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2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2020年2月10日

2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

2020年2月

 本稿中の為替レートは2020年1月末日TTS相場の値であり、1米ドル=110円(110.06円)、1タイ・バーツ=3.59円、1ユーロ=122円(121.80円)である。

トウモロコシ・コーンスターチ

米国

【需給動向:トウモロコシ】
輸出量がわずかに下方修正

 2020年2月時点の米国農務省(USDA)による2019/20穀物年度(9月〜翌8月)のトウモロコシ需給予測によると、生産量は前月と同じ136億9200万ブッシェル(3億4779万トン、前年度比4.5%減、前月同)であった。消費関連の数値は、国内消費量のうちエタノール向けが5000万ブッシェル上方修正されたものの、輸出量が同量下方修正されたことから、総消費量は前月と同じ140億7000万ブッシェル(3億5739万トン、同1.5%減、前月同)であった。期末在庫は前月と同じ18億9200万ブッシェル(4806万トン、同14.8%減、前月同)であった(表2)。

【価格動向:トウモロコシ】
生産者平均販売価格は前月の予測から変わらず

 2019/20穀物年度のトウモロコシの生産者平均販売価格は、前月と同じ1ブッシェル当たり3.85米ドル(424円)と予測され、3カ月修正がなかった。

表2

【貿易動向:トウモロコシ】
11月の輸出量は前年同月からは大幅に減少したものの、前月からはかなりの程度増加

 2019年11月のトウモロコシ輸出量は、248万5585トン(前年同月比51.2%減、前月比7.3%増)と前年同月からは大幅に減少したものの、前月からはかなりの程度増加した(図3)。同月の主要国別輸出量は、表3の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり186.1米ドル(2万471円、同3.3%高、前月同)と前年同月からはやや上昇したものの、前月と同額であった。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる価格。FOB価格と異なり、横持ち料(倉庫間の移動費)、積み込み料などは含まれない。

図3

表3

【貿易動向:コーンスターチ】
11月の輸出量は前年同月からはかなり大きく、前月からはやや減少

 2019年11月のコーンスターチ輸出量は、1万38トン(前年同月比13.9%減、前月比5.1%減)と前年同月からはかなり大きく、前月からはやや減少した(図4)。同月の主要国別輸出量は、表4の通りである。

 同月の中西部市場のコーンスターチ市場価格は、1ポンド(注)当たり6.15セント(6.8円、同24.3%高、同12.3%安)と前年同月からは大幅に上昇したものの、前月からはかなり大きく下落した。

(注)1ポンドは約0.45キログラム。

図4

表4

タピオカでん粉

タイ

【価格動向】
タピオカでん粉国内価格は前年同期をやや下回る

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2020年2月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり12.7バーツ(46円、前年同期比5.9%安、前週同)となり、2019年12月末から同12バーツ台後半で推移している(図5)。

図5

【貿易動向】
12月の輸出量は前年同月からはかなりの程度減少したものの、前月からはかなり大きく増加

 2019年12月のタピオカでん粉輸出量は、21万6714トン(前年同月比6.5%減、前月比13.1%増)と前年同月からはかなりの程度減少したものの、前月からはかなり大きく増加した(図6)。同月の主要国別輸出量は、表5の通りである。

 同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり451.3米ドル(4万9643円、同1.4%高、同0.3%安)と、前年同月からはわずかに上昇したものの、前月からはわずかに下落した。2020年1月の輸出価格は、同447.5米ドル(4万9225円、同0.6%高、同0.8%安)と、前年同月からはわずかに上昇したものの、前月からはわずかに下落した。

図6

表5

ベトナム

【生産動向】
12月の作付面積は前年同月からわずかに増加

 ベトナムの調査会社AgroMonitorによると、農業農村開発省(MARD)の統計では2019年12月15日時点で、キャッサバが作付けされている面積は、51万9500ヘクタール(前年同月比0.7%増)と前年同月からわずかに増加した(表6)。地域別に見ると、ベトナム北部の作付面積は15万6800ヘクタール(同1.5%増)、南部の作付面積は36万2700ヘクタール(同0.4%増)となった。

 同国第1位の作付面積を誇る中央高原地域のザライ省では7万3900ヘクタール(同7.7%増)、第2位の作付面積を誇る南東地域のタイニン省では5万2300ヘクタール(同6.3%増)にキャッサバが作付けされ、それぞれ前年同月からかなりの程度増加した。タイニン省の作付面積が増加した背景として、2019年にサトウキビやゴムからキャッサバへ転作の動きが見られたことが挙げられる。
 


【貿易動向】
12月の輸出量は前年同月からは大幅に、前月からはわずかに増加

 AgroMonitorによると、2019年12月のタピオカでん粉輸出量は、24万9898トン(前年同月比47.2%増、前月比0.5%増)と、前年同月からは大幅に、前月からはわずかに増加した(図7)。同国の主要国別輸出量は、表7の通りである。

図7 

表6

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
11月の輸出量は前年同月および前月から大幅に減少

 2019年11月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、2万2199トン(前年同月比20.5%減、前月比16.1%減)と前年同月および前月から大幅に減少した(図8)。同月の主要国別輸出量は、表8の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり739ユーロ(9万158円、同4.7%高、同3.0%安)と前年同月からはやや上昇したものの、前月からはやや下落した。

 (注)輸出先の不明なものを除く。 

図8

表7

コラム ポーランドのばれいしょでん粉生産について

 ポーランドはドイツ、フランスに次ぐEUのばれいしょ生産国である。2018年、欧州は北部を中心に干ばつに見舞われ、ポーランドのばれいしょも生育期に激しい干ばつの被害を受けた。そのため、生産量の減少が懸念されていたが、7〜8月にかけての降雨と生育期間の延長により、同年のばれいしょの生産量は748万トン(前年比18.5%減)と当初の予測ほどの減少とはならなかった(コラム−図1)。

 


 2019年における作付面積は30万4000ヘクタール(同2.0%増)とわずかに増加するものの、前年に引き続き、高温や干ばつの被害を受けて、生産量は684万トン(同8.6%減)とかなりの程度減少するとみられている。なお、でん粉原料用ばれいしょは、ばれいしょの総生産量の約11%を占めている。

 ポーランドでは、9社の主要企業が8月下旬から12月上旬にかけて、ばれいしょでん粉を生産している。2018年のばれいしょでん粉の生産量は16万8270トン(前年比13.2%減)となり、そのうち約78%が輸出に向けられた(コラム−図2)。輸出量は、2017年まではばれいしょでん粉の生産量の増加に伴って増加傾向にあったが、2018年は生産量の減少に伴い13万3284トン(前年比5.9%減)とやや減少した。主な輸出先は韓国、ベトナム、米国などである。




 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要輸出国の、主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は以下の通りである。

タイ

【貿易動向】
12月の輸出量は前年同月からはかなり大きく、前月からは大幅に減少

 2019年12月の化工でん粉の輸出量は、7万2082トン(前年同月比13.6%減、前月比20.6%減)と前年同月からはかなり大きく、前月からは大幅に減少した(図9)。同月の主要国別輸出量は、表9の通りである。

図9

表8

米国

【貿易動向】
11月の輸出量は前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度減少

 2019年11月の化工でん粉の輸出量は、2万2169トン(前年同月比20.7%減、前月比7.5%減)と前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度減少した(図10)。同月の主要国別輸出量は、表10の通りである。

図10

表9

中国

【貿易動向】
12月の輸出量は前年同月からは大幅に減少したものの、前月からは大幅に増加

 2019年12月の化工でん粉の輸出量は、7767トン(前年同月比36.7%減、前月比21.7%増)と前年同月からは大幅に減少したものの、前月からは大幅に増加した(図11)。同月の主要国別輸出量は、表11の通りである。

図11

表10

EU

【貿易動向】
11月の輸出量は前年同月からはやや、前月からはかなりの程度減少

 2019年11月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万1834トン(前年同月比3.8%減、前月比8.9%減)と前年同月からはやや、前月からはかなりの程度減少した(図12)。同月の主要国別輸出量は、表12の通りである。

(注)輸出先の不明なものを除く。

図12

表11

豪州

【貿易動向】
11月の輸出量は前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度減少

 2019年11月の化工でん粉の輸出量は、1950トン(前年同月比24.1%減、前月比8.2%減)と前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度減少した(図13)。同月の主要国別輸出量は、表13の通りである。

図13

表12

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