本交換会の前半は、王子コンスターチ滑J発研究所長の砂田美和氏と且R口油屋福太郎北海道支店取締役支店長の浦田隆氏を講師として招き、講演会を開催した。
王子コンスターチ鰍フ砂田氏は、「ばれいしょでん粉の特性とその加工および利用技術について」と題し、講演を行った。
でん粉(化工でん粉)は、「とろみ」を与えるだけでなく、“ふわふわ”の食感を生み出したり、食材をつなげる結着材の役目を果たしたりするなどの機能性を持った食材であり、ありとあらゆる食品に幅広く利用されていることが紹介された。
また、工業分野における用途の一例として、紙の強度を上げる素材として利用されていることを紹介し、その中では、ばれいしょでん粉に対するニーズが高いことが示された。
最後に、砂田氏から、ばれいしょでん粉の需要拡大を図るためには、でん粉の粒子の大きさの違いで選別する「分級」をさらに普及させること、特定保健用食品や機能性食品の分野で注目を集めるばれいしょでん粉由来の食物繊維を多用途に活用することなどが提案された。
且R口油屋福太郎の浦田氏は、「小清水北陽工場での取り組みと今後の展望について」と題し、司会者とのインタビュー形式で講演を行った。
同社が小清水町に進出した経緯(注)、北海道産ばれいしょでん粉へのこだわり、「ほがじゃ」の販売戦略などが紹介された。
また、地域の人々の温かさや優しさに触れた数々のエピソードを紹介し、「地域に恩返しするためにも地元の人々を積極的に雇用していきたい」と語り、地域への貢献に意欲をみせた。
浦田氏の講演の最中に、「ほがじゃ」と、辛みを抑えたチーズ味の「ほがじゃ」(4月発売予定)の試食会も行われ、参加者からは好評を得ていた。
(注:小清水町に進出した経緯の詳細は、砂糖類・でん粉情報 2014年2月号
「 小清水町産のばれいしょでん粉を利用したせんべい製造 」を参照。)