2. 日本の品目別主要輸入先国の動向
最終更新日:2020年1月10日
2. 日本の品目別主要輸入先国の動向
2020年1月
本稿中の為替レートは2019年11月末日TTS相場の値であり、1米ドル=111円(110.56円)、1タイ・バーツ=3.71円、1ユーロ=122円(122.09円)である。
トウモロコシ・コーンスターチ
米国
【需給動向:トウモロコシ】
需給予測は前月から変わらず
2019年12月時点の米国農務省(USDA)による、2019/20穀物年度(9月〜翌8月)のトウモロコシ需給予測は前月から変わらず、生産量は136億6100万ブッシェル(3億4700万トン、前年度比5.3%減、前月同)、総消費量は139億1500万ブッシェル(3億5345万トン、同3.9%減、前月同)となっている(表2)。
【価格動向:トウモロコシ】
生産者平均販売価格は前月の予測から変わらず
2019/20穀物年度のトウモロコシの生産者平均販売価格は、前月と同じ1ブッシェル当たり3.85米ドル(427円)と予測された。
【貿易動向:トウモロコシ】
9月の輸出量は前年同月および前月から大幅に減少
2019年9月のトウモロコシ輸出量は、204万1047トン(前年同月比61.5%減、前月比28.1%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(図3)。同月の主要国別輸出量は、表3の通りである。
また、同月の輸出価格(FAS
(注))は、1トン当たり190.1米ドル(2万1101円、同6.7%高、同1.2%安)と前年同月からはかなりの程度上昇したものの、前月からはわずかに下落した。
(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる価格。FOB価格と異なり、横持ち料(倉庫間の移動費)、積み込み料などは含まれない。
【貿易動向:コーンスターチ】
9月の輸出量は前年同月および前月からかなりの程度減少
2019年9月のコーンスターチ輸出量は、9509トン(前年同月比6.9%減、前月比9.5%減)と前年同月および前月からかなりの程度減少した(図4)。同月の主要国別輸出量は、表4の通りである。
同月の中西部市場のコーンスターチ市場価格は、1ポンド(注)当たり6.48セント(7.2円、同48.3%高、同5.3%安)と前年同月からは大幅に上昇したものの、前月からはやや下落した。
(注)1ポンドは約0.45キログラム。
タピオカでん粉
タイ
【価格動向】
タピオカでん粉国内価格は前年同期をやや下回るものの、安定して推移
タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2019年12月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり13.0バーツ(48円、前年同期比5.8%安、前週比0.8%高)と12.9バーツまで下落していた前週からわずかに上昇した。2019年はタピオカでん粉の国内価格が安定して推移している(図5)。
【貿易動向】
10月の輸出量は前年同月からは大幅に減少したものの、前月からはやや増加
2019年10月のタピオカでん粉輸出量は、22万3378トン(前年同月比28.3%減、前月比4.3%増)と前年同月からは大幅に減少したものの、前月からはやや増加した(図6)。同月の主要国別輸出量は、表5の通りである。
同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり455.0米ドル(5万505円、同11.3%安、前月同)と、前年同月からはかなり大きく下落したものの、前月と同額であった。11月の輸出価格は、同452.5米ドル(5万228円、同4.2%安、前月比0.5%安)と、前年同月からはやや、前月からはわずかに下落した。
ベトナム
【生産動向】
10月の作付面積は前年同月からはかなりの程度、前月からはわずかに増加
ベトナムの調査会社AgroMonitorによると、農業農村開発省(MARD)の統計では2019年10月15日時点で、キャッサバが作付けされている面積は、47万1962ヘクタール(前年同月比7.1%増、前月比2.0%増)と前年同月からはかなりの程度、前月からはわずかに増加した(表6)。
地域別に見ると、ベトナム北部の作付面積は14万776ヘクタール(同31.1%増、前月同)と前年同月からは大幅に増加したものの、前月からは変化はなく、10月からキャッサバの収穫が開始された。
その一方で、南部の作付面積は33万1186ヘクタール(同0.6%減、前月比2.9%増)と前年同月からはわずかに減少したものの、前月からはわずかに増加した。これは、南東地域に属し、同国第2位の作付面積を誇るタイニン省の高地などで、10月半ばからキャッサバの新期作付けが始まったためだと考えられる。
【貿易動向】
10月の輸出量は前年同月からはわずかに、前月からかなりの程度減少
AgroMonitorによると、2019年10月のタピオカでん粉輸出量は、15万9207トン(前年同月比0.8%減、前月比9.8%減)と、前年同月からはわずかに、前月からはかなりの程度減少した(図7)。
ばれいしょでん粉
EU
【貿易動向】
9月の輸出量は前年同月からはかなりの程度減少したものの、前月から大幅に増加
2019年9月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、1万8822トン(前年同月比6.4%減、前月比29.9%増)と前年同月からはかなりの程度減少したものの、前月からは大幅に増加した(図8)。同月の主要国別輸出量は、表7の通りである。
また、同月の輸出価格(FOB)は1トン当たり754ユーロ(9万1988円、同22.2%高、同4.6%安)と前年同月からは大幅に上昇したものの、前月をやや下回った。
(注)輸出先の不明なものを除く。
コラム イタリアにおけるトウモロコシの生産および
コーンスターチの輸出入動向について
イタリアでは主に北部でトウモロコシが栽培されているが、近年、イタリアのトウモロコシの生産量および収穫面積は減少傾向にある(コラム−図1)。これは、猛暑や豪雨などの異常気象が影響しているとみられており、2017年はイタリア全土が干ばつの被害を受けたため、特に不作の年となった。2018年は、収穫面積が59万1206ヘクタール(前年比8.4%減)と前年からかなりの程度減少したものの、生産量は628万3109トン(同3.9%増)と前年からやや回復している。
コラム−図1 イタリアのトウモロコシの生産量およびコーンスターチの輸出入量の推移
イタリアで生産されたトウモロコシの約90%が家畜の飼料、約8%がコーンスターチ、約2.5%が食品、約0.3%が種子として用いられている(コラム−図2)。
コーンスターチに仕向けられるトウモロコシの割合は少ないものの、イタリアは2017年には金額ベースでEU第4位のコーンスターチ輸出国であり、世界のコーンスターチ輸出額の約4.5%を占めた。しかし、輸出量と輸出額は近年ともに減少傾向にある(コラム−図1)。それに対して、輸入量は大幅に増加してきており、2017年には6万4147万トン(前年比40.2%増)と輸出量を上回り、2018年には7万2433トン(同12.9%増)となっている。
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化工でん粉
デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要輸出国の、主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は以下の通りである。
タイ
【貿易動向】
10月の輸出量は前年同月からはわずかに減少したものの、前月からはやや増加
2019年10月の化工でん粉の輸出量は、9万5337トン(前年同月比0.8%減、前月比5.7%増)と前年同月からはわずかに減少したものの、前月からはやや増加した(図9)。同月の主要国別輸出量は、表8の通りである。
米国
【貿易動向】
9月の輸出量は前年同月および前月から大幅に減少
2019年9月の化工でん粉の輸出量は、2万4180トン(前年同月比21.5%減、前月比16.1%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(図10)。同月の主要国別輸出量は、表9の通りである。
中国
【貿易動向】
10月の輸出量は前年同月および前月から大幅に減少
2019年10月の化工でん粉の輸出量は、5694トン(前年同月比34.6%減、前月比38.4%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(図11)。同月の主要国別輸出量は、表10の通りである。
EU
【貿易動向】
9月の輸出量は前年同月からはやや、前月からはわずかに減少
2019年9月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万635トン(前年同月比3.9%減、前月比1.3%減)と前年同月からはやや、前月からはわずかに減少した(図12)。同月の主要国別輸出量は、表11の通りである。
(注)輸出先の不明なものを除く。
豪州
【貿易動向】
9月の輸出量は前年同月からは大幅に減少したものの、前月からはやや増加
2019年9月の化工でん粉の輸出量は、2166トン(前年同月比20.9%減、前月比5.3%増)と前年同月からは大幅に減少したものの、前月からはやや増加した(図13)。同月の主要国別輸出量は、表12の通りである。
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