ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 2. 日本の品目別主要輸入先国の動向
最終更新日:2018年11月9日
(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる価格。FOB価格と異なり、横持ち料(倉庫間の移動費)、積み込み料などは含まれない。
【貿易および価格動向:コーンスターチ】
8月の輸出量は前年同月から大幅に、前月からかなり増加
2018年8月のコーンスターチ輸出量は、1万1064トン(前年同月比22.4%増、前月比15.6%増)と前年同月および前月の水準をともに上回った(図4)。同月の主要国別輸出量は、表4の通りである。
また、同月の中西部市場のコーンスターチ市場価格は、1ポンド(注)当たり4.85セント(5.6円、前年同月比3.2%安、前月比5.2%高)と前年同月をやや下回ったものの、前月はやや上回った。
(注)1ポンドは0.45キログラム。
【貿易動向】
8月の輸出量は前年同月からかなり大きく増加
2018年8月のタピオカでん粉輸出量は、27万6805トン(前年同月比12.9%増、前月比66.6%増)と前年同月からかなり大きく、前月から大幅に増加した(図6)。同月の主要国別輸出量は、表5の通りである。
また、同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、6月から2カ月連続で前月から下落していたものの、8月は上昇に転じ、1トン当たり488.8米ドル(5万6212円、前年同月比43.8%高、前月比1.1%安)と前年同月から大幅に上昇したものの、前月比はわずかに下落した(図6)。
コラム 欧州における小麦でん粉の生産について欧州では、域内の77カ所のでん粉工場で小麦・トウモロコシ・ばれいしょ由来のでん粉が生産されている(図)。中でも小麦でん粉は、製紙業やバイオ燃料に加えて(表1)、オーガニック食品部門における引き合いが強まっており、大手でん粉製造業社によっては生産規模の拡大のため、でん粉の原料をトウモロコシから小麦に切り替える事例もあるという。これを受け、小麦でん粉生産は増加傾向にあり、でん粉全体の生産量のうち、小麦でん粉の占める割合も緩やかに高まっている(表2)。なお、欧州では、穀物飼料としての小麦需要も増加傾向にある。これはオーガニック食品の人気によって、有機と認定された飼料穀物が必要とされているためである。これを受け、欧州委員会では、域内での有機飼料の作付け地域の拡大に努めているものの、でん粉用の小麦との競合になる場合があるため、一部の国では有機飼料の増産は難しいとされる。 |