でん粉の国内需給
最終更新日:2019年6月10日
でん粉の国内需給
2019年6月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。3月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り
(詳細は2019年5月号参照)。
2. 輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2019年3月のタピオカでん粉の輸入量は、1万176トン(前年同月比40.9%減、前月比14.4%減)と、前年同月から大幅に減少した(図1)。
輸入先国はタイ、ベトナム、ブラジルおよび台湾の4カ国で、輸入量は次の通りであった。
タイ 1万136トン
(前年同月比41.1%減、前月比14.7%減)
ベトナム 34トン
(前年同月輸入実績なし、同4.6倍)
ブラジル 3トン
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
台湾 2トン
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
2019年3月の1トン当たりの輸入価格は、4万9577円(前年同月比3.2%高、前月比0.8%高)と、前年同月からやや上昇した(図2)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 4万9480円
(前年同月比3.0%高、前月比0.8%高)
ベトナム 5万1382円
(前年同月輸入実績なし、同75.5%安)
ブラジル 16万1875円
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
台湾 34万5789円
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
【サゴでん粉の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2019年3月のサゴでん粉の輸入量は、2279トン(前年同月比31.7%減、前月比2倍)と、前年同月を大幅に下回ったものの、前月から大幅に増加した(図3)。
輸入先国はマレーシアおよびインドネシアで、輸入量は次の通りであった。
マレーシア 1631トン
(前年同月比20.7%減、前月比99.6%増)
インドネシア 648トン
(同49.3%減、同2.1倍)
2019年3月の1トン当たりの輸入価格は、6万63円(前年同月比9.6%高、前月比0.4%安)と、前年同月からかなり上昇した(図4)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 5万9857円
(前年同月比7.3%高、前月比1.6%安)
インドネシア 6万583円
(同13.9%高、同2.8%高)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
3月の輸入量は前年同月からかなり減少
財務省「貿易統計」によると、2019年3月のばれいしょでん粉の輸入量は、1993トン(前年同月比9.6%減、前月比32.8%増)と、前年同月からかなり減少したものの、前月から大幅に増加した(図5)。
輸入先国は、デンマーク、ドイツ、オランダおよび台湾の4カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。
デンマーク 1012トン
(前年同月比8.7%減、前月比3.4倍)
ドイツ 576トン
(同27.5%減、同47.6%減)
オランダ 400トン
(同33.3%増、同4.0倍)
台湾 5トン
(同4.0倍、前月輸入実績なし)
2019年3月の1トン当たりの輸入価格は、8万5710円(前年同月比0.4%高、前月比4.5%安)と、前月からやや下落した(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
デンマーク 8万5806円
(前年同月比0.3%高、前月比0.8%高)
ドイツ 8 万4545円
(同0.5%安、同0.7%高)
オランダ 8万4815円
(同0.6%安、同1.1%高)
台湾 27万9792円
(同17.0%高、前月輸入実績なし)
【でん粉誘導体の輸入動向】
3月の輸入量は前月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2019年3月のでん粉誘導体の輸入量は、2万7178トン(前年同月比6.6%増、前月比16.8%減)と、前月から大幅に減少した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先国は19カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約5割を占めており、次いで中国、ベトナムとなっている。
2019年3月の1トン当たりの輸入価格は、9万7448円(前年同月比2.0%高、前月比6.4%高)と、前年同月からわずかに上昇した。
【デキストリンの輸入動向】
3月の輸入量は前年同月からかなり増加
財務省「貿易統計」によると、2019年3月のデキストリンの輸入量は、1257トン(前年同月比13.5%増、前月比86.9%増)と、前年同月からかなり増加した(図8)。
デキストリンの輸入先国は8カ国で、デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイで輸入量の約4割を占めている。
2019年3月の1トン当たりの輸入価格は、16万2259円(前年同月比46.5%高、前月比47.8%高)と、前年同月および前月から大幅に上昇した。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
3月の輸入量は前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2019年3月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、32万1354トン(前年同月比2.1%増、前月比45.1%増)となり、前月から大幅に増加した(図9)。
輸入先国は、米国が約9割を占め、国別の輸入量は次の通りであった。
米国 27万3757トン
(前年同月比1.2%増、前月比34.6%増)
ブラジル 4万7597トン
(同5.5倍、同2.6倍)
2019年3月の1トン当たりの輸入価格は、2万4819円(前年同月比11.4%高、前月比3.0%高)と、前年同月からかなり上昇した。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 2万5096円
(前年同月比11.4%高、前月比3.7%高)
ブラジル 2万3232円
(同4.8%高、同1.3%高)
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