でん粉の国内需給
最終更新日:2014年10月10日
でん粉の国内需給
2014年10月
1.需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、以下のとおり(詳細は
2014年8月号参照)。
2. 輸入動向
【天然でん粉の輸入動向】
7月の天然でん粉の輸入量は、前年同月比減、前月比増
財務省「貿易統計」によると、2014年7月の天然でん粉の輸入量は、1万3683トン(前年同月比9.7%減、前月比1.9%増)となった(図1)。品目別の輸入量は、以下のとおりであった。
タピオカでん粉 1万1231トン (前年同月比4.5%減、前月比6.9%減)
サゴでん粉 1350トン (同21.4%減、同1.0%増)
ばれいしょでん粉 921トン (同39.3%減、前月の380倍)
その他のでん粉 181トン (同9.3%増、前月の10倍)
品目別、国別の輸入量は以下のとおりであった。
タピオカでん粉
タイ 1万652トン(シェア95%)
ミャンマー 408トン(同4%)
ベトナム 171トン(同1%)
サゴでん粉
マレーシア 1080トン(同80%)
インドネシア 270トン(同20%)
ばれいしょでん粉
オランダ 401トン(同44%)
ドイツ 400トン(同43%)
デンマーク 120トン(同13%)
2014年1〜7月の品目別の輸入量は以下のとおりであり、タピオカでん粉およびサゴでん粉は前年同期を上回った一方、ばれいしょでん粉およびその他のでん粉は下回った。
タピオカでん粉 8万2439トン (前年同期比9.7%増)
サゴでん粉 1万41トン (同12.5%増)
ばれいしょでん粉 4605トン (同52.9%減)
その他のでん粉 720トン (同29.6%減)
2014年7月の品目別の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図2)。
タピオカでん粉 4万6263円 (前年同月比4.6%安、前月比0.1%安)
サゴでん粉 6万6324円 (同6.3%高、同2.0%安)
ばれいしょでん粉 9万5397円 (同3.0%高、前月比は略)
タピオカでん粉の輸入価格は、1トン当たり4万円台と、依然高い水準で推移しているものの、2014年5月以降3カ月連続で前年同月を下回った。サゴでん粉は、2014年4月に13カ月ぶりに前年同月を下回ったものの、5月以降3カ月連続で前年同月を上回った。
【化工でん粉の輸入動向】
7月の化工でん粉輸入量は、前年同月および前月を下回る
財務省「貿易統計」によると、2014年7月の化工でん粉の輸入量は、4万2986トン(前年同月比7.4%減、前月比8.4%減)となった(図3)。品目別の輸入量は、以下のとおりであった。
でん粉誘導体 4万1917トン (前年同月比7.2%減、前月比8.2%減)
デキストリン 1069トン (同16.4%減、同17.6%減)
でん粉誘導体の最大の輸入先国は、タイである。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位4カ国で輸入量の9割近くを占めている。
タイ 2万8820トン(シェア69%)
ベトナム 3583トン(同9%)
中国 2123トン(同5%)
米国 1703トン(同4%)
デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの増減が大きい。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位4カ国で輸入量の7割近くを占めている。
タイ 292トン(シェア27%)
ベトナム 236トン(同22%)
米国 110トン(同10%)
フランス 100トン(同9%)
2014年1〜7月の品目別の輸入量は以下のとおりであり、でん粉誘導体およびデキストリンともに前年同期を下回った。
でん粉誘導体 28万64トン (前年同期比2.0%減)
デキストリン 9374トン (同20.5%減)
7月の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図3)。
でん粉誘導体 8万529円 (前年同月比4.4%安、前月比3.8%高)
デキストリン 11万6844円 (同27.1%高、同20.1%高)
でん粉誘導体の輸入価格は、2013年5月以降、月により上昇・下落はあるものの、1トン当たり8万円台と高値で推移していた。2014年4月は12カ月ぶりに同7万円台まで下落し、5月以降は同8万円台、同7万円台と変動しながら推移している。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
輸入価格は、3カ月連続で前月を上回る
財務省「貿易統計」によると、2014年7月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、30万6469トン(前年同月比9.3%増、前月比13.2%増)(図4)となり、輸入先国は5カ月連続で米国のみとなった。
2014年1〜7月の輸入量は195万7802トン(前年同期比6.4%増)となり、前年同期を上回った。
7月の1トン当たり輸入価格は、3万28円(前年同月比14.0%安、前月比1.4%高)となった。輸入価格は、2013年4月をピークに下落が続いていたが、8カ月ぶりに前月を上回った2014年5月以降、3カ月連続で前月を上回って推移している。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713