でん粉の国内需給
最終更新日:2022年12月9日
でん粉の国内需給
2022年12月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。9月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り
(詳細は2022年11月号参照)。
2.輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年9月のタピオカでん粉の輸入量は、1万4301トン(前年同月比19.7%増、前月比53.5%増)と、前年同月から大幅に増加した(図1)。
輸入先はタイ、ベトナムおよび台湾で、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
タイ 1万4049トン
(前年同月比17.7%増、前月比51.2%増)
ベトナム 249トン
(同129.6倍、同19.2倍)
台湾 4トン
(同51.3%減、同65.8%減)
2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、8万3253円(前年同月比51.1%高、前月比3.6%高)と、前年同月を大幅に上回った(図2)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 8万3221円
(前年同月比51.6%高、前月比4.3%高)
ベトナム 8万570円
(同74.2%安、同63.5%安)
台湾 40万4680円
(同25.1%高、同7.4%高)
【サゴでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年9月のサゴでん粉の輸入量は、2119トン(前年同月比42.8%増、前月比10.9%増)と、前年同月から大幅に増加した(図3)。
輸入先はマレーシアで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
マレーシア 2119トン
(前年同月比42.8%増、前月比22.4%増)
2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、9万8523円(前年同月比58.5%高、前月比3.0%高)と、前年同月を大幅に上回った(図4)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 9万8523円
(前年同月比58.5%高、前月比1.2%高)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年9月のばれいしょでん粉の輸入量は1384トン(前年同月比73.8%増、前月比78.9%増)と、前年同月から大幅に増加した(図5)。
輸入先はドイツ、オランダ、デンマークおよび台湾で、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
ドイツ 1122トン
(前年同月比88.9%増、前月比96.2%増)
オランダ 180トン
(同80.0%増、同80.0%増)
デンマーク 80トン
(同20.0%減、同21.6%減)
台湾 2トン
(同9.1%減、前月輸入実績なし)
2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、11万5769円(前年同月比4.3%高、前月比2.7%高)と、前年同月をやや上回った(図6)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
ドイツ 11万6003円
(前年同月比0.8%安、前月比1.7%高)
オランダ 11万5411円
(同23.3%高、同1.0%高)
デンマーク 10万5863円
(同20.3%高、同2.1%高)
台湾 36万3750円
(同24.7%高、前月輸入実績なし)
【でん粉誘導体の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2022年9月のでん粉誘導体の輸入量は、2万9731トン(前年同月比15.5%減、前月比26.8%減)と、前年同月からかなり大きく減少した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先は16カ国・地域で、最大の輸入先はタイであった。主要輸入先からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約7割を占めており、次いでベトナム、フランスとなっている(表3)。
2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、14万290円(前年同月比38.1%高、前月比9.4%高)と、前年同月を大幅に上回った。
【デキストリンの輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からかなりの程度減少
財務省「貿易統計」によると、2022年9月のデキストリンの輸入量は、1344トン(前年同月比9.6%減、前月比24.2%減)と、前年同月からかなりの程度減少した(図8)。
デキストリンの輸入先は10カ国・地域で、輸入量は上位輸入先の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先からの輸入量は次の通りで、タイおよびベトナムで輸入量の約7割を占めている(表4)。
2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、15万9974円(前年同月比35.1%高、前月比11.2%高)と、前年同月を大幅に上回った。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
9月の輸入量は前年同月からかなり大きく減少
財務省「貿易統計」によると、2022年9月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、28万3689トン(前年同月比11.9%減、前月比3.7%増)となり、前年同月からかなり大きく減少した(図9)。
輸入先は、米国、南アフリカおよびブラジルで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
米国 21万5673トン
(前年同月比12.6%減、前月比2.1%増)
南アフリカ 6万3536トン
(同2.1倍、同1.9%増)
ブラジル 4480トン
(同89.1%減、前月輸入実績なし)
2022年9月の1トン当たりの輸入価格は、5万8552円(前年同月比48.5%高、前月比3.0%高)と、前年同月を大幅に上回った。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 5万9706円
(前年同月比49.2%高、前月比3.4%高)
南アフリカ 5万5270円
(同50.7%高、同2.6%高)
ブラジル 4万9565円
(同30.6%高、前月輸入実績なし)
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