【生産動向】
2021年は前年から推定2.0%の増産
ベトナム農業農村開発省(MARD)は4月13日、同省と同国で最もキャッサバの生産量の多いザライ省人民委員会によるキャッサバ生産に関する会議を開催し、21年の同国のキャッサバ作付面積は52万8000ヘクタール、生産量は約1070万トンであることを公表した(いずれも推計値。なお、国連食糧農業機関(FAO)によると、20年の同国におけるキャッサバの生産量は約1049万トンであることから、前年比で2.0%程度の増産と推定される)。
また、ベトナムの調査会社(AgroMonitor)によると、2月に南部南東地域の主要なキャッサバ産地であるタイニン省の21/22年産冬春キャッサバ5258ヘクタールでキャッサバモザイク病
(注1)感染が確認され、そのうち4719ヘクタールは軽度だったが、539ヘクタールには中程度の被害が見られた。
なお、3月25日現在、中央直轄5都市および58省のうち1市14省(前月から1省減少)などの合計6万6194ヘクタール(2月27日比37.1%増)でキャッサバモザイク病の感染が確認され、増加傾向を示している
(注2)。
(注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。
【貿易動向】
3月の輸出量は前年同月、前月から大幅に増加
AgroMonitorによると、22年3月のタピオカでん粉輸出量は、30万2202トン(前年同月比84.1%増、前月比2.1倍)と前年同月、前月から大幅に増加した。同国の主要国別輸出量は表8の通りである。
同月の輸出価格(CFR
(注)・中国向け)は、1トン当たり506米ドル(6万5709円、同5.6%高、同1.0%高)と前年同月からはやや、前月からはわずかに上昇した。
(注)Cost and Freightの略。輸入港までの海上運賃を売主が負担し、危険負担は物品を引き渡した際に売主から買主に移転される取引条件であり、コンテナ輸送貨物に使われることが多い。