ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 2. 日本の品目別主要輸入先の動向
最終更新日:2023年8月10日
【貿易動向:コーンスターチ】
輸出価格は引き続き高水準も前月からやや下落
2023年4月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万3545トン(前年同月比21.3%減、前月比21.2%減)と前年同月および前月から大幅に減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表5の通りである。
同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり957.1米ドル(13万9727円、同29.4%高、同4.3%安)と前月から下落した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国中西部市場における23年4月のコーンスターチ価格は、1ポンド当たり18.79米セント(注)(27.4円、前年同月比12.7%安、前月比5.6%安)と前年同月からかなり大きく、前月からやや下落した。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【貿易動向】
5月の輸出量は前月からわずかに増加し、輸出価格は5カ月連続上昇
AgroMonitorによると、2023年5月のタピオカでん粉輸出量は、10万5260トン(前年同月比41.6%減、前月比2.4%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からわずかに増加した。同国の主要国・地域別輸出量は表8の通りである。
同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり539米ドル(7万8689円、同5.5%高、同8.0%高)と前月からかなりの程度上昇し、500米ドルを超過した。
(注)Cost and Freightの略。輸入港までの海上運賃を売主が負担し、
危険負担は物品を引き渡した際に売主から買主に移転される取引条件であり、
コンテナ輸送貨物に使われることが多い。
コラム 欧州主要国のばれいしょでん粉生産動向−デンマーク−世界最大のばれいしょでん粉生産地域である欧州では、デンマーク、フランス、オランダおよびドイツの4カ国が主産国として位置付けられている。本コラムでは、このうちデンマークのばれいしょでん粉の生産動向について紹介する。同国のばれいしょでん粉工場は、ばれいしょ農家が組織する三つの協同組合(KK Karup組合、AKD組合およびAKV Langholt組合)で所有・運営されている。そのうちKK Karup組合とAKD組合は、ばれいしょでん粉や化工でん粉、ばれいしょたんぱく質などの販売や新製品の開発を行う「KMC社」を共同で設立し、両組合のばれいしょでん粉の販売や輸出は同社が担っている。またAKV Langholt組合は、米国の大手穀物企業Cargill社との合弁会社を通じて同組合の産品の販売・輸出を行っており、同組合で生産したばれいしょでん粉の約95%が輸出向けであるとしている。 英国の調査会社LMC Internationalによると、同国のばれいしょでん粉の生産量は近年増加傾向にあるとされている(コラム−図)。22年のばれいしょでん粉の生産量は、AKV Langholt組合が年間8万〜9 万トンと安定的な生産を維持しており、KMC社は同年、約34万トンを生産したとされていることから、合算で42万〜43万トンの生産量と見込まれる。同社は近年、ばれいしょでん粉の生産規模を拡張しており、22年11月には、植物性代替製品の開発が進む中で、品質向上に向けた投資を公表するなど、中長期的な需要増加を見通してさらなる拡張を図っている。 |