ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 2. 日本の品目別主要輸入先国の動向
最終更新日:2015年12月10日
コラム オーストリアにおけるばれいしょでん粉の需給動向 EUにおけるばれいしょでん粉の生産は、主要生産4カ国(ドイツ、オランダ、デンマーク、フランス)が8割近くを、残り2割を6カ国(ポーランド、フィンランド、オーストリア、スウェーデン、チェコ共和国、ラトビア共和国)が占めている。今回は、そのうちのオーストリアを取り上げる。 2015年のオーストリアのでん粉原料用ばれいしょの栽培面積は4766ヘクタールであり、そのうちの93%はニーダーエスターライヒ州、残り7%がオーバーエスターライヒ州で栽培されている。2012年のCAP改革を境に栽培面積は約2割減少しているが、単収の向上により2014年の生産量は前年比50.1%増の24万トンを記録している(コラム−図1)。 オーストリアでばれいしょでん粉を製造している企業はAGRANA Stärke社(注1)の1社のみであり、ニーダーエスターライヒ州のチェコ共和国との国境沿いのグミュント郡にある1工場において製造している。2014/15年度は約4万8000トンのばれいしょでん粉を製造しており、うち3%は有機ばれいしょでん粉が占めるなど有機先進国(注2)としての特徴が見られている。 でん粉原料用ばれいしょの用途別仕向け量を見ると、食品分野向けは毎年7万トン前後で安定して推移している一方、工業分野向けは年による変動が見られ、景気や価格などによる影響が大きいと推察される(コラム−図2)。 (注1)ばれいしょでん粉の他、コーンスターチやバイオエタノールを製造。 (注2)オーストリアは農地面積のうち有機農業用面積が約20%を占め、EU加盟国の中でトップに位置する。
|