でん粉の国内需給
最終更新日:2023年2月10日
でん粉の国内需給
2023年2月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。9月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り(詳細は
2022年11月号参照)。
2.輸入動向
【タピオカでん粉の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月からやや増加
財務省「貿易統計」によると、2022年11月のタピオカでん粉の輸入量は、1万2646トン(前年同月比5.8%増、前月比92.4%増)と、前年同月からやや増加した(図1)。
輸入先はタイ、台湾、ベトナムおよびブラジルで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
タイ 1万2617トン
(前年同月比6.5%増、前月比92.6%増)
台湾 15トン
(同17.2倍、同98.6%増)
ベトナム 8トン
(同91.9%減、同17.2%減)
ブラジル 6トン
(同35.0%増、同2.3倍)
2022年11月の1トン当たりの輸入価格は、8万4161円(前年同月比50.0%高、前月比1.3%安)と、前年同月を大幅に上回った(図2)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 8万3440円
(前年同月比49.1%高、前月比1.0%安)
台湾 44万946円
(同37.7%安、同10.8%安)
ベトナム 29万9758円
(同5.5倍、同11.8%安)
ブラジル 41万5836円
(同57.9%高、同24.5%高)
【サゴでん粉の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年11月のサゴでん粉の輸入量は、2168トン(前年同月比2.6倍、前月比2.5倍)と、前年同月から大幅に増加した(図3)。
輸入先はマレーシアおよびインドネシアで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
マレーシア 1988トン
(前年同月比2.4倍、前月比2.3倍)
インドネシア 180トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
2022年11月の1トン当たりの輸入価格は、12万1849円(前年同月比98.8%高、前月比10.3%高)と、前年同月を大幅に上回った(図4)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
マレーシア 12万2984円
(前年同月比2.0倍、前月比11.3%高)
インドネシア 10万9317円
(前年同月および前月輸入実績なし)
【ばれいしょでん粉の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2022年11月のばれいしょでん粉の輸入量は121トン(前年同月比87.2%減、前月比6.1倍)と、前年同月から大幅に減少した(図5)。
輸入先はオランダおよびデンマークで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
オランダ 100トン
(前年同月および前月輸入実績なし)
デンマーク 21トン
(前年同月比95.2%減、前月輸入実績なし)
2022年11月の1トン当たりの輸入価格は、12万3752円(前年同月比35.0%高、前月比5.4%高)と、前年同月を大幅に上回った(図6)。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
オランダ 12万2980円
(前年同月および前月輸入実績なし)
デンマーク 12万7429円
(前年同月比42.8%高、前月輸入実績なし)
【でん粉誘導体の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月からやや増加
財務省「貿易統計」によると、2022年11月のでん粉誘導体の輸入量は、3万2196トン(前年同月比4.3%増、前月比7.4%減)と、前年同月からやや増加した(図7)。
でん粉誘導体の輸入先は18カ国・地域で、最大の輸入先はタイであった。主要輸入先からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の約7割を占めており、次いでベトナム、フランスとなっている(表3)。
2022年11月の1トン当たりの輸入価格は、14万1290円(前年同月比35.4%高、前月比0.5%高)と、前年同月を大幅に上回った。
【デキストリンの輸入動向】
11月の輸入量は前年同月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2022年11月のデキストリンの輸入量は、885トン(前年同月比38.9%減、前月比0.2%減)と、前年同月から大幅に減少した(図8)。
デキストリンの輸入先は11カ国・地域で、輸入量は上位輸入先の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。
上位輸入先からの輸入量は次の通りで、米国、タイおよびベトナムで輸入量の約7割を占めている(表4)。
2022年11月の1トン当たりの輸入価格は、23万9188円(前年同月比47.4%高、前月比9.5%安)と、前年同月を大幅に上回った。
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
11月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2022年11月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、32万3386トン(前年同月比40.4%増、前月比96.1%増)となり、前年同月から大幅に増加した(図9)。
輸入先は、米国、ブラジル、アルゼンチンおよび南アフリカで、国・地域別の輸入量は次の通りであった。
米国 19万8646トン
(前年同月比1.7%増、前月比61.7%増)
ブラジル 11万2815トン
(同45.1倍、同3.2倍)
アルゼンチン 6250トン
(前年同月輸入実績なし、同2.3倍)
南アフリカ 5675トン
(前年同月比82.5%減、同49.8%増)
2022年11月の1トン当たりの輸入価格は、5万6227円(前年同月比44.0%高、前月比4.6%安)と、前年同月を大幅に上回った。
国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
米国 5万7036円
(前年同月比44.2%高、前月比4.8%安)
ブラジル 5万4744円
(同63.4%高、同1.3%安)
アルゼンチン 5万9220円
(前年同月輸入実績なし、同3.4%安)
南アフリカ 5万4104円
(前年同月比48.4%高、同5.6%安)
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