【生産動向】
12月の作付面積は前年同月からかなり減少
ベトナムの調査会社AgroMonitorによると、2017年12月のキャッサバの作付面積は、53万4289ヘクタール(前年同月比6.0%減)と前年同月をかなり下回った(
表3)。キャッサバ価格の低迷により、生産者が収益性に勝る作物へ転作していることに加え、モザイク病が拡大していることなどにより、すべての地域で前年同月を下回った。
同月のキャッサバの供給動向を見ると、北部では、収穫期のピークだったことに加え、天候に恵まれたこともあり、加工工場への供給量は十分であり、品質も良かった。現地トレーダーによると、中国からのエタノール向けの需要が高いことなどから、前年に比べ早く収穫を終えると見込まれている。
一方、南部のタイニン省では、キャッサバの収穫はほとんど終わっているため、でん粉工場は主にカンボジアからの輸入に頼っている。しかし、カンボジアも、ベトナム北部同様、大豆など収益性に勝る作物への転作が進んでおり、収穫面積は、前年を20%以上下回ると見込まれている。その結果、カンボジアの収穫期は例年よりも早く終わり、カンボジアからの輸入は、3月後半にはほとんどなくなると見込まれている。このため、同省のでん粉工場は、当分の間、今後原料の集荷量が減って、操業が難しくなると見込まれている。