でん粉の国内需給
最終更新日:2014年11月10日
でん粉の国内需給
2014年11月
1.需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、以下のとおり(詳細は
2014年8月号参照)。
2. 輸入動向
【天然でん粉の輸入動向】
8月の天然でん粉の輸入量は、前年同月および前月を上回る
財務省「貿易統計」によると、2014年8月の天然でん粉の輸入量は、1万6562トン(前年同月比38.3%増、前月比21.0%増)となった(図1)。品目別の輸入量は、以下のとおりであり、タピオカでん粉およびばれいしょでん粉は前年同月および前月を上回った。
タピオカでん粉 1万3210トン (前年同月比48.2%増、前月比17.6%増)
サゴでん粉 1356トン (同8.1%減、同0.4%増)
ばれいしょでん粉 1860トン (同28.1%増、同102.0%増)
その他のでん粉 137トン (同1.7%増、同24.5%減)
品目別の国別の輸入量は以下のとおりであった。
タピオカでん粉
タイ 1万2935トン(シェア98%)
ミャンマー 204トン(同2%)
ベトナム 68トン(同0%)
台湾 3トン(同0%)
サゴでん粉
マレーシア 1212トン(同89%)
インドネシア 144トン(同11%)
ばれいしょでん粉
ドイツ 800トン(同43%)
オランダ 700トン(同38%)
デンマーク 360トン(同19%)
2014年8月の品目別の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図2)。
タピオカでん粉 4万4421円 (前年同月比10.9%安、前月比4.0%安)
サゴでん粉 6万6105円 (同2.5%高、同0.3%安)
ばれいしょでん粉 9万4140円 (前年同月同、同1.3%安)
タピオカでん粉の輸入価格は、1トン当たり4万円台と、依然高い水準で推移しているものの、5月以降4カ月連続で前年同月を下回った。サゴでん粉は、5月以降4カ月連続で前年同月を上回った。ばれいしょでん粉は、2013年11月以降、2014年2月を除き1トン当たり10〜11万円台で推移していたが、2014年7月以降2カ月連続で同9万円台となった。
【化工でん粉の輸入動向】
8月の化工でん粉の輸入量は、前年同月および前月を下回る
財務省「貿易統計」によると、2014年8月の化工でん粉の輸入量は、3万3708トン(前年同月比31.0%減、前月比21.6%減)となった(図3)。品目別の輸入量は、以下のとおりであった。
でん粉誘導体 3万2600トン (前年同月比31.8%減、前月比22.2%減)
デキストリン 1108トン (同0.6%増、同3.7%増)
でん粉誘導体の最大の輸入先国は、タイである。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位3カ国で輸入量の8割以上を占めている。
タイ 2万4065ン(シェア74%)
ベトナム 2349トン(同7%)
米国 1284トン(同4%)
デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの増減が大きい。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位3カ国で輸入量の8割を占めている。
タイ 613トン(同55%)
ベトナム 184トン(同17%)
中国 92トン(同8%)
8月の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図3)。
でん粉誘導体 8万1374円 (前年同月比1.4%安、前月比1.0%高)
デキストリン 9万2201円 (同16.9%安、同21.1%安)
でん粉誘導体の輸入価格は、2013年5月以降、月により上昇・下落はあるものの、1トン当たり8万円台と高値で推移していた。2014年4月に12カ月ぶりに同7万円台まで下落した以降は、同8万円台、同7万円台と変動しながら推移しており、7月および8月は同8万円台となった。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
8月の輸入価格は、前年同月および前月を下回る
財務省「貿易統計」によると、2014年8月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、27万9415トン(前年同月比15.1%減、前月比8.8%減)(図4)となり、輸入先国は6カ月連続で米国のみとなった。
8月の1トン当たり輸入価格は、2万9284円(前年同月比16.2%安、前月比2.5%安)となった。輸入価格は、5月以降前月を上回って推移していたが、8月は4カ月ぶりに前月を下回った。
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