でん粉の国内需給
最終更新日:2020年10月9日
でん粉の国内需給
2020年10月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。3月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は
2020年5月号参照)。
2. 輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2020年7月のタピオカでん粉の輸入量は、1万5707トン(前年同月比21.0%増、前月比21.2%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図1)。
輸入先国はタイ、ベトナム、台湾およびブラジルの4カ国で、輸入量は次の通りであった。
タイ 1万5483トン
(前年同月比19.4%増、前月比19.6%増)
ベトナム 216トン
(同41.7倍、同16.2倍)
台湾 6トン
(同42.2%増、同10.5倍)
ブラジル 1トン
(同42.5%減、前月輸入実績なし)
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、4万5426円(前年同月比9.6%安、前月比0.5%安)と、前年同月からかなりの程度下落した(図2)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 4万5236円
(前年同月比9.7%安、前月比0.6%安)
ベトナム 4万9145円
(同72.1%安、同67.5%安)
台湾 36万3234円
(同2.1倍、同23.7%安)
ブラジル 26万8717円
(同41.7%高、前月輸入実績なし)
【サゴでん粉の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年7月のサゴでん粉の輸入量は、1069トン(前年同月比17.5%減、前月比42.6%減)と、前年同月および前月から大幅に減少した(図3)。
輸入先国はマレーシアおよびインドネシアの2カ国で、輸入量は次の通りであった。
マレーシア 997トン
(前年同月比13.5%減、前月比44.3%減)
インドネシア 72トン
(同50.0%減、前月同)
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、5万7960円(前年同月比0.1%高、前月比0.7%高)と、前年同月をわずかに上回った(図4)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 5万7599円
(前年同月比0.4%安、前月比0.5%高)
インドネシア 6万2958円
(同8.0%高、同0.1%安)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2020年7月のばれいしょでん粉の輸入量は2418トン(前年同月比86.3%増、前月比84.9%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図5)。
輸入先国はドイツ、デンマークおよびオランダの3カ国で、輸入量は次の通りであった。
ドイツ 1166トン
(前年同月比43.2%増、前月比1.9%減)
デンマーク 1112トン
(同2.9倍、同55.6倍)
オランダ 140トン
(同40%増、同40%増)
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、8万3465円(前年同月比2.8%安、前月比1.7%高)と、前年同月をわずかに下回った(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
ドイツ 8万2377円
(前年同月比4.0%安、前月比0.7%高)
デンマーク 8万4797円
(同2.2%安、同14.0%安)
オランダ 8万1950円
(同1.4%安、同2.6%高)
【でん粉誘導体の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年7月のでん粉誘導体の輸入量は、3万3597トン(前年同月比30.1%減、前月比11.7%減)と、前年同月から大幅に減少した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先国は18カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約7割を占めており、次いでベトナム、ドイツとなっている(表3)。
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、9万1180円(前年同月比0.8%高、前月比1.0%安)と、前年同月をわずかに上回った。
【デキストリンの輸入動向】
7月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2020年7月のデキストリンの輸入量は、782トン(前年同月比46.3%減、前月比44.3%減)と、前年同月および前月から大幅に減少した(図8)。
デキストリンの輸入先国は9カ国で、輸入量は上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイで輸入量の約5割を占めている(表4)。
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、10万8335円(前年同月比3.9%安、前月比1.9%安)と、前年同月をやや下回った。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
7月の輸入量は前年同月からやや増加
財務省「貿易統計」によると、2020年7月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、27万6034トン(前年同月比3.9%増、前月比17.0%増)となり、前年同月からやや増加した(図9)。
輸入先国は、米国のみで、国別の輸入量は次の通りであった。
米国 27万6034トン
(前年同月比3.9%増、前月比19.3%増)
2020年7月の1トン当たりの輸入価格は、2万2919円(前年同月比3.7%安、前月比3.7%安)と、前年同月をやや下回った。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 2万2919円
(前年同月比3.7%安、前月比3.9%安)
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