でん粉 でん粉分野の各種業務の情報、情報誌「でん粉情報」の記事、統計資料など

ホーム > でん粉 > でん粉の国内需給 > でん粉の国内需給

でん粉の国内需給

印刷ページ

最終更新日:2021年1月12日

でん粉の国内需給

2021年1月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。令和2年9月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は2020年11月号参照)。

需給見通し

表1

表2

2. 輸入動向

タピオカでん粉の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2020年10月のタピオカでん粉の輸入量は、9268トン(前年同月比42.1%減、前月比19.9%減)と、前年同月および前月から大幅に減少した(図1)。

 輸入先国はタイ、台湾、ベトナムおよびブラジルの4カ国で、輸入量は次の通りであった。

タイ         9256トン  
(前年同月比41.6%減、前月比16.3%減)
台湾          9トン  
(同56.7%増、同2.3倍)
ベトナム        2トン  
(同98.9%減、同99.7%減)
ブラジル        1トン  
(同36.0%減、前月輸入実績なし)     

図1

 2020年10月の1トン当たりの輸入価格は、4万4257円(前年同月比8.6%安、前月比0.2%安)と、前年同月からかなりの程度下落した(図2)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ       4万4077円  
(前年同月比8.8%安、前月比0.4%安)
台湾      14万6596円  
(同28.2%安、同48.1%安)
ベトナム    28万3565円  
(同5.6倍、同6.4倍)
ブラジル    31万3419円  
(同86.3%高、前月輸入実績なし)

図2

【サゴでん粉の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2020年10月のサゴでん粉の輸入量は、1347トン(前年同月比35.0%増、前月比6.7%増)と、前年同月から大幅に増加した(図3)。

 輸入先国はマレーシアおよびインドネシアの2カ国で、輸入量は次の通りであった。

マレーシア     1203トン  
(前年同月比32.5%増、前月比15.0%増)
インドネシア     144トン   
(同60.0%増、同33.3%減)

図3

 2020年10月の1トン当たりの輸入価格は、5万5249円(前年同月比6.2%安、前月比1.2%安)と、前年同月をかなりの程度下回った(図4)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

マレーシア    5万5394円  
(前年同月比5.2%安、前月比1.6%安)
インドネシア   5万4042円  
(同14.7%安、同0.2%安)

図4

【ばれいしょでん粉の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2020年10月のばれいしょでん粉の輸入量は828トン(前年同月比8.3倍、前月比41.1%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図5)。

 輸入先国はデンマークおよびオランダの2カ国で、輸入量は次の通りであった。

デンマーク     606トン  
(前年同月比6.1倍、前月輸入実績なし)
オランダ      222トン  
(前年同月輸入実績なし、前月比2.2倍)

図5

 2020年10月の1トン当たりの輸入価格は、8万6357円(前年同月比6.1%高、前月比7.2%安)と、前年同月をかなりの程度上回った(図6)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

デンマーク    8万6700円  
(前年同月比6.5%高、前月輸入実績なし)
オランダ     8万5423円  
(前年同月輸入実績なし、前月同)

図6 

【でん粉誘導体の輸入動向】
10月の輸入量は前年同月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2020年10月のでん粉誘導体の輸入量は、3万1395トン(前年同月比29.0%減、前月比8.6%減)と、前年同月から大幅に減少した(図7)。

 でん粉誘導体の輸入先国は18カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約6割を占めており、次いで中国、ベトナムとなっている(表3)。

図7

表3

【デキストリンの輸入動向】
10月の輸入量は前年同月からかなりの程度増加

 財務省「貿易統計」によると、2020年10月のデキストリンの輸入量は、922トン(前年同月比8.1%増、前月比7.7%減)と、前年同月からかなりの程度増加した(図8)。

 デキストリンの輸入先国は9カ国で、輸入量は上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。

 上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイで輸入量の約6割を占めている(表4)。

 2020年10月の1トン当たりの輸入価格は、9万405円(前年同月比32.3%安、前月比49.8%安)と、前年同月および前月を大幅に下回った。

図8

表4

【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
10月の輸入量は前年同月からかなりの程度減少

 財務省「貿易統計」によると、2020年10月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、17万7251トン(前年同月比9.7%減、前月比34.5%減)となり、前年同月からかなりの程度減少した(図9)。

 輸入先国は、米国、南アフリカおよびブラジルの3カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。

米国       14万6050トン  
(前年同月比12.4%減、前月比36.8%減)
南アフリカ    1万8955トン  
(前年同月輸入実績なし、同53.9%増)
ブラジル     1万2246トン  
(前年同月比58.6%減、同55.3%減)

 2020年10月の1トン当たりの輸入価格は、2万551円(前年同月比19.7%安、前月比0.9%安)と、前年同月を大幅に下回った。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

米国         2万658円  
(前年同月比20.1%安、前月比1.1%安)
南アフリカ      2万421円  
(前年同月輸入実績なし、同1.3%安)
ブラジル      1万9476円  
(前年同月比19.2%安、同0.3%高)

図9

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構  調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272