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砂糖の国際需給・価格動向

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最終更新日:2010年11月9日

砂糖の国際需給・価格動向

11月8日、本年1月の水準を超える31.88セント

 世界的に輸入需要が堅調に推移し、在庫が低水準となる中、世界最大の粗糖の供給国であるブラジルでの港湾設備の能力不足による輸出遅延等や各生産国での天候不順などにより、砂糖の国際価格は上昇し、11月4日のニューヨーク粗糖相場期近価格は、29年ぶりの高値となった本年1月31日の29.90セントを超え、31.66セントとなった。11月5日には31.76セント、8日は31.88セントと続伸した。

現物価格も上昇基調

 このようななか、現物価格も上昇基調で推移しており、11月8日には39.14セントをつけた。これはタイが製糖期前であり、アジアにおける足元の砂糖需給がひっ迫していることを反映したものとみられる。

天候不順により2010/11年度の生産量は当初見込みより下方修正

 2010/11年度(10月〜9月)の生産については、世界最大の砂糖消費国であるインドは、収穫面積の増加とモンスーン期の降雨などにより前年度から大幅に増産となる見通し。
 
 しかしながら、インドが輸出へどの程度回せるのか不透明である。また、インドネシアは生育期の乾燥気候と収穫期の降雨、パキスタンは深刻な洪水、ロシア、タイ、南アフリカは干ばつに見舞われるなど、多くの砂糖生産国が天候不順の影響を受けているため、当初の見込みより生産は伸びない見込み。

国内精製糖会社は原料コストが高騰へ

 以上のように、最近のニューヨーク市場の期近及び現物価格の高騰に伴い、今後、国内精製糖会社は原料の調達コストが上昇することが予想される。また、今後の為替相場や運賃コストの動向等、さらにはアメリカの金融緩和を受けたファンド筋の動向を考慮する必要もあるが、製品への価格の転嫁が注目されるところである。

調整金単価への影響

 このようなニューヨーク市場の動向を受け、平成23年の1月〜3月期の平均輸入価格(9月24日〜12月22日までの90日間)が上昇すると調整金にも影響が出てくると見込まれる。
 
 
詳細は下のPDFをご参照ください。
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 なお、当機構発行の情報誌「砂糖類情報」では、このような国際砂糖需給および価格の動向について、主要生産国の生産動向などを踏まえ、毎月詳しく解説しております。
 
 
 さらに詳しい内容は、以下の当機構ホームページをご覧ください。
 
 ○砂糖の国際需給およびニューヨーク市場の動き(毎月更新)
 
 ○国際需給に影響が大きい諸国等に係る調査報告
  ブラジル          インド
  
 
 また、以下の当機構ホームページにおいて、直近の砂糖の国際市場の価格をリアルタイムで毎月掲載しております。
 
 ○砂糖の現物・先物・白糖国際価格(毎日更新)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:脇谷)
Tel:03-3583-9272
特産調整部 (担当:廣垣)
Tel:03-3583-8394