でん粉の国内需給
最終更新日:2021年12月10日
でん粉の国内需給
2021年12月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。9月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は
2021年11月号参照)。
2. 輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からやや増加
財務省「貿易統計」によると、2021年9月のタピオカでん粉の輸入量は、1万1947トン(前年同月比3.3%増、前月比16.8%減)と、前年同月からやや増加した(図1)。
輸入先国はタイ、台湾およびベトナムの3カ国で、輸入量は次の通りであった。
タイ 1万1938トン
(前年同月比8.0%増、前月比16.8%減)
台湾 7トン
(同73.9%増、同27.7%増)
ベトナム 2トン
(同99.6%減、同89.6%減)
2021年9月の1トン当たりの輸入価格は、5万5104円(前年同月比24.2%高、前月比1.4%安)と、前年同月を大幅に上回った(図2)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 5万4900円
(前年同月比24.0%高、前月比1.4%安)
台湾 32万3472円
(同14.5%高、同15.5%安)
ベトナム 31万2500円
(同7.0倍、同2.3倍)
【サゴでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2021年9月のサゴでん粉の輸入量は、1484トン(前年同月比17.6%増、前月比33.0%増)と、前年同月から大幅に増加した(図3)。
輸入先国はマレーシアのみで、国別の輸入量は次の通りであった。
マレーシア 1484トン
(前年同月比41.8%増、前月比44.6%増)
2021年9月の1トン当たりの輸入価格は、6万2150円(前年同月比11.1%高、前月比7.7%高)と、前年同月をかなり大きく上回った(図4)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 6万2150円
(前年同月比10.3%高、前月比7.4%高)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2021年9月のばれいしょでん粉の輸入量は797トン(前年同月比35.8%増、前月比54.7%減)と、前年同月から大幅に増加した(図5)。
輸入先国はドイツ、オランダ、デンマークおよび台湾の4カ国で、輸入量は次の通りであった。
ドイツ 594トン
(前年同月比22.7%増、前月比60.9%減)
オランダ 100トン
(前年同月同、同37.5%減)
デンマーク 100トン
(前年同月輸入実績なし、同23.5%増)
台湾 3トン
(前年同月同、前月輸入実績なし)
2021年9月の1トン当たりの輸入価格は、11万961円(前年同月比19.2%高、前月比13.5%高)と、前年同月を大幅に上回った(図6)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
ドイツ 11万6943円
(前年同月比24.5%高、前月比18.7%高)
オランダ 9万3600円
(同9.6%高、同1.9%高)
デンマーク 8万8020円
(前年同月輸入実績なし、同8.3%安)
台湾 29万1667円
(前年同月比31.6%高、前月輸入実績なし)
【でん粉誘導体の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からわずかに増加
財務省「貿易統計」によると、2021年9月のでん粉誘導体の輸入量は、3万5185トン(前年同月比2.4%増、前月比20.9%減)と、前年同月からわずかに増加した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先国は18カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約7割を占めており、次いでフランス、スウェーデンとなっている(表3)。
2021年9月の1トン当たりの輸入価格は、10万1607円(前年同月比17.0%高、前月比9.2%高)と、前年同月を大幅に上回った。
【デキストリンの輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2021年9月のデキストリンの輸入量は、1486トン(前年同月比48.7%増、前月比28.9%増)と、前年同月から大幅に増加した(図8)。
デキストリンの輸入先国は11カ国で、輸入量は上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイおよびベトナムで輸入量の約7割を占めている(表4)。
2021年9月の1トン当たりの輸入価格は、11万8400円(前年同月比34.2%安、前月比7.9%安)と、前年同月を大幅に下回った。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2021年9月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、32万151トン(前年同月比17.5%増、前月比44.5%増)となり、前年同月を大幅に上回った(図9)。
輸入先国は、米国、ブラジル、南アフリカおよびアルゼンチンの4カ国で国別の輸入量は次の通りであった。
米国 24万4920トン
(前年同月比5.5%増、前月比30.1%増)
ブラジル 4万1074トン
(同47.2%増、前月輸入実績なし)
南アフリカ 3万657トン
(同2.5倍、前月比7.7%減)
アルゼンチン 3500トン
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
2021年9月の1トン当たりの輸入価格は、3万9418円(前年同月比90.0%高、前月比2.1%高)と、前年同月を大幅に上回った。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 4万31円
(前年同月比91.5%高、前月比4.1%高)
ブラジル 3万7949円
(同95.3%高、前月輸入実績なし)
南アフリカ 3万6669円
(同77.3%高、前月比7.1%安)
アルゼンチン 3万7881円
(前年同月輸入実績なし、前月輸入実績なし)
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