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平成26年産でん粉原料用いも交付金の交付実績などについて

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最終更新日:2015年6月10日

平成26年産でん粉原料用いも交付金の交付実績などについて

2015年6月

特産業務部でん粉原料課

はじめに

 当機構では「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、でん粉原料用かんしょの生産者に対し、その生産コストのうち、かんしょでん粉の原料代としてでん粉製造事業者から生産者に支払われる額では賄えない部分について、経営安定対策としてでん粉原料用いも交付金(以下「交付金」という。)を交付している。

 本稿では、平成26年産の交付金の交付実績などについて、その概要を報告する。

1. 交付金の交付実績

 26年産のでん粉原料用かんしょの生産量は、収穫面積の減少に加え、4月以降の低温の影響から植え付け用の苗立ちが悪く、植え付け作業が遅れ、その後も気温が低かったため、いもの肥大が緩慢で小さいものが多かったことなどにより、減少した。

 このことから、同年産の交付金の交付決定数量は、前年産と比べて8.3%減少の12万4547トンとなった。また、交付金の交付決定額は、前年産と比べて8.3%減少の32億3803万5000円となった(表1)。
 

2. 交付金の交付決定者数および交付対象収穫面積

 (1)26年産交付金の交付決定者数は、前年産実績(5925人)と比べて3.9%減少の5691人となった(表2)。

 交付金の交付決定者数は、ここ数年、毎年、前年産と比べ1割程度減少してきているが、26年産は、前年産実績と比べて3.9%の減少にとどまっている。
 
 (2)26年産交付金の交付対象収穫面積は、前年産実績と比べて1.8%減少の5252ヘクタールとなった(表3)。
 交付決定者1人当たりの収穫面積は92アールで、前年産実績(90アール)と同程度となっているが、制度が開始した19年産(63アール)と比べると大幅に増加している。
 

3. 収穫面積規模別の交付決定者数および交付対象収穫面積

 (1)26年産交付金の収穫面積規模別の交付決定者数は、収穫面積が0.5ヘクタール未満の生産者が1947人で全体(5691人)の34.2%、1ヘクタール以上の生産者が1579人で全体の27.7%となっている(表4)。

 19年産と比べると、0.5ヘクタール未満の生産者が全体に占める割合は53.2%から34.2%へと大幅に減少しているのに対し、1ヘクタール以上の生産者は17.9%から27.7%へとかなりの程度増加している。
 
 (2)26年産交付金の交付対象収穫面積5252ヘクタールのうち、収穫面積が0.5ヘクタール未満の生産者の収穫面積の合計は、410ヘクタールで全体の7.8%、収穫面積が1ヘクタール以上の生産者の収穫面積の合計は、3408ヘクタールで全体の64.9%となっている(表5)。

 19年産と比べると、0.5ヘクタール未満の生産者の収穫面積の合計が全体に占める割合は、16.8%から7.8%へとかなりの程度減少しているのに対し、1ヘクタール以上の生産者の収穫面積の合計が全体に占める割合は、52.4%から64.9%へとかなり大きく増加している。
 

4. 要件区分別の交付決定者数および交付対象収穫面積

 対象者要件の区分は、以下の通りである。

B−1:認定農業者、特定農業団体、または、これと同様の要件を満たす組織
B−2:収穫面積の合計が0.5ヘクタール以上である対象生産者(法人を含む)、または、収穫面積の合計が3.5ヘクタール以上である協業組織
B−3:基幹作業(育苗、耕起・整地、畝立て・マルチ、植え付け、防除)の面積の合計が3.5ヘクタール以上である共同利用組織の構成員または組合員
B−4:B−1、B−2の生産者または基幹作業面積の合計が3.5ヘクタール以上である受託組織、サービス事業体などに基幹作業を委託している者

 (1)26年産交付金の要件区分別の交付決定者数は、B−1が752人で全体の13.2%、B−2が3965人で全体の69.7%、B−3が168人で全体の3.0%、B−4が806人で全体の14.2%となっている。

 全体に占める割合を前年産実績と比べると、B−1が0.5ポイントの増加、B−2が0.2ポイントの増加である一方で、B−3が0.3ポイントの減少、B−4が0.4ポイントの減少となっている(表6)。

 また、現在の要件区分となった22年産と比べると、B−1が12.1%から13.2%、B−2が66.7%から69.7%へと増加している一方で、B−3が3.5%から3.0%、B−4が17.7%から14.2%へと減少している。

 (2)26年産交付金の要件区分別の交付対象収穫面積は、B−1が972ヘクタールで全体の18.5%、B−2が4031ヘクタールで全体の76.8%、B−3が35ヘクタールで全体の0.7%、B−4が214ヘクタールで全体の4.1%となっており、B−1とB−2を合わせると全体の約95%を占めている。
 

5. 年代別の交付決定者数

 26年産交付金の交付決定者数を年代別にみると、40代以下が625人で全体の11.0%、50代が1120人で全体の19.7%、60代が1500人で全体の26.4%、70代が1610人で全体の28.3%、80代以上が734人で、全体の12.9%となっている(表7)。

 前年産実績と比べると、40代以下が0.3ポイントの減少、50代が0.1ポイントの増加、60代が1.4ポイントの増加、70代が2.1ポイントの減少、80代以上が0.9ポイントの増加となっている。

 26年産の法人数は前年産実績と同じとなっており、19年産の46者から102者と大幅に増加している。
 

おわりに

 でん粉原料用かんしょについては、高齢化などによる生産者数および収穫面積の減少に伴い生産量も減少傾向にあるが、生産回復に向けて、JA、製造事業者、市町村、県などの関係機関・団体においては、健苗育成、土づくり、適期植え付けなど、かんしょ栽培に係る基本的技術の励行を啓発し、単収向上に向けた取り組みを行っている。

 当機構としても、でん粉原料用かんしょの生産者およびかんしょでん粉製造事業者の皆さまの経営が安定するよう、制度の円滑な実施に努めてまいります。

 なお、19年産から26年産までの統計資料を当機構HPにて公表しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713