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でん粉の国内需給

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最終更新日:2015年11月10日

でん粉の国内需給

2015年11月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は2015年8月号参照)。
 

2. 輸入動向

【天然でん粉の輸入動向】
8月の輸入量は前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年8月の天然でん粉の輸入量は、1万5942トン(前年同月比3.7%減、前月比20.4%増)と、前月から大幅に増加した(図1)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった。

タピオカでん粉 1万2307トン (前年同月比6.8%減、前月比5.5%増)
サゴでん粉 1916トン (同41.3%増、同82.0%増)
ばれいしょでん粉 1566トン (同15.8%減、同3.9倍増)
その他のでん粉 153トン (同11.5%増、同21.1%増)

 品目別の国別の輸入量は次の通りであった。

タピオカでん粉
 タイ 1万1455トン (シェア93.1%)
 ミャンマー 612トン (同5.0%)
 ベトナム 238トン (同1.9%)
 台湾 2トン (同0.0%)

サゴでん粉
 マレーシア 1412トン (同73.7%)
 インドネシア 504トン (同26.3%)

ばれいしょでん粉
 オランダ 800トン (同51.1%)
 デンマーク 392トン (同25.0%)
 ドイツ 374トン (同23.9%)
 
 2015年8月の品目別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった(図2)。タピオカでん粉の輸入価格は、直近1年間で最高となる5万4000円台となった。

タピオカでん粉 5万4031円 (前年同月比21.6%高、前月比0.7%高)
サゴでん粉 7万9213円 (同19.8%高、同0.8%高)
ばれいしょでん粉 8万8587円 (同5.9%安、同4.4%高)
 
【化工でん粉の輸入動向】
8月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年8月の化工でん粉の輸入量は、4万1108トン(前年同月比22.0%増、前月比0.3%増)となった(図3)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった。

でん粉誘導体 3万9500トン (前年同月比21.2%増、前月比0.5%増)
デキストリン 1609トン (同45.1%増、同5.5%減)

 でん粉誘導体の輸入先国は18カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の6割以上を占めており、その他の国はいずれも10%未満となっている。

タイ 2万 5069トン (シェア63.5%)
米国 3681トン (同9.3%)
ベトナム 2378トン (同6.0%)
ドイツ 2207トン (同5.6%)
フランス 1519トン (同3.8%)

 デキストリンの輸入先国は11カ国で、デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の5割弱を占めている。

タイ 779トン (同48.4%)
中国 240トン (同14.9%)
ベトナム 231トン (同 14.3%)
マレーシア 114トン (同 7.1%)
フランス 73トン (同 4.5%)

 でん粉誘導体の輸入価格は、前月からわずかに下落したものの、4カ月連続で1トン当たり9万円を超える高水準となった。
 8月の1トン当たり輸入価格は、次の通りであった。

でん粉誘導体 9万4608円 (前年同月比16.3%高、前月比1.0%安)
デキストリン 10万2826円 (同11.5%高、同15.2%安)
 
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
8月の輸入量は前年同月および前月からかなり減少

 財務省「貿易統計」によると、2015年8月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、25万5213トン(前年同月比9.7%減、前月比7.0%減)となり、前年同月および前月からかなり減少した(図4)。1トン当たりの輸入価格は、2万6250円(同10.5%安、同2.3%安)となった。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713