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2.日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2014年12月10日

2.日本の品目別主要輸入先国の動向

2014年12月

 本文中の日本円換算に用いた為替レートは10月末日TTS相場の値であり、1米ドル=110.34円、1タイバーツ=3.44円、1ユーロ=139.30円である。

トウモロコシ・コーンスターチ

米国

 米国農務省(USDA)が11月10日に公表した「2014/15穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通し(11月予測)」によるトウモロコシの需給動向などは次のとおり。

【需給動向】
単収は前月より下方修正するも、大豊作の予測は変わらず

 2014/15穀物年度のトウモロコシの総供給量は、前月予測より6800万ブッシェル減の156億6800万ブッシェル(3億9797万トン、前年度比6.0%増)となった。これは、降雨による収穫の遅れの懸念から単収が前月予測より1エーカー当たり0.8ブッシェル減の173.4ブッシェルとなったことによるが、引き続き記録的な大豊作の予測は変わっていない。

 一方、消費については、ソルガムに代わりトウモロコシのエタノール仕向けが増加するとの予測から上方修正され、前月予測を500万ブッシェル上回る136億6000万ブッシェル(3億4696万トン、同0.4%増)となった。また、期末在庫量は20億800万ブッシェル(5100万トン、同70.0%増)としている(表2)。

【価格動向】
前月予測から下値および上値ともに上方修正

 2014/15穀物年度のトウモロコシ生産者平均販売価格は、生産量の下方修正などから、これまでの予想より需給が引き締まるとの見込みから、下値、上値ともにそれぞれ10セント引き上げられ、1ブッシェル当たり3.20〜3.80米ドル(353円〜419円)としている(表2)。
 
【貿易動向:トウモロコシ】
8月の輸出量は、前月に比べかなり減少

 2014年8月のトウモロコシ輸出量は425万8448トンとなり、5月以降、4カ月連続して前月を下回った。米国産トウモロコシの割安感を受けて輸出量は2013年後半から急増していたが、輸出の増加幅が大きかったことから一服感が出てきたもようとなっている(図3−1、図3−2)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

日本 101万1049トン (前年同月比76.2%増、前月比22.6%減)
メキシコ 96万6968トン (同81.8%増、同16.2%増)
韓国 83万6139トン (同224倍、同9.9%増)
中国 1万6160トン (同10倍、同32.1%増)

 また、同年1〜8月の輸出量は、前年同期比213.6%増の3628万417トンとなった。同期間の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

日本 955万4630トン(前年同期比123.1%増)
メキシコ 702万2359トン(同126.0%増)
韓国 407万7661トン(同38倍)
中国 19万2335トン(同82.8%減)

 中国は、昨年11月以来、一部の米国産トウモロコシの輸入を認めていないことから、同国向け輸出量は大幅に減少した。

 なお、同年8月の輸出価格(FAS)は、前月に比べ17.7米ドル安(前月比8.1%安)の1トン当たり200.12米ドル(2万2081円、前年同月比30.0%安)と、引き続き低水準で推移している。
 
【貿易動向:コーンスターチ】
8月の輸出量は、前年および前月を下回る

 2014年8月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比23.8%減の6757トンとなった(図4)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

カナダ 2768トン (前年同月比7.9%減、前月比0.8%増)
メキシコ 554トン (同58.2%減、同35.7%減)
ドイツ 328トン (同49.4%減、同4倍)
日本 212トン (前年同月同、同21倍)
英国 117トン (同84.1%減、同9.3%減)

 また、同年1〜8月の輸出量では、前年同期比21.2%減の6万1073トンとなった。同期間の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

カナダ 1万9634トン(前年同期比18.2%減)
メキシコ 6538トン(同40.0%減)
ドイツ 4451トン(同1.9%減)
英国 4059トン(同62.6%減)
日本 1194トン(同55.1%減)

 なお、同年8月の中西部市場のコーンスターチ価格は、前月に比べ0.3セント安(前月比6.4%安)の1ポンド当たり4.78セント(5.3円、前年同月比60.4%安)となっている。コーンスターチ価格は、原料であるトウモロコシ価格の安値を受けて昨年7月以降大幅に下落し、低水準で推移している。
 

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
キャッサバの市場入荷量は増加傾向にあるものの不足状態

 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、10月末現在、でん粉含有量の回復はみられるものの、コメの収穫開始によりキャッサバの収穫に遅れがみられることなどにより、キャッサバの供給が需要に追い付いていない状況となっている。

 現地報道によると、キャッサバ農家連盟は、現在、生産コストが昨年より上昇しているにもかかわらず、今般の国際市場でのトウモロコシ価格の下落によりコーンスターチの競争力が高まっているため、キャッサバの売値が低下し利益が減っているとして、1ライ(0.16ヘクタール)当たり1800バーツ(6192円)の農家支援を要求している。タイ経済にとってキャッサバはコメと同様に重要な作物であるにもかかわらず、コメ農家には支援金が支給されるがキャッサバ農家には支援がないと主張している。

【価格動向】
国内価格、輸出価格ともに前月並みで推移

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2014年11月第2週のタピオカでん粉の国内価格は1キログラム当たり13.5バーツ(46.44円、前年同月比同)、輸出価格(FOB・バンコク)は1トン当たり445米ドル(4万9101円、同2.2%安)と前月並みで推移している(図5)。

 現地報道によると、現在、キャッサバ価格は上昇傾向にあるが、これは、キャッサバの生産が需要に追い付いていないことに加え、政府の備蓄がないことによるもので、流通量が増加する1〜3月には、価格が低下する可能性があるとみられる。
 
【貿易動向】
輸出量は前年同月比、大幅増

 2014年9月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比41.2%増の31万9325トンとなった(図6)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

中国 18万5822トン (前年同月比34.0%増、前月比42.2%増)
インドネシア 3万7959トン (同133.6%増、同48.9%減)
マレーシア 2万6312トン (同161.3%増、同30.6%増)
台湾 2万6025トン (同12.5%増、同38.2%増)
日本 6415トン (同53.9%減、同54.5%減)

 また、同年1〜9月の輸出量は、前年同期比30.8%増の216万3983トンとなった。同期間の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

中国 111万2056トン(前年同期比53.0%増)
インドネシア 23万5695トン(同13.2%増)
台湾 22万1254トン(同11.0%増)
マレーシア 17万1599トン(同19.7%増)
日本 10万6599トン(同16.3%増)
 

ベトナム

【生産動向】
タイニン省のキャッサバ作付面積は前年比3割増

 ベトナム農業農村開発省によると、2014年10月現在のキャッサバの作付面積は、前年同月比3.8%増の50万955ヘクタールとなった(表3)。前年同月と比べて、北部では0.8%減、南部では6.3%増となっている。

 南部では、国内キャッサバ価格の上昇を受けて農家の作付意欲が高まったことなどから、作付面積が拡大傾向にある。特にタイニン省(南東地域)では、天然ゴムやサトウキビよりもキャッサバ価格が高いことで、今年度のキャッサバの生産面積が昨年度に比べ30〜40%増加するとみられている。しかし、キャッサバは主に低地での作付が多いことから、洪水被害などを受けることが多々ある。このため、今年度のキャッサバ収穫量は、作付面積ほど増えることはないだろうとの見方も強い。
 
【貿易動向】
中国向け輸出量は前年同月比3割増

 税関総局によると、2014年9月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比32.3%増の14万5190トンとなった(図7)。これは、中国向けが同29.4%増の13万1756トンとなったことが要因であり、中国の旺盛な需要がうかがえる。

 また、同月の輸出価格(FOB・ホーチミン)は、1トン当たり425〜435米ドル(4万6895円〜4万7998円)と、タイ産との価格競争により低迷している。

 なお、同月のキャッサバチップ輸出量は、同72.2%増の6万8144トンとなり、国別に見ると、中国向け4万1159トン、韓国向け2万6985トンであり、6割を中国向けで占めている。
 

ばれいしょでん粉

E U

【生産動向】
2015年以降の特定作物支援は、いまだ決まらず

 EUのでん粉原料用ばれいしょ生産者への補助金は、共通農業政策の改革により2012年に単一直接支払制度に統合され、耕作面積を基準とした農家支援策に代わっているが、2013年に決定された直接支払い規則によって2015年以降、再び任意の特定作物支援(Coupled Support)(注)を選択することが可能となっている。現在のところ、どの国がでん粉原料用ばれいしょを特定作物として支援するかは不明であるが、フィンランドの農業相がでん粉原料用ばれいしょに対して特定作物支援を行う意思を表明している。しかし、業界団体である欧州でん粉協会は、この支援を採用する国としない国が出現すると、EU内の競争関係にゆがみが生じる恐れがあると懸念を表明している。

(注)「特定作物支援(Coupled Support)は、経済的、社会的または環境的な理由から特に重要で、かつ一定の困難に直面している特定の農業分野または地域に限り、再生産を維持するための必要最小限に限って供与される」としている。

【貿易動向】
輸出量は前年同月比2割減

 2014年7月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比19.8%減の1万9263トンとなった(図8)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

韓国 4240トン (前年同月比15.1%減、前月比3.3%増)
米国 1866トン (同7.2%減、同50.8%減)
日本 1115トン (同31.0%減、同55.3%増)
中国 900トン (同79.0%減、同150.0%増)

 2013年9月以降、需要の高まりにより上昇した輸出価格(FOB)は、2014年7月は1トン当たり679ユーロ(9万4646円)と前月を16.9ユーロ下回っている。
 

〜デンマークのでん粉原料用ばれいしょ生産の現状〜
 

 デンマークでは、毎年およそ4万ヘクタールでばれいしょが栽培されており、その半分ほどがでん粉原料用ばれいしょの栽培に充てられている。生食用ばれいしょおよび種芋用ばれいしょの作付面積に増加が見られない中、でん粉原料用ばれいしょの作付面積は過去5年間で約3割増加している。


 デンマークのでん粉原料用ばれいしょ生産量は、年間およそ95万トンとなっている。2012年は、春は適度な降雨があり秋は気温の高い日が長く続くなど、でん粉原料用ばれいしょの栽培にとって適した気候に恵まれたことから単収が高くなった。2013年は平年並みの気候となり、単収が前年比で低下したことから生産量の減少が見られた。 


 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(HSコード:350510)の、主要輸出国の主要仕向け先別輸出量および輸出価格は以下のとおり。なお、データは「Global Trade Atlas」の出典である。

タイ

【貿易動向】
9月の輸出量は、前年同月を大幅に上回る

 2014年9月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比18.0%増の8万7718トンとなった(図9)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

日本 3万595トン (前年同月比1.0%減、前月比32.6%増)
中国 2万265トン (同36.6%増、同0.3%減)
インドネシア 7744トン (同12.5%増、同3.4%増)
 

米国

【貿易動向】
8月の輸出量は、日本が大幅増の一方、前月の反動からかメキシコ向けなどが大幅減

 2014年8月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比3.3%増の3万8550トンとなった(図10)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

カナダ 7610トン (前年同月比10.2%増、前月比16.9%増)
ドイツ 4209トン (同12.8%増、同33.9%増)
日本 4076トン (同16.8%増、同108.3%増)
メキシコ 3328トン (同16.2%減、同30.6%減)
 

中国

【貿易動向】
7月以降、輸出量は3カ月連続で6千トンを下回る低水準で推移

 2014年9月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比40.8%減の5916トンとなった(図11)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

日本 2239トン (前年同月比18.2%減、前月比311.6%増)
韓国 2067トン (同53.1%減、同24.4%増)
 

EU

【貿易動向】
日本向け輸出量は前年同月に比べ大幅に減少

 2014年7月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比6.5%減の3万8606トンとなった(図12)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

トルコ 9275トン (前年同月比10.9%増、前月比7.2%減)
ロシア 4472トン (同12.8%減、同20.5%増)
中国 4234トン (同19.9%増、同4.9%増)
日本 2232トン (同43.1%減、同22.5%減)
 

豪州

【貿易動向】
9月の輸出量は前月比3割増の一方、中国向けの輸出なし

 2014年9月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比1.2%減の1621トンとなった(図13)。同月の輸出先国別の輸出量は、次のとおり。

日本 919トン (前年同月比9.7%減、前月比66.8%増)
ニュージーランド 214トン (同3.9%増、同10.3%増)
台湾 162トン (同 全増、同28.6%増)
 
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