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でん粉の国内需給

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最終更新日:2021年10月11日

でん粉の国内需給

2021年10月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。3月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は2021年5月号参照)。

需給見通し

表1

表2

2. 輸入動向

【タピオカでん粉の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少  

 財務省「貿易統計」によると、2021年7月のタピオカでん粉の輸入量は、1万821トン(前年同月比31.1%減、前月比6.1%減)と、前年同月から大幅に減少した(図1)。  

 輸入先国はタイ、ベトナム、ブラジルおよび台湾の4カ国で、輸入量は次の通りであった。  

タイ       1万707トン  
(前年同月比30.8%減、前月比6.9%減)  
ベトナム      105トン  
(同51.6%減、同13.8倍)  
ブラジル       5トン  
(同3.4倍、同2.6倍)  
台湾          4トン  
(同35.9%減、同84.7%減)

 

 2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、5万6245円(前年同月比23.8%高、前月比1.0%安)と、前年同月を大幅に上回った(図2)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。  

タイ        5万5943円  
(前年同月比23.7%高、前月比1.0%安)  
ベトナム     6万1650円  
(同25.4%高、同75.3%安)  
ブラジル    39万5489円   
(同47.2%高、同2.7倍)  
台湾       31万2638円  
(同13.9%安、同93.7%高) 

図2

【サゴでん粉の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
 
 財務省「貿易統計」によると、2021年7月のサゴでん粉の輸入量は、1185トン(前年同月比10.9%増、前月比43.1%増)と、前年同月からかなりの程度増加した(図3)。  

 輸入先国はマレーシアおよびインドネシアの2カ国で、国別の輸入量は次の通りであった。  

マレーシア   1095トン  
(前年同月比9.8%増、前月比32.2%増)  
インドネシア    90トン  
(同25.0%増、前月輸入実績なし)

図3

 2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、6万2495円(前年同月比7.8%高、前月比4.8%高)と、前年同月をかなりの程度上回った(図4)。  

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。  

マレーシア   6万2974円  
(前年同月比9.3%高、前月比5.6%高)  
インドネシア  5万6667円  
(同10.0%安、前月輸入実績なし)

図4

【ばれいしょでん粉の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に減少
 
 財務省「貿易統計」によると、2021年7月のばれいしょでん粉の輸入量は1552トン(前年同月比35.8%減、前月比4.0倍)と、前年同月から大幅に減少した(図5)。  

 輸入先国はドイツ、オランダおよびデンマークの3カ国で、輸入量は次の通りであった。  

ドイツ     1167トン  
(前年同月比0.1%増、前月比3.5倍)  
オランダ     244トン  
(同74.3%増、同4.1倍)  
デンマーク   141トン  
(同87.3%減、前月輸入実績なし)

図5

 2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、9万4257円(前年同月比12.9%高、前月比1.4%安)と、前年同月をかなり大きく上回った(図6)。  

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。  

ドイツ     9万4495円  
(前年同月比14.7%高、前月比0.2%安)  
オランダ    9万2020円  
(同12.3%高、同1.2%高)  
デンマーク  9万6156円  
(同13.4%高、前月輸入実績なし)

図6 

【でん粉誘導体の輸入動向】
7月の輸入量は前年同月からやや減少
 
 財務省「貿易統計」によると、2021年7月のでん粉誘導体の輸入量は、3万2201トン(前年同月比4.1%減、前月比10.4%減)と、前年同月からやや減少した(図7)。  

 でん粉誘導体の輸入先国は19カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約7割を占めており、次いでベトナム、デンマークとなっている(表3)。

 2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、10万105円(前年同月比9.8%高、前月比3.8%高)と、前年同月をかなりの程度上回った。

図7

表3

【デキストリンの輸入動向】
7月の輸入量は前年同月から大幅に増加
 
 財務省「貿易統計」によると、2021年7月のデキストリンの輸入量は、1468トン(前年同月比83.8%増、前月比5.4%増)と、前年同月から大幅に増加した(図8)。  

 デキストリンの輸入先国は11カ国で、輸入量は上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。  

 上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイおよびベトナムで輸入量の約7割を占めている(表4)。  

 2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、13万2152円(前年同月比21.1%高、前月比6.0%安)と、前年同月を大幅に上回った。

図8

表4

【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
7月の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
 
 財務省「貿易統計」によると、2021年7月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、29万7068トン(前年同月比6.2%増、前月比11.8%増)となり、前年同月からかなりの程度増加した(図9)。  

 輸入先国は、米国のみで国別の輸入量は次の通りであった。  

米国    29万7068トン  
(前年同月比6.2%増、前月比39.5%増)  

 2021年7月の1トン当たりの輸入価格は、3万6542円(前年同月比59.6%高、前月比5.7%高)と、前年同月を大幅に上回った。  

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。  
米国      3万6542円  
(前年同月比59.6%高、前月比6.7%高)

図9

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構  調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272