ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 2. 日本の品目別主要輸入先国の動向
最終更新日:2018年9月10日
コラム ドイツにおけるばれいしょでん粉の製造業者の動向EU最大のでん粉原料用のばれいしょ作付面積およびばれいしょでん粉生産量を誇るドイツだが、いずれも減少傾向にある(表)。でん粉原料用ばれいしょは、EUの畑作物の輪作体系の一翼を担う重要な品目とされ、長期間にわたり手厚い保護がなされてきたが、EU共通農業政策(CAP)の改革により、2012年にでん粉原料用ばれいしょの生産農家に対して行われていた生産に応じた直接支払い制度(注1)が廃止となり、単一支払い制度(注2)へと切り替わったことや、ばれいしょでん粉を製造する業者の補助(注3)が撤廃されたことから、でん粉向けばれいしょの作付面積は減少した。 現地専門家によると、ドイツのばれいしょでん粉生産量は、長期的には現在の8割程度まで減少する見通しであるが、ドイツのでん粉市場は縮小傾向にあることから需要を満たす量であるとしている。 しかし、非食用分野、特に厚紙やボール紙といった製紙におけるばれいしょでん粉需要が堅調である一方、ばれいしょの生産コストは上昇傾向にあることから、ドイツのばれいしょでん粉製造業者はでん粉原料用ばれしょを生産者との合意額よりも高く買い取る、また遡及的値上措置(すでに納入や支払いが済んだものに対して、後から追加で支払いを行うこと)を行うなどして、でん粉用原料を確保するための措置を講じている。 (注1)決められた単価をもとに生産量に応じて補助金が直接農家に支払われる制度(カップル支払い)。 (注2)支払いを生産と切り離した(デカップリング)、品目横断的な補助金制度。 (注3)最低生産者価格を定め、その価格以上ででん粉原料用ばれいしょを生産者から製造業者が購入できるよう支払われていた補助金。
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