でん粉の国内需給
最終更新日:2022年8月10日
でん粉の国内需給
2022年8月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。3月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り
(詳細は2022年5月号参照)。
2. 輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年5月のタピオカでん粉の輸入量は、1万6005トン(前年同月比19.3%増、前月比74.2%増)と、前年同月から大幅に増加した(図1)。
輸入先はタイ、ベトナム、台湾およびブラジルで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
タイ 1万5888トン
(前年同月比18.7%増、前月比73.2%増)
ベトナム 102トン
(同20.8倍、同7.3倍)
台湾 11トン
(同48.8%減、同58.8%増)
ブラジル 3トン
(前年同月輸入実績なし、同6.5倍)
2022年5月の1トン当たりの輸入価格は、7万914円(前年同月比26.7%高、前月比5.6%高)と、前年同月を大幅に上回った(図2)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 7万614円
(前年同月比27.1%高、前月比5.7%高)
ベトナム 7万1775円
(同49.4%安、同59.8%安)
台湾 41万9718円
(同51.2%高、同15.3%高)
ブラジル 27万7538円
(前年同月輸入実績なし、同68.9%安)
【サゴでん粉の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月からわずかに減少
財務省「貿易統計」によると、2022年5月のサゴでん粉の輸入量は、1268トン(前年同月比2.2%減、前月比25.8%増)と、前年同月からわずかに減少した(図3)。
輸入先はマレーシアおよびインドネシアで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
マレーシア 1088トン
(前年同月比16.0%減、前月比18.5%増)
インドネシア 180トン
(前年同月輸入実績なし、同2.0倍)
2022年5月の1トン当たりの輸入価格は、7万7587円(前年同月比27.5%高、前月比9.4%高)と、前年同月を大幅に上回った(図4)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 7万7896円
(前年同月比28.1%高、前月比9.0%高)
インドネシア 7万5717円
(前年同月輸入実績なし、同15.8%高)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年5月のばれいしょでん粉の輸入量は2740トン(前年同月比19.6倍、前月比59.6倍)と、前年同月から大幅に増加した(図5)。
輸入先はドイツおよびデンマークで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
ドイツ 2640トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
デンマーク 100トン
(前年同月同、前月比2.3倍)
2022年5月の1トン当たりの輸入価格は、10万28円(前年同月比11.3%高、前月比14.5%安)と、前年同月をかなり大きく上回った(図6)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
ドイツ 10万156円
(前年同月および前月輸入実績なし)
デンマーク 9万6650円
(前年同月比7.9%高、前月比5.9%安)
【でん粉誘導体の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月からかなり大きく増加
財務省「貿易統計」によると、2022年5月のでん粉誘導体の輸入量は、3万9798トン(前年同月比14.9%増、前月比16.4%減)と、前年同月からかなり大きく増加した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先は16カ国・地域で、最大の輸入先はタイであった。主要輸入先からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約7割を占めており、次いでベトナム、フランスとなっている(表3)。
2022年5月の1トン当たりの輸入価格は、12万212円(前年同月比30.2%高、前月比11.0%高)と、前年同月を大幅に上回った。
【デキストリンの輸入動向】
5月の輸入量は前年同月からかなり大きく増加
財務省「貿易統計」によると、2022年5月のデキストリンの輸入量は、1249トン(前年同月比11.5%増、前月比17.1%減)と、前年同月からかなり大きく増加した(図8)。
デキストリンの輸入先は11カ国・地域で、輸入量は上位輸入先の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先からの輸入量は次の通りで、タイおよびベトナムで輸入量の約7割を占めている(表4)。
2022年5月の1トン当たりの輸入価格は、13万1418円(前年同月比31.4%安、前月比25.8%安)と、前年同月を大幅に下回った。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年5月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、27万7565トン(前年同月比21.7%増、前月比25.6%増)となり、前年同月から大幅に増加した(図9)。
輸入先は、米国および南アフリカで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
米国 23万7089トン
(前年同月比3.9%増、前月比32.4%増)
南アフリカ 4万476トン
(前年同月輸入実績なし、同12.7%増)
2022年5月の1トン当たりの輸入価格は、4万8276円(前年同月比44.7%高、前月比9.1%高)と、前年同月を大幅に上回った。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 4万8731円
(前年同月比46.1%高、前月比9.3%高)
南アフリカ 4万5614円
(前年同月輸入実績なし、同5.0%高)
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