【生産動向】
11月の作付面積は前年同月と同水準
ベトナムの調査会社AgroMonitorによると、2017年11月のキャッサバの作付面積は、50万2253ヘクタール(前年同月比0.2%減、前月比5.3%増)と前月からはやや増加し、前年同月と同水準となった(
表3)。北部では、作付けを終えているため、前月から横ばいとなった一方、南部では、主産地である南東地域でタイニン省などを中心に前作の収穫が終わり、農家は新たに作付けを開始したことなどから、前月を大幅に上回った。
同月のキャッサバの供給動向を見ると、北部では、収穫期であったことに加え、天候に恵まれたこともあり、加工工場への供給量は十分であり、品質も良かった。現地トレーダーによると、中国からのキャッサバおよびタピオカチップの需要が高いため、前年に比べ1カ月程度早く収穫を終えると見込まれている。
一方南部のタイニン省では、モザイク病に感染し、キャッサバを除去した地域があることに加え、長雨により大量のキャッサバが腐ったことにより、今期の収穫量は前年と比べて40%以上減少すると見込まれているため、同省におけるキャッサバ供給量は落ち込むとみられる。このため同省のでん粉工場はカンボジアや中央高原地域からもキャッサバを調達すると見込まれている。カンボジアでは、今期のキャッサバ収穫量が多いが、ベトナム向けキャッサバ価格が前年と比べて約50%高いことから、農家はタピオカチップではなく、キャッサバ(いも)を販売する傾向にある。