(FOB)価格は前月に続いて上昇し、前月に比べ26.9米ドル高(前月比2.9%高)の1トン当たり963.8米ドル(9万9275円:1米ドル=103円、前年同月比5.2%高)となった。

注:2月末日TTS相場
 

中 国

【貿易動向】
2月の日本向け輸出額、前年同月比2割安

  2014年2月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比15.4パーセント減の6,700トンとなった(図11)。国別に見ると、日本向けが2,500トン(前年同月比17.0%増)と増加したものの、韓国向けが2,500トン(同23.9%減)と大幅に減少した。

 1〜2月の輸出量は、前年同期比20.0パーセント減の1万5600トンとなった。国別に見ると、日本向け5,300トン(前年同期比15.7%減)、韓国向け5,200トン(同39.4%減)と大幅に減少した。

 2月の輸出(FOB)価格は前月から反転し、前月に比べ112.5米ドル安(前月比11.9%安)の1トン当たり834.8米ドル(8万5979円:1米ドル=103円、前年同月比3.3%安)となった。国別に見ると、日本向けFOB価格は、前月に比べ19.2米ドル安の同642.8米ドル(前年同月比19.8%安)と下落し、韓国向けFOB価格も、前月に比べ13.8米ドル安の759.2米ドルと下落したものの、前年同月比では16.8パーセント上昇した。

注:2月末日TTS相場
 

E U

【貿易動向】
2013年の日本向け輸出量、前年比1割減

 2013年12月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比2.9パーセント増の3万2500トンとなった(図12)。国別に見ると、中国向けが2,700トン(前年同月比53.4%減)と大幅に減少したものの、トルコ向け8,400トン(同38.1%増)、ロシア向け3,400トン(同6.9%増)、日本向け2,400トン(同24.2%増)と大幅に増加した。

 2013年の年間輸出量は、前年比3.4パーセント増の43万8500トンとなった。国別に見ると、中国向け5万1400トン(前年比6.1%減)、日本向け3万6300トン(同12.0%減)と減少したものの、トルコ向け9万3800トン(同2.0%増)、ロシア向け5万1100トン(同5.5%増)と増加した。

 12月の輸出(FOB)価格は前月から反転し、前月に比べ29.7ユーロ高(前月比3.2%高)の1トン当たり956.4ユーロ(13万4855円:1ユーロ=141円、前年同月比4.1%高)となった。

注:2月末日TTS相場
【貿易動向】

豪 州

【貿易動向】
1月の輸出(FOB)価格、13カ月ぶりに1,600米ドル割れ

 2014年1月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比18.3パーセント減の1,300トンと大幅に減少した(図13)。国別に見ると、日本向け780トン(前年同月比1.2%増)、中国向け50トン(同30.3%増)と増加したものの、ニュージーランド向け220トン(同32.7%減)と大幅に減少した。

 1月の輸出(FOB)価格は前月に続いて続落し、前月に比べ53.3米ドル安(前月比3.3%安)の1トン当たり1,549.1米ドル(15万9561円:1米ドル=103円、前年同月比11.8%安)と2012年12月以来13カ月ぶりに1,600米ドル台を割り込んだ。2013年1月以降、豪州の化工でん粉などの輸出量は前年割れが続いており、今後、この傾向がFOB価格にどのような影響を与えるのかに関心が高まっている。

注: 2月末日TTS相場
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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