でん粉の国内需給
最終更新日:2014年5月9日
でん粉の国内需給
2014年5月
1.需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表することとしている。2月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、以下のとおり(詳細は2014年3月号参照)。
2.輸入動向
【天然でん粉の輸入動向】
2月の天然でん粉の輸入価格は、前年同月比は上昇、前月比は下落
財務省「貿易統計」によると、2014年2月の天然でん粉の輸入量は、前年同月比1.1パーセント減の1万4632トン(前月比2.9%減)となった(図1)。その内訳をみると、タピオカでん粉が前年同月比2.3パーセント増の1万2135トン(前月比5.9%減)と前年同月を上回った一方、ばれいしょでん粉は同31.9パーセント減の901トン(同50.2%増)、その他のでん粉は同8.4パーセント減の102トン(同22.1%減)と前年同月を下回った。なお、サゴでん粉は前年同月同の1,494トン(同3.0%増)となった。
2月のタピオカでん粉、サゴでん粉の輸入先国は、共に2カ国であった。それぞれの輸入量の内訳を見ると、タピオカでん粉は、タイ1万1523トン(シェア95%)、ベトナム612トン(同5%)、サゴでん粉は、マレーシア972トン(同65%)、インドネシア522トン(同35%)であった。ばれいしょでん粉の輸入先国は3カ国で、ドイツ401トン(同45%)、オランダ400トン(同44%)、デンマーク100トン(同11%)となった。
2月の1トン当たり天然でん粉(種別)輸入価格は、タピオカでん粉が4万5236円(前年同月比6.7%高、前月比4.5%安)(図2)となり、2012年11月以降16カ月連続で前年同月を上回る水準で推移している。
サゴでん粉は6万7031円(同13.8%高、同2.5%安)、ばれいしょでん粉は9万9905円(同19.7%高、同2.0%安)となった。サゴでん粉は2013年4月以降、ばれいしょでん粉は2013年5月以降、前年同月を上回る水準で推移している。
【化工でん粉の輸入動向】
2月のでん粉誘導体の輸入量は、前年同月比10.4パーセント増加
財務省「貿易統計」によると、2014年2月の化工でん粉の輸入量は、前年同月比10.4パーセント増の3万8906トン(前月比8.2%増)となった(図3)。その内訳をみると、でん粉誘導体(HSコード3505.10−100)が3万6881トン(前年同月比12.5%増、前月比6.5%増)、デキストリン(HSコード3505.10−200)が2,025トン(前年同月比17.7%減、前月比53.0%増)となった。
でん粉誘導体の最大の輸入先国は、タイである。 2月の主要輸入先国からの輸入量は、タイ2万3668トン(シェア64%)、次いでベトナム2,682トン(同7%)、中国2,519トン(同7%)、米国2,434トン(同7%)となり、上位4カ国で輸入量の8割以上を占めている。
デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの増減が大きい。2月の主要輸入先国からの輸入量は、タイ1,039トン(シェア51%)、マレーシア209トン(同10%)、中国198トン(同10%)、ベトナム140トン(同7%)となり、上位4カ国で輸入量の8割近くを占めている。
2月の1トン当たり種別輸入価格は、でん粉誘導体が8万4300円(前年同月比8.0%高、前月比5.1%安)(図3)、デキストリンが9万1485円(前年同月比12.7%高、前月比9.6%安)となった。でん粉誘導体の価格の推移を見ると、2013年5月以降、月により上昇・下落はあるものの、高値で推移している。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
2月の1トン当たり輸入価格は、ピーク時よりも9,000円以上下落
財務省「貿易統計」によると、2014年2月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、前年同月を3.8パーセント下回る18万9722トン(前月比27.1%減)となった(図4)。
最大の輸入先国は、米国である。2月の輸入先国は2カ国で、米国18万1724トン(シェア96%)、ブラジル7,998トン(同4%)であった。
輸入価格は、2013年4月(1トン当たり3万7457円)をピークに下落が続いている(図4)。2月の1トン当たり輸入価格は、米国産の豊作見込みを受け、前年同月比、前月比ともに下落の2万8168円(前年同月比21.1%安、前月比1.9%安)となり、2013年4月よりも9,000円以上の下落となった。
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