でん粉の国内需給
最終更新日:2019年12月10日
でん粉の国内需給
2019年12月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。9月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(
詳細は2019年11月号参照)。
2. 輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2019年9月のタピオカでん粉の輸入量は、1万925トン(前年同月比26.5%増、前月比1.3%減)と、前年同月から大幅に増加した(図1)。
輸入先国はタイ、ベトナムおよび台湾の3カ国で、輸入量は次の通りであった。
タイ 1万912トン
(前年同月比26.3%増、前月比1.0%減)
ベトナム 10トン
(前年同月輸入実績なし、同80.4%減)
台湾 3トン
(前年同月輸入実績なし、同5.3%減)
2019年9月の1トン当たりの輸入価格は、4万7744円(前年同月比11.6%安、前月比0.7%高)と、前年同月からかなり大きく下落した(図2)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 4万7621円
(前年同月比11.8%安、前月比0.5%高)
ベトナム 15万4400円
(前年同月輸入実績なし、同3.3倍)
台湾 14万8519円
(前年同月輸入実績なし、同12.4%安)
【サゴでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からかなりの程度減少
財務省「貿易統計」によると、2019年9月のサゴでん粉の輸入量は、1673トン(前年同月比10.6%減、前月比26.0%減)と、前年同月からかなりの程度減少した(図3)。
輸入先国はマレーシアおよびインドネシアの2カ国で、輸入量は次の通りであった。
マレーシア 1331トン
(前年同月比16.9%減、前月比29.3%減)
インドネシア 342トン
(同26.7%増、同9.5%減)
2019年9月の1トン当たりの輸入価格は、5万7892円(前年同月比3.2%安、前月比0.2%高)と、前年同月をやや下回った(図4)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 5万8038円
(前年同月比3.7%安、前月比0.1%高)
インドネシア 5万7322円
(同0.5%高、同1.1%高)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2019年9月のばれいしょでん粉の輸入量は756トン(前年同月比47.3%減、前月比48.8%減)と、前年同月および前月から大幅に減少した(図5)。
輸入先国はデンマーク、オランダ、ドイツ、台湾および米国の5カ国で、輸入量は次の通りであった。
デンマーク 342トン
(前年同月比50.0%減、前月比15.5倍)
オランダ 300トン
(同40.0%減、同50.0%増)
ドイツ 111トン
(同55.2%減、同91.1%減)
台湾 1トン
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
米国 1トン
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
2019年9月の1トン当たりの輸入価格は、10万1842円(前年同月比18.4%高、前月比22.4%高)と、前年同月および前月を大幅に上回った(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
デンマーク 7万9673円
(前年同月比4.1%安、前月比3.4%安)
オランダ 8万750円
(同4.8%安、同3.1%安)
ドイツ 15万2728円
(同58.1%高、同83.2%高)
台湾 25万4167円
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
米国 905万3333円
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
【でん粉誘導体の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2019年9月のでん粉誘導体の輸入量は、3万3304トン(前年同月比20.4%増、前月比31.0%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先国は19カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約6割を占めており、次いで中国、オランダとなっている(表3)。
2019年9月の1トン当たりの輸入価格は、9万4307円(前年同月比2.4%安、前月比0.7%安)と、前年同月からわずかに下落した。
【デキストリンの輸入動向】
9月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2019年9月のデキストリンの輸入量は、894トン(前年同月比20.5%増、前月比20.4%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図8)。
デキストリンの輸入先国は10カ国で、輸入量は上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイで輸入量の約4割を占めている(表4)。
2019年9月の1トン当たりの輸入価格は、16万2553円(前年同月比13.7%安、前月比20.7%高)と、前年同月をかなり大きく下回った。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からやや減少
財務省「貿易統計」によると、2019年9月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、31万5393トン(前年同月比3.0%減、前月比27.4%増)となり、前年同月からやや減少した(図9)。
輸入先国は、米国およびブラジルの2カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。
米国 28万5759トン
(前年同月比1.5%増、前月比21.4%増)
ブラジル 2万9634トン
(前年同月輸入実績なし、同2.5倍)
2019年9月の1トン当たりの輸入価格は、2万5761円(前年同月比3.3%高、前月比3.5%高)と、前年同月からやや上昇した。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 2万6049円
(前年同月比3.8%高、前月比4.3%高)
ブラジル 2万2993円
(前年同月輸入実績なし、同0.6%安)
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